2005年4月15日
TOBは英語なのか
フジテレビのおかげで、TOB(経営支配権を取得するため、対象企業の株主に、いい条件を出しますから、お持ちの株を私どもに売ってくださいという株式公開買付)がすっかり有名になりましたが、辞典のたぐいを見るとtake over bidの頭文字を取ってTOBなのだという説明があり、いかにも英語です。しかし、外国人にTOBがどうのと言っても、日本人の英語に慣れている外国人でない限り、通じないと思います。
実はtakeover bidはどちらかと言うと、(日本語に取り込まれている英語にしては珍しいことに)アメリカではなく、イギリスのビジネス英語です。その証拠にイギリスのビジネス英語の辞典には載っているのに、アメリカのビジネス英語の辞典には載っていません。もちろん、takeoverは企業買収を意味するごく普通の単語ですから、アメリカ人のビジネス関係者にもtakeover bidと言えば、通じることは通じます。ただ、アメリカの場合は、株式公開買付けは、tender offerと言うのが普通です。
ことのついでに、コロケーションを見ておきましょう。普通、tender offerと一緒に使う動詞はmakeかlaunchで、対象株式ないし対象企業を示す前置詞はforです。そこで、フジテレビがラジオ局である日本放送の議決権の過半数取得を期して株式公開買付を始めた、と言いたいなら、Fuji Television launched a tender offer for NBS, a radio company, in a bid to take a majority stake.というふうになります。
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