監督・脚本:ロビン・スウィコード
出演:キャシー・ベイカー、マリア・ベロ、マーク・ブルカス ほか
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
4月12日(土)Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー
http://www.sonypictures.jp/movies/janeaustenbookclub/
『ジェイン・オースティンの読書会』は、Aクラスの映画スターは出ていない地味な映画で、アート・シアターでしか上映されなかったため、興業的にはふるいませんでした。しかし、主婦向けのトーク・ショーでは大きな話題になっていました。
そもそもこの映画が作られたのは、ここ十数年、アメリカの女性(主に中流階級の白人)の間でジェイン・オースティンがウケていて、さらに1996年以来やはり女性(主に白人の主婦)の間で「ブック・クラブ(読書会)」がはやっているからなんです。
読書会自体は昔からありました。しかし、「オプラ・ウィンフリー・ショー」(※1)が、1996年に「オプラズ・ブック・クラブ」というコーナーを始めて以来、大ブームとなり、2000年以降の数年は、読書会に入ってないと“遅れてる人”と見なされたほど。今ではブームは去って読書会の数は激減したと言われていますが、トレンドの波を乗り切って生き残った読書会は、流行の域を超えて、参加している人々の人生の一部として定着しています。
この映画の中でも主役の女性の一人が言っているのですが、読書会の魅力は参加者が読んだ本に関する意見ばかりではなく、人生やトラブルなどもシェアし、共同体的な連帯感を持つことができる点。
しかし、自分の意見がはっきり言えない気の弱い人にとっては、読書会に参加すると逆にストレスがたまってしまうこともあります。読書会のブームが頂点に達した2000年初期には、「仲間はずれにされたくないから、勝ち気なリーダー的存在の女性の意見に嫌々ながら賛同して相づちをうたざるを得ないので、読書会に行くのが憂うつ」とブログで告白している内気な女性もたくさんいました。
ちなみに、現在アメリカ大統領選を戦っているバラック・オバマ氏も読書会と深い縁があります。オバマ氏が台頭できた一因として、オプラ・ウィンフリーが彼を支援したことが挙げられます。彼女は精力的に応援演説をし、資金調達パーティを開きました。彼女の「オバマを大統領に!」という懇願に応えた彼女の熱狂的ファンたちが、各地でオバマ氏の自伝を読む読書会を開き、オバマ氏に投票するように参加者を説得したのです。
さらに、オプラのファンたちはコーカス(※2)でも読書会での手法を使って、まだ誰に投票するか決めていない人たちを取り囲んでは、オバマ氏に投票するように説得しました。そのため、コーカスの後「プレッシャーに負けて、オバマに投票せざるを得なかった」と告白する人も出てしまい、「コーカスも読書会と同じで、気の弱い人の意見は無視される」と、ほかの候補者から非難が相次いでいたんですよね。
しかし、誰がなんと言おうと、政治の世界にまで力を及ぼした、「オプラズ・ブック・クラブ」の力はあなどれませんし、国民の読書離れに歯止めを掛けた読書会の功績は大きいですよね。日本でもこの映画を見た人の間で、読書会がはやると面白いですね!
- 2008年03月27日
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