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西森マリーのUSA通信:スペースアルク
 
1980年代へのノスタルジー? 『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』
特攻野郎Aチーム THE MOVIE
(c)2010 TWENTIETH CENTURY FOX
原題:THE A-TEAM
監督:ジョー・カーナハン
製作:リドリー・スコット、トニー・スコット、ジュールズ・ダリー
脚本:ジョー・カーナハン、ブライアン・ブルーム、スキップ・ウッズ
出演:リーアム・ニーソン、ブラッドリー・クーパー、クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン ほか
配給:20世紀フォックス映画
2010年8月20日(金)よりTOHOシネマズ 有楽座ほか 全国ロードショー
http://movies.foxjapan.com/ateam/

二枚目のフェイス、怪力のB・A、パイロットのマードック、そして、リーダーで戦略家のハンニバル。米軍の“精鋭”で結成された特殊部隊Aチームは数多くのミッションを成功させ、伝説的存在になっていたが、わなにはめられてしまう。全員が階級を剥奪(はくだつ)され、監獄送りとなる。半年後、事件の情報をつかんだハンニバルは脱獄してチームを再結成し、仲間たちと黒幕を突き止める。特殊部隊Aチームの奇想天外なリベンジが始まる。

『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』は、1983年にNBCが制作したテレビ映画のリメイクです。オリジナルの『特攻野郎Aチーム』は視聴率が良かったため、その後1時間の大ヒット・テレビシリーズとして5年間放送され、登場人物たちのアクション・フィギュアが飛ぶように売れました。ミスター・Tが演じたB・A・バラカスの決めぜりふ“I pity the fool.”(俺は愚か者を哀れむ)が流行語になりました。

アメリカでは『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』は、6月中旬にリリースされ、80年代のリメイク作品、という切り口で話題になりました。アメリカでは、このところ80年代の映画のリメイクがはやっているのです。

特攻野郎Aチーム THE MOVIE

前回の本コラムでご紹介した 『ベスト・キッド』は84年の同名の映画のリメイクで、アメリカで4月にリリースされた『タイタンの戦い』は81年に名優ローレンス・オリヴィエがゼウス、当時若い女性に絶大な人気を誇っていたハリー・ハムリンがペルセウスを演じた作品のリメイクです。

さらに、デヴィッド・リンチ監督、スティングとカイル・マクラクラン主演で話題にはなったものの興業面では大コケした『デューン/砂の惑星』(84年)、公開当時最悪の駄作とされたブリジット・ニールセンとアーノルド・シュワルツェネッガー主演の『レッドソニア』(85年)、試写会で評論家たちが居眠りをしてしまったと言われているゴールディ・ホーンとカート・ラッセル主演のラブコメ『潮風のいたずら』(87年)もリメイクが決定していて、パトリック・スウェイジやC・トーマス・ハウエル、チャーリー・シーンなど当時のヤング・スター競演で「アメリカを侵略したソ連軍を高校生が撃退する」という驚きの筋書きだった『若き勇者たち』(84年)のリメイク版は、すでに撮影を終えています。

そのため、ショウビズ・ニュース、朝のワイド・ショーや昼間の主婦向けのトーク・ショウで80年代のリメイクものの特集が組まれました。そこで社会心理学者たちがこの傾向を「評価の低かった映画までもリメイクされるのは、制作側で実権を持っている30代後半から40代の人々が、 アメリカが豊かで楽しかった子ども時代(=80年代)を懐かしんで、あのころに戻りたいと思っているから」と分析しました。
 
経済関連の記事や番組でも、「オバマ不況下のアメリカの人々は好景気だったレーガン時代にノスタルジアを感じているのか?」という テーマが取り上げられて、そのときに『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』を含む80年代のリメイクも話題になったのです。日本でも同じようなことが言われていますから、『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』は、評論家ウケは非常に悪く「大コケするだろう」と言われていたのですが、4週目で7000万ドルを稼ぎ、とりあえずコケたとは言われずにすみました。

興業面で救われた最大の理由は、この作品がPG13指定(13歳未満の子どもも親の許可があれば見られる)だったから、と言われています。1980年代にノスタルジアを感じている30代後半から40代の親たちが、楽しい子ども時代に見ていた作品を、自分の子どもと一緒に見に行った、というわけです。

日本ではテレビシリーズを知っている人はもうたくさんはいないのかもしれませんが、オリジナルの作品を知らなくても、80年代にノスタルジアを感じていない人でも、娯楽アクション作品として楽しめるので、ぜひご覧になってくださいね!

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