心温まるペンギンアニメに潜むテーマ
監督・共同脚本・製作:ジョージ・ミラー
声の出演:イライジャ・ウッド、ロビン・ウィリアムズ、ブリタニー・マーフィー、ヒュー・ジャックマン、ニコール・キッドマン、ヒューゴ・ウィービングほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
3月17日(土)より丸の内プラゼールほか全国ロードショー
http://wwws.warnerbros.co.jp/happyfeet/
『ハッピー フィート』は、アメリカでは昨年の11月中旬にリリースされ、3週連続で興行成績ランクのトップを独走。その後も1カ月にわたってトップ10に居座る、という快挙を成し遂げました。
同時期に公開された「007」シリーズの新作『007/カジノ・ロワイヤル』が、フォード社と提携してテレビや雑誌、ウェブサイトなどのあらゆるメディアで大規模なPRを行っていたことを思うと、ごく普通のスポットCMしか流さずに『007/カジノ・ロワイヤル』を抑えてNo.1になった『ハッピー フィート』の威力に敬服せざるを得ません(新しい007はフォードの新車モンデオに乗っているので、フォード社は、11月初旬から12月にかけて映画の一部をフィーチャーしたモンデオのCMをヘビーローテーションで流していました)。
ヒットの要因は4つ。
まず1つめは、なんと言ってもストーリーが心温まるものだったから。
2つめは、2005年に大ヒットしてアカデミー賞ドキュメンタリー長編部門で受賞した『皇帝ペンギン』のおかげで、アメリカの子供たちの間でペンギンがちょっとしたブームになっていたから。
3つめは、公開のタイミングの良さ。感謝祭(11月の第4木曜日)から年末年始にかけてのアメリカでは、家族で行ける映画がウケる伝統があるのですが、昨年の暮れは家族全員で見られる良質の映画が少なかったので、敵がいなかったのです。
そして4つめは、公開3週目(つまり普通ならセールスが落ちる時期)にキリスト教右派の団体や、FOXテレビなどの右寄りのテレビ局が“この映画は反キリスト教的だ”と騒いでくれたから。
この作品の主なテーマは“親子のきずな”と“マジョリティーとは異なる存在を受け入れる寛容な心”ですが、“人間による環境破壊の恐ろしさ”もサブテーマとして描かれています。
そのため、キリスト教右派の団体が「この映画はアル・ゴア元副大統領のドキュメンタリー『不都合な真実』の子供向けバージョンで、リベラルな連中が子供たちを洗脳して、人間が環境を破壊しているという事実無根の仮説*を子供たちの心にすり込もうとしている」と文句を言ったのです。
で、彼らの文句がテレビのニュース番組でも取り上げられて、いい宣伝になってくれたんですよね。
ちなみに、アメリカでは『不都合な真実』の制作側がDVDを無料で学校に配っているのですが、右派キリスト教徒の父兄が「地球温暖化といううそを子供に教えるとはけしからん!」と文句を言ったため、このDVDを見ることを禁じた学校もあるんです。そして、これもニュースとなり、おかげでDVDの売り上げがさらに伸びました。
キリスト教右派が騒げば騒ぐほどハリウッドがもうかるなんて皮肉な話ですよね。
- 2007年3月 8日
- Permalink
- [アニメーション]
- Trackbacks (1)
この記事のトラックバックURL:
この記事のトラックバック一覧:
- »35歳から英語勉強して良いかな?: HAPPY FEET - 2007年4月20日 16:17
ハッピー・フィート観ました。普段はアニメは見ないのですが、今回は色々と理由が有
