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西森マリーのUSA通信:スペースアルク
 
最新鋭の装備が大人の心をくすぐる『G.I.ジョー』



G.I.ジョー

(C)2009 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
G.I.ジョー
原題:G.I.JOE: THE RISE OF COBRA
監督:スティーブン・ソマーズ
製作: ロレンツォ・ディボナべンチュラ、ブライアン・ゴールドナー、ボブ・ダクセ
脚本:スチュアート・ビーティー、デビッド・エリオット
出演:チャニング・テイタム、レイチェル・ニコルズ、デニス・クエイド、イ・ビョンホン ほか
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
丸の内ルーブルほか 全国拡大ロードショー中
http://www.gi-j.jp/

がん細胞の治療薬としてNATOが研究開発した化学物質ナノマイトが、世界征服を目論む悪の組織“コブラ”に強奪され、世界を脅かす化学兵器として悪用されてしまう。この絶体絶命の危機に、アメリカ政府は世界屈指の精鋭で構成される最強の国際機密部隊“G.I.ジョー”を、最後の切り札として送り込む。最新の機器を操り、コブラと対峙(じ)するG.I.ジョーたちは、世界を救うことができるのか……。

 『G.I.ジョー』は、8月7日に日米同時公開され、大きな話題になりました。
 大人の世界で話題作りに一番大きな貢献をしてくれたのは、映画の中で重要な役割を果たしているウィルス兵器ナノマイトと、G.I.ジョーたちが身に着ける加速装置付きの特殊スーツ、エクソスケルトン・スーツ(着用して人間の筋力を増強するタイプの機器)などの軍事関連の最新技術です。

 がん細胞治療用に開発された物質が、軍事用に転用されてしまったという設定のウィルス兵器ナノマイトは架空のものですし、加速装置付きの特殊スーツも、相手に見えないというインビジブル・スーツも、映画に出てくるようなレベルのものはまだ実在しません。
 でも、アメリカ軍やNASA、軍や宇宙開発関連のテクノロジーを扱う企業では、もう何年も前からナノ・テクノロジーを駆使した武器や装置、エクソスケルトン・スーツ、ステルス(物体を透明化する)テクノロジーの開発に力を入れていて、それなりに機能するプロトタイプはすでに存在するのです。

G.I.ジョー

   そのため、この映画の制作が終わっていない時点で、軍事関連のニュースや技術関連の最新情報を紹介する番組や雑誌が「待ってました!」と言わんばかりに、映画に出てくる技術のことをホットな話題としてどんどん取り上げてくれたのです。
 また、サイエンス・チャンネル(科学専門チャンネル)、ディスカバリー・チャンネル(自然科学、医学、テクノロジーなどを扱うチャンネル)、ミリタリー・チャンネル(軍事関連のことを扱うチャンネル)、ナショナル・ジオグラフィック・チャンネル(自然科学、技術専門チャンネル)を中心に、ドキュメンタリーや硬派の最新情報を放送しているテレビ局が、こぞってこの切り口で『G.I.ジョー』を紹介しました。

 さらに、地上波の普通の報道番組や主婦向けの番組でも、イラク戦争で手足を失った兵士や、足腰が弱った老人、身体障害者などを再び楽に動けるようにする補助機能としてのエクソスケルトン・スーツを紹介する、という形でこの作品を間接的に宣伝したのです。
 おかげで、この映画はリリースされた時点で、ターゲット・オーディエンスである子どもやティーン以外の大人の層にもしっかりPRができました。

 日本では、こういうアングルからこの映画がPRされることはなかったようですが、アクションものが好きな人は気に入る娯楽映画なので、ぜひご覧になってくださいね!
 ただし、「20年前の東京」という設定で登場する場所が、どう見ても中国の少林寺の世界なので、そのシーンが出てきても吹き出さないように! 日本と中国やベトナムの区別がつかない、という現象は『ティファニーで朝食を』に出てくる「日本人」のおじさん、『べスト・キッド』の沖縄の描写など、今に始まったことではないですから、ハリウッド映画ファンの皆さんはもう慣れっこになっていますよね?

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