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西森マリーのUSA通信:スペースアルク
 
「自分探しの旅」で支持された『食べて、祈って、恋をして』
食べて、祈って、恋をして
原題:EAT, PRAY, LOVE
監督:ライアン・マーフィー
製作:デデ・ガードナー
製作総指揮:ブラッド・ピット ほか
原作:エリザベス・ギルバート
脚本:ライアン・マーフィー、ジェニファー・ソルト
出演:ジュリア・ロバーツ、ハビエル・バルデム、ジェームズ・フランコ ほか
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
全国ロードショー中
http://eat-pray-love.jp/

ニューヨークで活躍するジャーナリストのリズは35歳。忙しいながらも、仕事も結婚生活も順調だった。しかし、どこか満たされない思いを募らせていた彼女はある日、離婚を決意する。その後出会った年下の男性とも長続きせず、自分に嫌気が差したリズは一念発起し、仕事も男も絶ち、すべてをリセットするため、イタリア、インド、インドネシア・バリ島を巡る1年間のひとり旅に出る。「本当の自分」を見つけるために。イタリアではカロリーを気にせずグルメ三昧(ざんまい)、インドではヨガと瞑想(めいそう)にふける。そして、最後に訪れたバリ島では予期せぬ出会いが訪れるのだが……。

『食べて、祈って、恋をして』は、アメリカでは夏休みが終わりかけた8月中旬に公開され、大きな話題になりました。この作品は、エッセイストのエリザベス・ギルバートが2006年に書いた、同名の自伝的小説の映画化です。

発売後187週間という長期にわたって「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラー・リストに留まり、“オバマ氏を大統領にした女性”と呼ばれるほど影響力がある主婦向けワイドショウの女王、オプラ・ウィンフリーが絶賛していました。ですから、映画化の話が出て、ジュリア・ロバーツが主演に決まった時点からすでに大きな話題になっていたのです。
 
そして、映画の公開日が決まった7月には報道が過熱し「ジュリア・ロバーツが撮影中に食べ過ぎで太った」という見出しがありとあらゆるタブロイド紙の表紙を飾りました。タブロイド紙は、スーパーマーケットやガソリン・スタンド、コンビニエンス・ストアのレジの脇の棚に置かれていることが多いので、レジに並んでいる人はイヤでもスポーツ新聞風の見出しに目が行ってしまうのです。ですから、公開の1カ月前の段階で、この映画は驚異的な知名度を誇っていました。

食べて、祈って、恋をして また、8月初旬に行われたイギリスの雑誌のインタビューで、ジュリア・ロバーツが「私は夫と3人の子どもたちと一緒にヒンズー教の寺院に時々行っています」と語り、この映画の撮影中にヒンズー教に改宗したことを明らかにしました。これも、ショウビズ・ニュースや主婦向けのワイドショウ、夜のトークショウで大きな話題になり、映画の宣伝に一役買いました。

さらに、公開直前には、24時間ショッピング専門チャンネルが『食べて、祈って、恋をして』に触発されたさまざまな商品を販売! 商品の中には、「イタリアの香りがするオー・ド・トワレ」、「インド風の神秘的なペンダント」、「バリを思わせるデザインのスカーフ」など、映画に無理矢理絡ませたような品物もかなりありました。

そのため、若者御用達のフェイク・ニュース番組The Daily Showがワン・セグメント(約8分)をまるまる割いて『食べて、祈って、恋をして』に取ってつけたようなタイアップ商法を皮肉りました。おかげで、ターゲット・オーディエンスではない若い層の人々の間でもこの映画は抜群の知名度を誇っていたのです。

しかも、大手の旅行会社が8月から9月にかけて、「『食べて、祈って、恋をして』を基に企画したしたイタリア、インド、バリのパッケージ旅行」を宣伝していて、カルチャー評論家たちが「この作品は映画というジャンルを超えて、ライフスタイルのチョイスとして女性にウケている」と言っていました。

アメリカでの反応を列挙すると、男性の読者の方々は「女性向けの映画なんだ」と引いてしまうかもしれませんが、自分探しの旅、という意味では、男性が見ても十分楽しめるでしょう。女性の心理を綴ったというこの映画、男性の皆さんもぜひご覧になってくださいね!

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