監督:クリント・イーストウッド
製作:モーガン・フリーマン、ティム・ムーア ほか
脚本:アンソニー・ペッカム
原作:ジョン・カーリン
出演:モーガン・フリーマン、マット・デイモン ほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
2010年2月5日(金)丸の内ピカデリー ほか 全国ロードショー
http://wwws.warnerbros.co.jp/invictus/
『インビクタス/負けざる者たち』は、アメリカでは2009年12月中旬にリリースされ、評論家ウケもよい感動的な作品であったにもかかわらず、興行面ではいい成績を収めることができませんでした。
本来、この映画がターゲット・オーディエンスとして想定していたのは、人種差別問題に積極的に興味を示してくれるリベラルな人々です。でも、彼らの中の若い層の客足は、同時期に公開された『Disney'sクリスマス・キャロル』や『ニュームーン/トワイライト・サーガ』『ニンジャ・アサシン』『アバター』などに流れてしまいました。そのため、この作品の真のターゲット・オーディエンスはネルソン・マンデラ氏が投獄されていたことを知っている世代、あるいはマンデラ大統領の誕生に世界が歓喜したニュースの記憶がある世代、つまり30代以上に縮小されてしまったのです。
しかも残念なことに、この層のリベラルな人々の多くが2008年の大統領選以来“人種問題にはもう触れたくない”という気分になっていたんです。というのも予備選の間、ヒラリー候補支持派の人々がオバマ氏を批判すると、その批判がいかに正当なものであろうともメディアからも周囲のオバマ候補支持派の人々からも一斉に“人種差別主義者!”と中傷され、リベラルな地域では学校や職場で村八分にされる、という状況になっていたのです。そのため、反オバマ派の人々はオバマが大統領になったら黒人やオバマ支持者からの逆差別を受けるだろう、と恐れていました。
そして2009年の夏、マサチューセッツ州ケンブリッジで鍵を忘れたため自宅のドアをこじ開けようとしていた黒人が白人警官に逮捕されるという事件が起きた際、オバマ大統領が“全アメリカ人を代表する大統領”という立場をかなぐり捨て、“一人の黒人”として「私は詳しい事実関係は知らないが、ケンブリッジの警官はバカなことをした」と発言しました。
その後、この黒人がハーバード大学の教授で、オバマ氏の知人でもあり、さらに彼が白人警官をののしって身分証明書の提示を拒絶したこと、白人警官が人種差別をなくすための講習会の講師だったことなどが明らかになり、結果的に、“オバマ政権下のアメリカでは非黒人が逆差別される”という反オバマ派の不安が皮肉にも具現化されました。
世論調査によると、アメリカ人の7割以上が“オバマ政権の誕生後も人種問題は改善されていない”と答えていて、今でもオバマ大統領の政策を批判する人は間髪を入れずに“人種差別主義者”と非難されてもいます。このような差別と逆差別の二重構造のどん詰まりの中で、アメリカ人の7割(そのうち約3割はこの映画のターゲット・オーディエンスであるリベラルな人々)は人種問題にうんざりしていて、人種問題に関する映画なんて見たくない、という感じなのでしょう。
日本には、こうしたネガティブな社会背景がなく、アフリカの黒人をルーツとしたエスニックグループも多数派としていないので、距離を置いて映画をとらえることができるでしょう。南アフリカという国の歴史が経験したドラマを描いたこの映画は、インスピレーションを与えてくれる感動作として楽しめるはずです。皆さん、ぜひご覧になってくださいね!
- 2010年01月25日
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- »我想一個人映画美的女人blog: インビクタス 負けざる者たち / INVICTUS - 2010年01月29日 22:46
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