監督:キャサリン・ハードウィック
出演:ケイシャ・キャッスル=ヒューズ、オスカー・アイザック ほか
配給:エイベックス・エンタテインメント
2007年12月1日よりシャンテ シネ、テアトルタイムズスクエアほか全国ロードショー
http://maryandjoseph.jp/index.html
『マリア』の原題は『The Nativity Story(生誕物語)』。タイトル通りイエス・キリストの生誕のいきさつに関する物語になっており、アメリカでは昨年のクリスマス・シーズン(12月の初旬)にリリースされました。Aクラスのスターは出ていないし、見るからに低予算だし、評論家ウケも悪かったのに、それなりの興業成績を収めることができたのは「クリスチャン・パワーのおかげ」としか言いようがないでしょう。
メル・ギブソンの『パッション』が大成功を収めて以来、「クリスチャンをターゲットにした映画は売れる!」ということが分かり、ハリウッドがクリスチャンにこびる映画を作るようになってきています。何しろ、教会を通じて映画のチケットを販売する/教会が大量にチケットを購入して信者に配る、というマーケティング手法によって、ターゲット・オーディエンスに確実にPRできるので、効果てき面ですから。一昨年は、このマーケティングで『ナルニア国物語』が大ヒットとなり、昨年は『マリア』がこのPR作戦の恩恵を受けた、ということなのです。
公開直前に、シカゴ市が主催した年末のイベントでこの映画のPRが禁じられたことも、この作品の知名度を上げるために大いに役立ちました。「公のイベントなので、1つの宗教のみを特別にフィーチャーすると、会場であるショッピング・モールに買い物に来る、ほかの宗教の信者に対する配慮を欠くことになる」という理由で『マリア』のPRを禁じたシカゴ市に対して、キリスト教徒の団体が「キリスト教差別だ!」と文句を言い、これが大きな話題になったのです。
また、シカゴ市長がイリノイ州で最も有名な民主党派の政治家一族であるデイリー家の一員で、イベントの会場が彼の父親(やはりシカゴ市長だった)リチャード・デイリー氏の功績をたたえて建造されたデイリー・センターだったことも、話題作りに貢献してくれました。
前々からデイリー一族を目の敵にしていた共和党派のコメンテーターたち(多くは原理主義キリスト教徒)が、ここぞとばかりに「民主党はアンチ・キリスト教だ!」と民主党バッシングを始めたことで、この一件は政治論争にまで発展。そのおかげで、この映画は芸能番組の枠を飛び越えて、硬派のニュース番組でも取り上げられたんですよねえ。
日本はキリスト教徒が多い国ではないので、この映画を見たいと思う人はそんなにいないかもしれません。しかしマリアとヨセフが「お互いをいたわる心」という真の愛で結ばれるラブ・ストーリーとして鑑賞すると、とても感動できるので、ぜひご覧になってください! クリスマスの真の意味(=キリストの生誕を祝う宗教的行事)を理解するのにも役立ちますよ!
- 2007年10月25日
- Permalink
- Trackbacks (0)
