監督:ティム・ヒル
出演:ジェイソン・リー、デヴィッド・クロス、キャメロン・リチャードソン ほか
配給:20世紀フォックス映画
9月13日(土)お台場シネマメディアージュほか全国ロードショー
http://movies.foxjapan.com/alvin/
アメリカでは、昨年のクリスマスの時期に公開された『アルビン/歌うシマリス3兄弟』。この作品は、ほとんどの評論家たちからこてんぱんにこき下ろされて、学校や小児科に置いてあるフリーペーパーなどでも「心がまったく温まらない教育的効果ゼロの映画で見る価値がない」と酷評されていました。
それどころか、普段は中立を保っている芸能番組のリポーターたちからも「クリスマス映画だというのに、ハートもソウルもない!」とか、「ジェイソン・リーは子供向き映画にはまったく向かない完ぺきなミスキャスト!」と、たたかれていたのです(ジェイソン・リーは、インディ系ではカルト的な人気を誇っている実力派の役者です)。
にもかかわらず、歴代興行成績ランキングで71位に食い込む大ヒットになったのは、シマリスたちが歌うクリスマスソング「The Chipmunk Song(Christmas Don't Be Late)」のおかげと言えるでしょう。
「シマリス声(ヘリウムを吸い込んだ後の声のようなハイピッチの声)」で歌われるこの曲は、アメリカでは毎年感謝祭(11月の第4木曜日)のあたりからラジオやテレビ、ショッピングモールで頻繁に流される定番の曲。Wham!の「ラスト・クリスマス」や「ジングル・ベル」「ホワイト・クリスマス」と同じ頻度で流されているので、本物のクリスマス・キャロル(「諸人こぞりて」とか「もみの木」など)の歌詞は知らなくても、この曲の歌詞は知っている、という人のほうが多いと言っても過言ではないほどなんです。
ですから、たとえ耳障りな「シマリス声」にいらつく人がいようとも、アメリカに住む人々はクリスマスの時期になると、シマリスのクリスマスソングを聞かないとクリスマス・モードになれないのです。日本でも、「全然興味はないんだけれど、『紅白歌合戦』を見ないと年を越せない」とか「別に誰のファンというわけでもないけど、一応お正月の年中行事として『隠し芸大会』を見る」という人が少なくないでしょう?
それと同じような感覚で、「クリスマスの定番であるシマリスのクリスマスソングをモチーフにした映画だから、クリスマス気分を盛り上げるために一応押さえておこう」と思った人が多かった、というわけなのです。
公開とほぼ同時期に発売されたこの映画のサウンドトラックも、クリスマス関連のウェブサイトで「大嫌いな上司をいらつかせるために最適なプレゼント!」と皮肉まじりに絶賛されて話題に。映画のPRに役立ってくれました。
日本では、シマリスのクリスマスソングはクリスマスの定番とは言えないかもしれませんが、単に「ギャグがいっぱいのおもしろ映画」として楽しめますので、ぜひご覧になってください。そして、エンディング・クレジットも笑えるので、くれぐれも最後まで席を立たないように!
- 2008年8月25日
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