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西森マリーのUSA通信:スペースアルク
 
サハラに舞う羽根
サハラに舞う羽根
サハラに舞う羽根
原題:The Four Feathers
価格:1,575円(税込)
販売元:アミューズソフトエンタテインメント

ストーリー:英国軍が世界の4分の1を制覇していた1884年。北アフリカの戦場に行くことを拒んだひとりの若者ハリー・フェバーシャムに、仲間から「臆病者」を意味する白い羽根が贈られる。婚約者までもが去り、失意と苦悩に苛まれたハリーだったが、やがて戦場で苦戦する友人ジャックのために、屈辱の証であった「白い羽根」を握りしめ、ひとりスーダンへ旅立つ。

この映画がアメリカで公開になったのは2002年の秋。ちょうどブッシュとブレアがイラク侵略の必要性を英米国民に主張し始めた時期でした。英米両国政府は「イラクはアルカイダの温床で、核兵器を保有している」という理由を挙げてイラク攻撃を正当化しようとしていましたが、世界のほとんどの国々はこの理由をまともに取り合わず、「ブッシュとブレアは石油がほしいだけ」と言っていました。

そのため、アメリカの評論家たち(アンチ・ブッシュのリベラルなインテリが圧倒的に多い)はこの作品を見てこう言っていました。

「『サハラに舞う羽根』は十字軍の時代も19世紀も、そして今もキリスト教徒のアングロ・サクソンの優越感と帝国主義/植民地主義的な思想が変わっていないことを物語るものなので、反面教師として鑑賞するといい」

実は『サハラに舞う羽根』は1915年に最初に映画化されて以来、39年までになんと5回も映画化され、77年にはテレビ映画にもなっているので、この作品は7回目の映画化です。

他の作品はイングランドの帝国主義をかなり美化しているんですが、この作品は監督がインド人(インドは長年イングランドの植民地としてイングランドの圧政に苦しんでいました)なので、帝国主義に根ざすイングランド人のプライドというエレメントにはそれほどこだわらず、メイン・キャラクターたちの人間性に焦点を当てています。

それに、主人公を助けるムスリムの黒人が非常にポジティヴなキャラクターとして描かれていることも、「白人キリスト教徒=善、有色人種の非キリスト教徒=悪」というステレオタイプがお好きなハリウッド映画とは違う点で、評価すべきでしょう。

映画の最後で、ジャックが「戦場で勇気を与えてくれるのは(戦争を正当化する)イデオロギーでも自国の国旗でもなく、自分の左右で一緒に戦っている友達だ」と演説します。

ブッシュやブレアにこの名言を聞かせて、イラク侵略のための大義名分をでっちあげてエセ愛国心を煽ったことを反省していただきたいものですね。

イングランドでは「ヒース・レジャー(オーストラリア人)とケイト・ハドソン(アメリカ人)の姿勢が悪くて、どう見てもイングランドの上流階級の人間とは思えない」と批判されていましたが、その部分を無視すれば壮大な時代劇として楽しめます。

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