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西森マリーのUSA通信:スペースアルク
 
ボウリング・フォー・コロンバイン
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ボウリング・フォー・コロンバイン
原題:Bowling for Columbine
価格:4,935円(税込)
販売元:ジェネオン エンタテインメント

この『ボーリング・フォー・コロンバイン』は「アメリカでなぜ銃犯罪が多いのか」というテーマを、ユーモアをまじえて検証するドキュメンタリー映画で、カンヌ映画祭で20分ものスタンディング・オベーションを受け、特別賞を受賞しています。

監督は、コメディアンや作家として多方面で活躍している鬼才マイケル・ムーア。

彼の著書 "Stupid White Men" (邦題『アホでマヌケなアメリカ白人』)は、ブッシュ大統領が不法な手段を行使してフロリダの有色人種の投票権を奪った「真相」や、ブッシュ一族の邪悪な過去を暴いた秀作で、ロングセラーになっています。

この映画のタイトルは、1999年にコロラド州のコロンバイン・ハイスクールで生徒12人と教員1人を射殺したふたりの少年が、犯行直前にボーリングをしていたことに由来します。

ボーリングの延長線上に school shooting がある、つまり「射殺はボーリングと同じくらいアメリカン・カルチャーの一部と化している」という意味合いも伝わってくる巧いタイトルですよね。

ムーアは、銃所持率の高いカナダとアメリカを比較したり、口座を開くと銃をくれる銀行を紹介するなど、様々な角度から「電波少年」的な取材を展開し、アメリカの gun culture を浮き彫りにしていきます。

残念なことに、NRA (=National Rifle Association、全米ライフル協会) から莫大な献金をもらい、極端な銃支持政策を打ち出しているブッシュ政権の逆襲を恐れたメディアは、本作をまったく宣伝しませんでした。

にもかかわらず大ヒットを記録したのは、公開のタイミングの「妙」による部分もあるかもしれません。

中間選挙直前、ちょうどワシントンで、狙撃の名手が連続射殺を行っていた最中に公開されたため、銃規制賛成派の集会にムーアがゲストに招かれたり、政治評論家がこの映画について言及したり、ショウビズとは無関係のところでかなりの話題になったんですよね。

ムーアに取材されたNRA会長チャールトン・ヘストンがとんでもなくバカなことをいうシーン(何をいっているのかは、見てのお楽しみ!)に関して、「痴呆症に近い症状を持つ老人にキツイ質問をしてかわいそう!」という批判が出たとき、ムーアはこう答えました。

「共和党のために数週間で10数都市を遊説し銃規制阻止を訴えてる人間に同情は無用」

NRAに対してこれだけ強い態度で出られる政治家が民主党にいたら中間選挙で民主党が勝っていたかもしれないのに……。

この映画を見て、さらに『アホでマヌケなアマリカ白人』を読めば、「右翼化するアメリカのメディア」と「民衆の恐怖心をあおることで私腹を肥やす共和党」の関係が理解できて、ブッシュがイラクを攻撃したがる理由もよ〜く見えてきます!

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