監督:クリス・ルノー、ピアー・コフィン
製作:クリス・メレダンドリ、ジャネット・ヒーリー、ジョン・コーエン
製作総指揮:ニーナ・ローワン、セルジオ・パブロス
原案:セルジオ・パブロス
脚本:シンコ・ポール、ケン・ダウリオ
声の出演:スティーブ・カレル、ジェイソン・シーゲル、ラッセル・ブランド、ミランダ・コスグローブ ほか
配給:東宝東和
2010年10月29日(金)全国ロードショー
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『怪盗グルーの月泥棒』は、アメリカでは夏休み真っ盛りの7月中旬に公開され、約2億5000万ドルを稼ぐ大ヒットになりました。この作品は評論家ウケも非常に良くて、特に画風がいかにも漫画っぽいこと、孤児や養護施設の描写が楽観的ということの2点が絶賛されていました。画風に関しては、最近のアメリカの3Dアニメは、髪の毛や動物の毛の1本1本がリアルな動き方をする実写に近い描き方のものが多い中、この作品は古典的なアニメの作風なので、「かえって新鮮味があった」ということなのです。
主役の三姉妹、マーゴ、イディアス、アグネスがポジティブで、本来なら陰鬱(いんうつ)にもなりかねない養護施設の暮らしぶりが漫画のように面白しろおかしく描かれている点が、評価されていました。しかし、その一方で、養子を持つ親たちの間では、まさにこうしたいかにもマンガ的な養護施設の描き方が大きな問題になっていたことも忘れてはなりません。アメリカでは、毎年5万人以上の子どもたちが養子として非血縁者の家族に迎えられており、養子(縁組)は決して珍しいことではないのです。
1980年代には子どものいない白人夫婦が黒人の養子をもらう、というケースが多かったのですが、90年代にはロシアや旧共産圏、中国、ベトナムからの養子が激増しました。そして今では、既に実子がいる夫婦がアフリカなどの国々から養子を迎えたり(これは一部でアンジェリーナ・ジョリー現象、と言われています)、同性愛者のカップルが障害児を養子に迎えるなど、人助けの一環としての養子縁組も盛んに行われています。
つまり、日本の養子縁組とは違って、アメリカの場合は、養父母と養子のルックスが誰の目にも明らかに異なるケースが圧倒的に多い、ということです。ですから、アメリカでは養子とした赤ちゃんが3~4歳になると、養父母が「あなたは養子なのよ」と、真実を言って聞かせ、子どもたちは早いうちから自分が養子であることを自覚しています。そのため、養父母たちは養子が出てくる子ども向けの映画には非常に敏感になっていて、養父母のサポート・サイト、養父母を対象にしたポータル・サイトで情報を交換し合っています。
この作品はそうしたサイトで「映画に描かれている養子縁組の手続きや養護施設の運営の仕方が、あまりにずさんで冷酷なので、養子たちが自分たちの素性に関してネガティブな感情を抱く恐れがある」と、厳しく非難されました。とはいえ、養父母の中にも、「養子縁組を単に面白おかしく描いただけなので、パロディーとして楽しめばいいこと」と言っている人も少なくなかったというもの事実です。
日本では養子縁組はあまり身近な話ではないかもしれませんが、血がつながっていなくても芽生える絆(きずな)や愛情には、どなたでも共感できるでしょう。養子について考える機会になるかもしれませんので、養父母の方もぜひ子連れでご覧になってください! そしてバナナから作られたかわいい怪盗軍団“ミニオン”をぜひお楽しみくださいね。
- 2010年10月27日
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