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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2005年4月16日

定冠詞のtheは要するにthatです

慶應の外国語学校の特別講座Business English 208では、ディクテーションを取り入れて基本的なフレーズの暗記に役立ててますが、受講生のみなさんが毎回、同じ間違いをするのを見るにつけ、現在の英語教育のなかでいかに冠詞がおろそかにされているかがよくわかります。一説によるとビジネスで英語を使っている人々は、あらやる名詞に何かしら冠詞をつけるタイプと、一切つけないタイプの「二大流派」に分かれているそうですが、それでは困ります。

例えば、毎回、受講生の8割以上が間違えるポイントに、電話がかかってきた場合に、本人が会議中で出られない旨告げる I'm afraid she's in a meeting.というセンテンスがあります。聞いているCDの音声は、(もともと冠詞は明確に発音しませんから、ある程度しょうがないものの)少なくてもin the meetingと言っていないことぐらいわかりそうものなのに、in the meetingと入力してしまうのです。ちなみに受講生の大半が某英語検定のスコアで言うと800から上というクラスですから、この検定は冠詞とは無縁の世界であることがわかります。

そもそも定冠詞 theは、基本的にthatということですから、She's in THE meeting.と言われた方は、「あの、例の会議に出ていますので」と聞こえてしまい、それだけに違和感をおぼえることになります。以前、日本のテレビ局が街頭インタビューをやっているのを見ていたときに、We're THE Japanese television.と言われた通行人が「えっ、何だって」という感じの、不思議そうな顔をしていましたが、We are THAT Japanese television.つまり、「われわれは、あのテレビ局です。日本の」と聞こえているわけで、怪訝そうな顔をするのもわかろうというものでしょう。加えて、普通は強く発音しないtheに特別力を入れて発音していましたから、恥の上塗りです。

逆に言うと、頭の中でthatと置き換えてもさほど違和感がなければ、その場合はtheを入れて使うケースだと言えます。例えば、空港での出迎えのときの定番であるHow was the flight?などは、(実際には、そうは言いませんが)How was that flight?としても、そうはおかしくありません。

それでは、逆にin a meetingと言う場合の不定冠詞aは何なんだということになるでしょうが、この不定冠詞は、その名詞が表しているものがXだとすれば、ティピカルなXであること、カテゴリーとしてのXであることを示しています。従って、She's in a meeting.という言い方は、彼女は、「一般に会議として知られている場」「会議というカテゴリーに属する集まり」に出ています、といった意味あいになるわけです。

土、日の間に、資料室 ( www.rosenet.ne.jp/?khinata )の方に冠詞の使い分けを説明したチャートと簡単な説明文をアップロードしておきますので、ご興味のある方はのぞいてみてください。

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Comments

勉強させて戴いております。御礼申し上げます。現在、軍刀という特殊用語の英訳を試行して居ります者です。
現在以下の処置に迷っております。

①「満鉄刀」南満洲鉄道が製作した刀、「興亜一心刀」その一連の刀に付いた固有名詞です。
この英訳のケース
「満鉄」と「興亜一心」は固有名詞で、普通名詞の「刀」の可算複合体(同じ刀が沢山造られました)を表します。この時、定冠詞の「the」を付けて「swords」とするか、固有名詞にウェイトを置くか、又は一般名詞化して無冠詞にするか迷っています。
 例
 興亜一心刀の全貌 The whole aspect of Koa-Issin swords. or The whole aspect of the Koa-Issin swords.

②一般名詞の刀は当然可算名詞ですが、此等の刀を説明文に使う時、 "Koa-Issin swords" 又は "Koa-Issin To" という固有名詞して複数無冠詞で使用する事は矛盾があるでしょうか。

他に良い表現がありましたらお教え戴きたく存じます。
他には「折り返し鍛錬」の鉄の折り返し(二つ折りを繰り返して鍛錬する)に適当な英語が見つかりません。

何卒宜敷くお願い申し上げます。


[返信]

こういった専門の分野はその方面の文献をじっくり観察するのが早道かと思いますので、引用符でくくって、"Japanese military swords" あるいは "military swords" を Google で検索して出て来るものをご覧になることをお勧めします。前者でヒットした中に、充実したインデックスがあり、
http://home.earthlink.net/~steinrl/nihonto.htm
こういったものをざっと見ていくだけで、「折り返し鍛造」が fold forging と呼ばれていることを発見できます。

定冠詞のお話、大変ためになりました。ところで、
「そもそも定冠詞 theは、基本的にthatということですから、She's in a meeting.と言われた方は、「あの、例の会議に出ていますので」と聞こえてしまい、それだけに違和感をおぼえることになります。」
とありますが、この文の「in a meeting」は、「in the meeting」の入力間違い、またはコピーミスではないですか?
今後とも、有意義な英語のお話、よろしくお願いします。

本人から: 「元ビジ英リスナー」様、ご指摘ありがとうございます。ご覧のとおり、早速修正しました。ところで「元ビジ英」とあるので、緊張しました。あのお方は神格化されていますからね。

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