監督:マイケル・ムーア
製作総指揮:キャスリーン・グリン、ボブ・ワインスタイン ほか
脚本:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーア ほか
配給:ショウゲート
2010年1月9日(土)より 全国拡大ロードショー
http://www.capitalism.jp/
マイケル・ムーア監督の最新作『キャピタリズム マネーは踊る』は、アメリカでは9月27日に公開され、ドキュメンタリーとしてはまずまずの興業成績を収めました。しかし、1億2000万ドルを稼ぎ出す異例のメガ・ヒットとなった『華氏911』とは比較にならない収益だったため、映画業界では「コケた」と見なされました。興業面で伸びなかったのは、リリース日が悪かった、としか言いようがありません。
過去のムーア監督作品を振り返ってみると、『華氏911』は第1次ブッシュ政権への怒りが高まり、民主・無党派の人々が「打倒ブッシュ!」を合い言葉に結束した2004年の大統領選に合わせて封切られました(ちなみに、ゴア元副大統領の『不都合な真実』は、2004年の大統領選もブッシュが“大統領の座を盗んだ”と激怒していた民主・無党派の人々が「打倒ブッシュ政策!」で結束した2006年の中間選挙の時期に合わせて公開されました)。ムーア前作の『シッコ』は、7年も続いたブッシュ政権に国民の大半が心底から嫌気が差していた2007年に公開されました。これらの作品は皆、反ブッシュ派の人々の怒りやフラストレーションのはけ口としても重要な役割を果たし、彼らの怒りが興業成績にもつながったのです。
一方、今回の『キャピタリズム マネーは踊る』は、オバマ政権下、民主党が上下両院で多数党、という民主党政権下での公開だったので、「打倒ブッシュ!」という勢いのあった大波はとっくに去った後でした。しかも、『キャピタリズム マネーは踊る』では、格差を助長するマネー資本主義の功罪を問うているのですが、2009年の初夏以降のアメリカでは、アメリカ人の多くが資本主義の利点を見直し始めています。というのも、健康保険国営化、自動車会社国営化、銀行にも政府が口を出す、などの社会主義的な政策を急速に推し進めようとするオバマ政権に対して、国民の多くが不安と怒りを感じているからなのです。
アメリカはもともとfreedom(自由)とopportunity(機会)を求めてやってきた移民たちが築いた国なので、「誰もが平等に機会を得る権利がある」ことには大賛成でも、富を再分配して誰もが平等な結果を得ることを目指すオバマ政権の思想には、抵抗があります。多くのアメリカ人が「共産主義的で怖い!」と危機感を抱く傾向にあり、オバマ政権のばらまき政策が功を奏さず不況が続く中、反ブッシュという一点だけでオバマに投票した無党派(人口の約3割)が反オバマに寝返り、今ではアメリカ人の6割が「行き過ぎた社会主義政策より、やはり自由市場と企業の競争という資本主義で経済を回復させるべき」と考え、資本主義にノスタルジーを感じているのです。ですからなおさら、資本主義の邪悪を説いたこの映画は、これまでの監督作に比べてウケがいま一つだったのです。
もしブッシュ政権末期に公開されていたら大ウケしたことは間違いないでしょう。また、社会主義的な政策に違和感がない日本では、「格差を是正する」ことへの正義感ゆえ、そして日本での経済不況もあり、時宜にかなった視点としてウケるでしょう。皆さん、ぜひご覧になってくださいね!
- 2009年12月22日
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- »我想一個人映画美的女人blog: キャピタリズム〜マネーは踊る〜 / CAPITALISM:A LOVE STORY - 2010年01月16日 01:32
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