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西森マリーのUSA通信:スペースアルク
 
ヒース・レジャーの急死をめぐる報道が過熱
ダークナイト
TM & (C) DC Comics (C) 2008 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
ダークナイト
原題:THE DARK KNIGHT
監督:クリストファー・ノーラン
声の出演:クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン、ヒース・レジャー ほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
8月9日(土) 丸の内プラゼールほか 全国ロードショー
http://wwws.warnerbros.co.jp/thedarkknight/

2005年に公開された『バットマン ビギンズ』の続編。ゴッサムシティを舞台に、ジム警部補(ゲイリー・オールドマン)やハーベイ・デント地方検事(アーロン・エッカート)とともに、バットマン(クリスチャン・ベイル)は街で起こる犯罪と闘っていた。そこに、極悪非道の犯罪者ジョーカーが現れる。バットマンは、最強の敵にどう立ち向かうのか——。

『ダークナイト』は、アメリカでは今年7月18日にリリースされ、20日までで1億5534万ドルの興行収入を上げ、公開3日間の興行成績記録を塗り替えました(それまでの公開3日間最高興行記録は『スパイダーマン3』の1億5110万ドルでした)。

この大成功の要因は、映画のプロットも俳優たちの演技も質が良く、コミックを超えた魅力があったこと。そのため、評論家からも絶賛され、ティーンや子どものみならず、大勢の大人が映画館に押しかけたのです。

もう一つの要因は、ヒース・レジャーの不慮の死により、この映画の知名度が驚異的に高まっていたこと。

ヒース・レジャーは今年の1月下旬に、ニューヨークのアパートで28歳の若さで亡くなりました。ルックスにも才能にも恵まれた若い俳優が亡くなった、という事実だけでも彼の死は大きなニュースになって当然ですが、彼の場合は『ブロークバック・マウンテン』以来、「ゲイなのでは?」というウワサがつきまとっていたため、アメリカでは彼の死をめぐる報道が異様なほどに過熱してしまったのです。

まず、死因がまだ分かっていないうちから、芸能番組のみならず主婦向けのワイドショーや夜のトークショー、ニュース専門チャンネルなどで取り上げられました。さまざまなパーソナリティが、「ゲイだったことを苦にする自殺では?」などという根も葉もないウワサを、あたかも事実のようにしたり顔で語り始めたのです。

ダークナイトこうした状況が数日間続き、この井戸端会議状態の“報道”に、メディア評論家たちが「ゲイだったというウワサを事実のごとく報道するのは死者や遺族に対して失礼だ」と、メディアの姿勢を批判。さらにこれに対して、公民権保護団体やゲイの権利を主張する人々が「『ゲイだったかも、と言うことが死者や遺族に対して失礼』という発言は、ゲイ差別発言だ!」と怒りを表明。それがまたニュースになり、そのたびに、彼の遺作として『ダークナイト』も話題になっていたのです(実際には、彼の最後の作品は、テリー・ギリアム監督の The Imaginarium of Doctor Parnassus(原題)ですが、『ダークナイト』のほうがはるかにスケールが大きい作品なので、『ダークナイト』へ注目が集まっていました)。

そのため、すでに1月下旬の段階で『ダークナイト』というタイトルは、全国津々浦々に知れ渡っていて、7月にリリースされた時点では、ヒース・レジャーのファンも映画ファンも、それ以外の普通の人も、文字通り「待ってました!」とばかりに映画館に押し寄せたんですよね。

冒頭でも書いたように、この作品は単なるエンターテインメントの域を超えた優れた人間ドラマでもあるので、日本で公開された際にはぜひご覧になってくださいね!

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