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西森マリーのUSA通信:スペースアルク
 
日本ではあまり知られていない
クリストファー・ウォーケンの意外な側面
燃えよ!ピンポン
(C) 2007 Focus Features LLC and Intrepid Pictures LLC. ALL Rights Reserved.
燃えよ!ピンポン
原題:BALLS OF FURY
監督・脚本:ロバート・ベン・ガラント
出演:ダン・フォグラー、クリストファー・ウォーケン、マギー・Q ほか
配給:東北新社
3月22日(土)日比谷みゆき座ほか全国拡大ロードショー
http://www.moe-pin.com/

1988年のソウルオリンピック、卓球トーナメント準決勝。アメリカ代表の天才卓球少年ランディ・デイトナ(ダン・フォグラー)は、12歳のヒーローとして出場。しかし、ぶざまに敗退し、今は場末のカジノでピンポンの曲芸を披露して生計を立てていた。そんな彼に、突如FBIから「裏社会で極秘に行われる卓球世界大会に出場して潜入捜査をせよ」との指令が! ランディは、盲目の少林卓球の名人に弟子入りして猛特訓を受け、中国料理の技法を通して心技体を磨く——。

『燃えよ!ピンポン』は、この邦題からも分かるようにブルース・リー主演の『燃えよ!ドラゴン』のパロディです。この作品はアメリカでは2007年の9月中旬、学校の新年度が始まったばかり、という時期に公開され、大きな話題になり、興行面でも大健闘しました。

公開時のアメリカでは、既に『少林サッカー』や『クン・パオ!燃えよ鉄拳』などがリリースされた後だったので、カンフー・パロディ映画のファン・ベースはできていました。しかし、この作品にはクリストファー・ウォーケンという大スターが出ていたため、カン・フー・パロディもののファン層を超えたごく普通の映画ファンにもアピールすることができたのです。

クリストファー・ウォーケンは、おそらく日本では『ディア・ハンター』でアカデミー助演男優賞をとった性格俳優で、『バットマン・リターンズ』や『スリーピー・ホロウ』などで演じたような悪役が似合うシブい人、というイメージで見られているんでしょうね。しかし、アメリカでは「コワモテの演技派なのにトーク・ショーではやたらおもしろい人」として有名で、そのギャップのおかげで人気があるスターなのです。

燃えよ!ピンポン彼は、映画俳優になる前は、オフ・ブロードウェイでミュージカルをやっていた人なので、もともとは歌って踊れるボードビリアン(ボードビルと呼ばれる歌や手品、漫才などのショーを演じる人のこと)でした。そのため、映画のPRでトーク・ショーに出演する際にタップ・ダンスを披露したり、見事な足さばきでダンス・ステップを踏みながら登場するなど、サービス精神にあふれているのです。

そして、アメリカの老舗コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』にも、1990年以降ほぼ1年おきにゲスト出演。毎回“シルクの部屋着姿で女性を誘惑するヘンなおじさん”という持ちネタを演じ、2001年には、このキャラでアメリカン・コメディ・アワードも受賞しています。

また、彼の独特なしゃべり方は、モノマネをするコメディアンたちのレパートリーに必ず入っています。モノマネ上手な大スター、ケビン・スペイシーも、トーク・ショーに出るたびに彼のモノマネを披露しているというくらい、クリストファー・ウォーケンはコメディには欠かせないキャラクターなのです。

ですから、この映画は「あの・・クリストファー・ウォーケンが出ている映画!」というだけで十分に話題になったんですよね。

日本では、クリストファー・ウォーケンのこうした“おもしろい”側面はほとんど知られていないようですが、この『燃えよ!ピンポン』を機に、コメディアンとしてのクリストファー・ウォーケンのファンが増えるのではないでしょうか? 

原題は Balls of Fury なので、アメリカの映画ファンはブルース・リー主演の映画 Fist of Fury(邦題:『ドラゴン怒りの鉄拳』)を想像してしまうのですが(『燃えよドラゴン』の原題は Enter the Dragon)、どちらにろ「カンフー映画のパロディ」という意図は伝わっていますよね。

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