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西森マリーのUSA通信:スペースアルク
 
現代の家族のカタチときずなを描く『私の中のあなた』
私の中のあなた
(C) MMIX New Line Productions,Inc.All Rights Reserved.
私の中のあなた
原題:MY SISTER'S KEEPER
監督:ニック・カサべテス
製作総指揮:ダイアナ・ポコーニイ、スティーブン・ファースト ほか
脚本:ジェレミー・レべン、ニック・カサべテス
原作:ジョディ・ピコー
出演:キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン、アレック・ボールドウィン ほか
配給:ギャガ
2009年10月、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー
http://watashino.gaga.ne.jp/

白血病の姉、ケイトを救うため遺伝子操作で生まれてきた妹のアナ。幼いころから姉のために移植手術を続けてきた11歳の彼女が、もう姉のドナーにはならないと両親を訴えた。ケイトに生きてほしいという思いは、家族みんな同じだと疑わなかった母親のサラは激怒し、ついに親子は法廷で争うことになる。家族のきずなは崩壊しかけ、ケイトの病気は進行していく。なぜアナは、大好きな姉を救うことをやめる決意をしたのか……。

 『私の中のあなた』は、2004年の同名のベストセラー小説の映画化です。アメリカでは6月に公開され、主婦向けのトーク・ショウや硬派の情報番組、医学や科学の専門誌、さらに尊厳死や幹細胞研究に反対する右派キリスト教徒のニュースレターやウェブサイトなどでも取り上げられて、大きな話題になりました。

 アメリカでは臓器移植が必要な重病の子どもを救うために、別の子どもを人工授精で“生産する”行為は、サイエンス・フィクションではなくサイエンス・ファクト(科学的事実)となっています。
 兄姉を救うために人工的に作られる赤ん坊はsavior sibling(「救世主弟妹」などと訳されるようです」)と呼ばれいて、2000年に第1号であるアダム・ナッシュ君が生まれて以来、このプロセスの是非をめぐってアメリカの世論は、まっぷたつに分裂しています。

私の中のあなた savior siblingの問題はアメリカでは幹細胞研究と抱き合わせで倫理的観点から論議されることが多く、基本的には民主党系の人は賛成派で、共和党派の人は反対派。世論も分裂しながら、政権に左右されてきました。
 2001年に原理主義に極めて近い思想を持つ右派キリスト教徒のブッシュ氏が大統領になり、さらに2001年9月11日の同時多発テロが起きてからの数年間は、アメリカは一気に保守化しました。そのため、「救世主弟妹」に反対派の勢力が圧倒的に強く、賛成派は「神への冒瀆(ぼうとく)だ!」と糾弾されることを恐れ、委縮していました。
 2004年の大統領選の最中に、ナンシー・レーガン夫人が幹細胞研究に賛成すると発言したときは、反対派が彼女を「倫理に欠け、真のキリスト教徒ではない」と非難しました。共和党の顔であるレーガン元大統領の夫人でさえも保守派の批判を免れないことが分かり、賛成派はさらに声を失っていました。

 しかし、今年に入ってオバマ氏が大統領になって、ブッシュ時代に設けられていた幹細胞研究への障害が取り除かれ、さまざまな分野でリベラルな人々の発言力が復活しました。この作品はこうした流れの中で6月に公開され、savior siblingや幹細胞研究の賛成派と反対派が対等な土壌で議論を戦わせる機会を提供してくれたのです。
 ちなみに、映画のエンディングは小説の結末とは全然別物ですが、それを知らなかった右派キリスト教の団体がテリー・シャイヴォ氏※の尊厳死をめぐる法廷闘争のときに築いたネットワークでこの映画のボイコットを呼び掛けたことも、この作品のPRに役立ってったようです。

 日本ではsavior siblingはまだ一般化していないのでこの映画を“身近な作品”と感じる人は少ないと思いますが、母親役に挑んだキャメロン・ディアスのシリアスな演技を見るだけでも一見の価値がある作品ですので、ぜひご覧になってください!

※テリー・シャイヴォ…
1990年に26歳で脳死状態になり延命措置を施されていたが、1998年に夫のマイケル・シャイヴォが、彼女の尊厳死を認めるようフロリダ州の法廷に申請。しかし、テリーの両親が申請却下を求め裁判になり、アメリカを二分する重大ニュースに発展した。2003年に夫が勝訴し、テリー・シャイヴォ氏から生命維持装置が外されたが、その直後にフロリダ州議会が「尊厳死をめぐる判決には州知事が介入できる」という“テリー法”を通し、ジェフ・ブッシュ州知事(ブッシュ前大統領の弟)の勅令で6日後に延命措置が再び施された。その後も“テリー法”をめぐる裁判が行われ、2005年にこの“テリー法”は州法に反するという判決が出て、テリー・シャイヴォ氏は2005年3月に尊厳死を許された。最初の裁判がニュースになってから約3年間、右派キリスト教徒はインターネットや教会を通じて尊厳死の非合法化を求める大々的な政治運動を展開した。

『English Journal』2009年11月号のインタビューにキャメロン・ディアスが登場!
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»我想一個人映画美的女人blog: 私の中のあなた / My Sister’s Keeper - 2010年2月16日 21:17

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