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西森マリーのUSA通信:スペースアルク
 
英語力が身に付き、教訓も植え付けられる
ドクター・スースの童話が映画化
ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ
(C) 2008 Fox,Based on Dr. Seuss characters TM & (C) Dr. Seuss Enterprises.
ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ
原題:HORTON HEARS A WHO!
監督:ジミー・ヘイワード、スティーヴ・マーティノ
出演:ジム・キャリー、スティーブ・カレル、キャロル・バーネット ほか
配給:20世紀フォックス映画
7月12日(土)より、お台場シネマメディアージュほか全国ロードショー
http://movies.foxjapan.com/horton/

ほこりほどの大きさしかないダレダーレの国。明るく平和なこの国が、突風に襲われ、空中に吹き飛ばされてしまった。「助けて!」というダレダーレの人々の声を聞きつけた心優しいゾウのホートンは、彼らを安全な場所へと運ぶため、冒険の旅に出る。周囲の動物たちから変な目で見られるも、「どんなに小さくたって人は人だ」と主張し、実際に目で見ることすらできないダレダーレの人々を全力で守り抜こうとする——。原作は、子どもから大人まで世界中に多くのファンを持つカリスマ的な絵本作家であり、『グリンチ』や『ハットしてキャット』の原作者としても知られるドクター・スースの『ぞうのホートン ひとだすけ』。

『ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ』は、アメリカでは今年3月中旬にリリースされ、大きな話題になり、興業面でも好成績を収めました。原作はドクター・スース。日本を含む非英語圏ではそれほど有名ではないようですが、北米では恐らく、ドクター・スースは知名度の最も高い児童図書の作家です。

ドクター・スースの多くの作品には、脚韻を踏む表現が多用され、責任感や道徳を強調する文章が繰り返し登場します。そして、最終的には何らかの教訓を植え付けてくれるのです。そのため、「英語を読む力がつき、さらに教育的効果もある」と、小さな子どもを持つ親たちの間で圧倒的な人気を誇っています。特にアメリカでは、多くの幼稚園でドクター・スースの絵本が必読書になっていて、どの本屋さんにも児童書売り場にはドクター・スースのコーナーが設置してある、と言っても過言ではありません。

ですから、ドクター・スースの本を映画化した作品は、出せばとりあえず話題になる、というわけです。

ドクター・スースの作品で、興業成績が最も良かったのは、2000年にリリースされた『グリンチ(原題:HOW THE GRINCH STOLE CHRISTMAS)』です。今回紹介している『ホートン〜』と同じく、ジム・キャリーが主役の声を演じたこの作品は、評論家ウケは決して良くなかったものの、ハリウッドが初めて本格的にドクター・スース作品に取り組んだ、ということで大きな話題になり、2億6000万ドルを稼ぎ出す大ヒットとなりました。

2003年に公開された『ハットしてキャット(原題:THE CAT IN THE HAT』は、やはり「ドクター・スースの実写もの」ということで話題になりました。しかし、主役の猫の声を演じたマイク・マイヤーズがはしゃぎすぎと、評論家からこきおろされ、子どもたちの親も引いてしまいました。しかもこの作品は、原作も別に心温まるお話ではなかったため、1億ドルちょっと、という成績にとどまりました。

138_02.jpgしかし、今回の『ホートン〜』は、ドクター・スースとジム・キャリーのリユニオン、しかも原作のモラルや心優しいスピリットを大切にしている、ということで評論家にも好評。幼稚園や小学校、小児科、本屋の児童書コーナーなどに置かれたフリーペーパーでも「必見映画!」として絶賛されたのです。

また、ここ数年ジム・キャリーが、予防接種のワクチンに含まれる重金属が自閉症を引き起こす危険性について訴える運動に力を入れていて、小さな子どもを持つ親の間で“社会派の俳優”として尊敬されていることも、この映画の成功に一役買ってくれました。

ドクター・スースの作品は、北米ではマザー・グースと同じくらい親しまれているので、この映画を機会に皆さんも英語の勉強も兼ねて、ドクター・スースの絵本を読んでみてはいかがでしょうか?

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