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西森マリーのUSA通信:スペースアルク
 
ティアーズ・オブ・ザ・サン
ティアーズ・オブ・ザ・サン
ティアーズ・オブ・ザ・サン
原題:Tears of the Sune
価格:1,332円(税込)
販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

舞台は内戦下のナイジェリア。女性医師リーナ・ケンドリックス救出の命令を受けたウォ一夕ーズ大尉らだったが、医師の願いにより難民たちも救出することを決意する。彼らは上層部の命令に背きながらも、また圧倒的な敵の勢力に脅かされながらも、救出作戦を遂行する…。「ダイ・ハード」シリーズ4作目用の脚本を練り直して製作したという、ブルース・ウィリス主演の戦争ドラマ。

アメリカは世界の警察、米軍は正義の味方、米兵は皆ヒーロー。

筋書きは超アリガチ!!!

米軍を美化するのはいわばハリウッドの伝統みたいなもの。

ニミッツとかシーホークとかの「大道具」は米軍の全面的協力がないと使わせてもらえないですからねぇ。

戦艦や戦闘機を撮影させてもらう代わりに米軍のイメージアップに協力---ハリウッドと米軍はもちつもたれつの関係にあるのです。

この作品、クリントン政権時代だったら、単なる「月並みな戦争アクション映画」として別に話題にもならなかったでしょう。

でも、アメリカで公開されたのが2003年の3月上旬、ちょうどブッシュがイラク侵略を正当化し、今にも戦争が始まる、という時期でした。そのため、「善なるキリスト教徒と米軍が邪悪なムスリムに立ち向かう」というこの映画は共和党の宣伝工作では?という陰謀説まで流れ、政治討論番組でも取り上げられました。

陰謀説を唱える人たちが根拠として挙げていた論点として最も信憑性があったのは

・9・11の直後、民間機でビルにつっこむという攻撃法を予測できなかったことを非難されたブッシュ政権は、テロリストの策略を予測する手だての一環としてハリウッドの映画製作者の知恵を借りることにした

・ブルース・ウィリスは筋金入りの共和党支持者で、「ブッシュ親子を尊敬している」と公言している

という2点。

とはいえ、この作品の撮影が開始されたのは2002年春、ということを考えると、9・11からたった半年でスクリプトができあがったとは思えないので、ブッシュ派のプロパガンダということはまずあり得ないでしょう。

でも、映画公開当時、反戦派が「こういう映画を見て、政治の実情を知らない感化されやすい人たちが『アメリカは正義のためにイラクを滅ぼさなければならない!』と思ってしまうから、この映画はまさにプロパガンダそのものだ!」と非難していました。

FOXチャンネル(ブッシュの親族が重役を務める右寄りのテレビ局)のニュースを見ている人たちが戦争賛成ムードをもりあげた、という調査結果や、『トップガン』の大ヒットの後、戦闘機のパイロットになりたい人が激増したことを思うと、この映画がイラク侵略に貢献した可能性は無視できないですよね。

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