『S.W.A.T.』は、1975年に大ヒットした警察モノのテレビ番組の映画化。
アメリカでのウリは「懐かしいあの番組がアメリカで一番クールなスターとアイルランド出身の超ホットなスターを主演に戻ってくる!」というものでした。
アメリカ一クールなスターとはサミュエル・ジャクソン、超ホットなスターというのはコリン・ファレルのこと。二人とも日本での人気はイマイチなので、こう言われてもピンとこないかも知れませんが、アメリカではうたい文句通りものすご〜い人気者なのです。
でも、この映画の一番の見所は彼らの存在感でも演技力でもスター・パワーでもなく、警官モノとしてのauthenticity(信憑性)です。
ここ7〜8年、ハリウッドのアクション映画は特撮とCGに占領され、人間技とはとても思えないスタントばかりが目立ってますよね。
でも、『S.W.A.T.』はテクノロジーへの依存を最小限にとどめて、職人芸とも言うべき昔ながらの映画の撮り方に固執してる。
だから、物理の原理に刃向かうような「ありえないアクション」はまるっきり出てこないのです。
射撃しながら前進する、というトレーニングのシーンでジャクソン扮するホンドがジョン・ウー監督(『フェイス/オフ』、『M:I−2』)の映画と実際は違う、と指摘するシーンがありますが、『S.W.A.T.』は特撮とCGを多用する今のアクション映画に対するアンチテーゼとして見ても楽しめるんですよね。
信憑性へのこだわりはアクション・シーンのみに止まりません。
この映画でラティーノのギャングを演じているのは、俳優(エキストラ)になる直前まで服役していたり、映画撮影中も保護観察の身分だったという筋金入りの本物のギャングなのです!
彼らのエージェントをしているのも元ギャングで、この映画では「ギャング・タレント」の仕出しをしただけではなく、台詞回しやアクション、衣装の信憑性をチェックするアドバイザーも務め、すでにハリウッドではちょっとしたVIPになっています。
前科者を受け入れるハリウッドに対しては「犯罪に対して甘い!」、「更正の希望を与える」と賛否両論出ていますが、本物のギャングたちのおかげで『S.W.A.T.』がすごくリアルなエンターテインメントになっていることは確かですよね。
- 2003年10月 9日
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