監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:ジェイソン・ステイサム、サフロン・バロウズ、スティーヴン・キャンベル・ムーア ほか
配給:ブロードメディア・スタジオ
11月22日(土)よりシネマライズほか全国順次ロードショー
http://www.bankjob.jp/
『バンク・ジョブ』は、ジェイソン・ステイサムがアクション・シーンなしでもイケる、と証明してくれた作品です。プロットの面白さのみで勝負、という地味な作りなので、映画を面白くできるかどうかは俳優たちの力量次第。アメリカでは、ほぼ8割の映画評論家が「面白い!」と絶賛しました。ステイサムは今後、年を取ってアクションものができなくなっても、ちょっとシブいおじさん俳優としてやっていけるでしょう。
興行成績面では、ステイサム主演作で一番ヒットした『トランスポーター2』を上回ることはできませんでした。しかし、リリースの3週間後には制作費をリクープ(回収)できたので、制作会社にとってはおいしい作品だったと言えますよね。
ただ、オリジナルの『トランスポーター』以来のステイサム・ファンにとっては、派手なカー・チェイスやファイト・シーンがほとんどないこの作品は、やはり物足りなかったというのが正直なところ。
スタローン、シュワルツェネッガー、ブルース・ウィリスという3大アクション・スターたちが年齢を重ね、スティーブン・セガールやジャン・クロード・ヴァン・ダムがDVD用の映画しか出さなくなった2000年初頭以来、ハリウッドでは真のアクション・スター不在の時代が続いています。
エリック・バナ(『ハルク』)や、ブレンダン・フレイザー(『ハムナプトラ』)、クリスチャン・ベイル(『バットマン ビギンズ』)、ヒュー・ジャックマン(『X-MEN』)なども、アクション映画に主演してはいますが、本物の肉体派アクション・スターではありません。
ジェット・リーは、映画がどんな筋書きであろうが、あくまでもカンフー映画のスターであって、アメリカのアクション・ヒーローとはみなされていないし、ザ・ロックとヴィン・ディーゼルは、アクション・ヒーローではあるものの、ちょっとエスニック過ぎる……。こういった状況の中、アクション映画の最大のターゲット・オーディエンスであるブルーカラー層の白人男性にとって、唯一の等身大のアクション・ヒーローがジェイソン・ステイサムなのです。
ですから、ステイサムの昔からのファンたちは、アクション・シーンがほとんどないこの作品にちょっとガッカリしてしまったというわけです。しかし、まだ36歳のステイサムは、さまざまなインタビューで「アクションをやめたワケじゃない」と明言していますし、『トランススポーター3』も11月下旬にはアメリカでリリースされるので、ステイサム・ファンは気を落とす必要はありません。
ちなみに、「筋書きがどうのこうのよりも、とにかくアクション映画が好きな真のアクション・ファンは、映画を見た後にDVDを買う確率が高い」という統計が出ているので、ステイサムは映画業界にとっても大切な存在と言えるでしょう。
- 2008年11月 6日
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