英語 英語を始めたい人も、伸ばしたい人も
 
インタレストマッチ - 詳細
ALCOM_HOME
SHOP_HOME

HOME  アルクの通信講座出版物  英辞郎  メールマガジン  イベント  ブログ  My ALC  初めての方へ  サイトマップ
 英語
 TOP 特集 オンライン辞書・事典 レベル診断テスト 英会話 ヒアリング ボキャブラリー 英文法 ニュース・ビジネス英語
TOEICテスト対策 TOEFLテスト対策 医学英語 受験英語 翻訳・通訳 映画で英語 英語学習ツール・ソフト
月刊『ENGLISH JOURNAL』   「英語力アップマガジン」 
HOME英語映画で英語
サイト内検索 >>
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


西森マリーのUSA通信:スペースアルク
 
アメリカで大流行した「読書会」は大統領選にも影響
ジェイン・オースティンの読書会
(C) 2007 Sony Pictures Entertainment (J) Inc. All Rights Reserved.
ジェイン・オースティンの読書会
原題:he Jane Austen Book Club
監督・脚本:ロビン・スウィコード
出演:キャシー・ベイカー、マリア・ベロ、マーク・ブルカス ほか
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
4月12日(土)Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー
http://www.sonypictures.jp/movies/janeaustenbookclub/

最愛の犬を亡くしたブリーダーのジョスリン(マリア・ベロ)を元気づけるためにと、友人のバーナデット(キャシー・ベイカー)が読書会を開くことを提案する。読むのは「人生最高の解毒剤」とバーナデットが言う、ジェイン・オースティンの長編小説6冊。6名がその読書会のメンバーとなり、それぞれ1冊ずつリーダーを担当することに。そして読書会の幕が開けるのだが、実は6名それぞれが複雑な悩みを抱えていることが次第にわかっていく——。

『ジェイン・オースティンの読書会』は、Aクラスの映画スターは出ていない地味な映画で、アート・シアターでしか上映されなかったため、興業的にはふるいませんでした。しかし、主婦向けのトーク・ショーでは大きな話題になっていました。

そもそもこの映画が作られたのは、ここ十数年、アメリカの女性(主に中流階級の白人)の間でジェイン・オースティンがウケていて、さらに1996年以来やはり女性(主に白人の主婦)の間で「ブック・クラブ(読書会)」がはやっているからなんです。

読書会自体は昔からありました。しかし、「オプラ・ウィンフリー・ショー」(※1)が、1996年に「オプラズ・ブック・クラブ」というコーナーを始めて以来、大ブームとなり、2000年以降の数年は、読書会に入ってないと“遅れてる人”と見なされたほど。今ではブームは去って読書会の数は激減したと言われていますが、トレンドの波を乗り切って生き残った読書会は、流行の域を超えて、参加している人々の人生の一部として定着しています。

ジェイン・オースティンの読書会この映画の中でも主役の女性の一人が言っているのですが、読書会の魅力は参加者が読んだ本に関する意見ばかりではなく、人生やトラブルなどもシェアし、共同体的な連帯感を持つことができる点。

しかし、自分の意見がはっきり言えない気の弱い人にとっては、読書会に参加すると逆にストレスがたまってしまうこともあります。読書会のブームが頂点に達した2000年初期には、「仲間はずれにされたくないから、勝ち気なリーダー的存在の女性の意見に嫌々ながら賛同して相づちをうたざるを得ないので、読書会に行くのが憂うつ」とブログで告白している内気な女性もたくさんいました。

ちなみに、現在アメリカ大統領選を戦っているバラック・オバマ氏も読書会と深い縁があります。オバマ氏が台頭できた一因として、オプラ・ウィンフリーが彼を支援したことが挙げられます。彼女は精力的に応援演説をし、資金調達パーティを開きました。彼女の「オバマを大統領に!」という懇願に応えた彼女の熱狂的ファンたちが、各地でオバマ氏の自伝を読む読書会を開き、オバマ氏に投票するように参加者を説得したのです。 

さらに、オプラのファンたちはコーカス(※2)でも読書会での手法を使って、まだ誰に投票するか決めていない人たちを取り囲んでは、オバマ氏に投票するように説得しました。そのため、コーカスの後「プレッシャーに負けて、オバマに投票せざるを得なかった」と告白する人も出てしまい、「コーカスも読書会と同じで、気の弱い人の意見は無視される」と、ほかの候補者から非難が相次いでいたんですよね。

しかし、誰がなんと言おうと、政治の世界にまで力を及ぼした、「オプラズ・ブック・クラブ」の力はあなどれませんし、国民の読書離れに歯止めを掛けた読書会の功績は大きいですよね。日本でもこの映画を見た人の間で、読書会がはやると面白いですね!


※1 オプラ・ウィンフリーは、黒人女性のトーク・ショー司会者。アメリカで最も影響力のある人物の一人で、何百万人ものカルト的なファンに支持されています。「オプラ・ウィンフリー・ショー」は、彼女が司会を務める、アメリカで一番視聴率の高い昼の主婦向けトーク・ショーです。

※2 大統領選予備選にはプライマリーとコーカスがあります。プライマリーは普通の選挙と同じ(無記名投票)ですが、コーカスは選挙というより“集会”で、誰が誰を支持するかが分かってしまうため、気の弱い人は周囲の人の説得やプレッシャーに負けて人気のある候補者を支持せざるを得なくなってしまうことが多いのです。

この記事のトラックバックURL: