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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2005年5月 7日

英会話とは何ぞや(その2):話し手が送る各種の合図

前回、英会話というのものが所定の手順を踏みながら進められるものであることを説明しましたが、その中で、話し手は、「二人の世界」での自分の現在位置を相手に知らせたり、自分でも確認するために一定の信号を相手に送る一方で、聞き手の方も、まだ自分が参加しており、「二人の世界」は続いていますよと知らせるため、いわば「聞いているよ、聞いているよ」とアピールするための信号を送っています。ここでは、まず前者つまり専ら話し手の方から送る合図ないし信号の特集をお届けします。

ふと考えてみると、何気なく使われているかのように見える合図をきちんと分析している各種文献のあること自体、妙な感じも受けます。しかし、もう一歩踏み込んで考えてみると、いずれも会話の本質を語る上で不可欠の要素であることがわかってきます。例えば、WELL, UMといった言いよどむときの時間稼ぎ的な合図までもがこのように定型化されており、研究対象となりうるのは、英会話の場合、交互に話し手または聞き手の番が来るというルールがあるため、何も言わずに「交信途絶ないし無信号状態」に陥ると相手に話し手の番が回ってしまうという暗黙の了解があることを物語っているのです。だからこそ、順番が移ってしまうのを食い止めるツールが必要になるわけです。それほど交替で話すというルールが徹底されているのだということでもあります。

数が多いので、二回に分けさせていただき、今回は、actually、and、like、now、oh、okayを取り上げ、次回、right、so、um、well、you knowなどを見て行きますが、いずれも代表的な合図すなわちdiscourse markerで、この程度おさえておけば十分役立ちます。英語を話す機会のある方は、試してみてください。会話に参加している実感が得られるはずです。機会の少ない方でも、映画やビデオなどでもこの種の合図に注意しながら会話を聞いていると話の流れ、話し手が伝えようとしているニュアンスまでもわかってくるので、おもしろさが倍増するはずです。

★ ACTUALLY

1) 「ところが実際は」のACTUALLY: 相手が言ったことをちょっと訂正したいときに、「ここでちょっと訂正させていただかねばなりません」と合図するために使います。
A: I hear that you're a college professor. B: Well, actually, I'm just a part-time lecturer and a full time business manager.(A:大学の教授だとうかがっていますが。B: いえ、そうではなくて、実際は非常勤の講師をやっているだけで、フルタイムでは事業を経営しています) 
注記 こういった場合、actuallyをin factで差し替えることもできます。
2) 「実はね、ところがね」のACTUALLY : 相手の期待を裏切るようなことを言うときに、一種のクッションとして使うもので、聞き手もこれに応じて、期待する答えではないなという感触を持てます。
A: How was your vacation? B: Actually, something came up and I had to cancel it.(A: 休暇、どうでした? B: それが結局、ちょっとしたことがあって、キャンセルせざるをえませんでした)
3) 「それが、どうしてどうして」のACTUALLY:相手が当然こうだったんだろうという感じで何かを言ってきたときに、「おあいにくさま、実は」という感じで使います。
A: How was that three-star restaurant? You must have spent a fortune. B: Actually, it wasn't that expensive.(あの三つ星レストラン、どうでした?大散財だったんでしょう。それがどうして、それほど高くもなかったんですよ)
4) 「実はね」と補足情報を追加するACTUALLY:何かを言ったあとに、それに続けて関連事項を足したときに入れます。その追加事項は大体が相手としてはちょっと想像もつかないようなことであるのが普通です。
Ryoji and I go way back. Since we were in grade school, actually.(亮二と俺とは大昔からの知り合いなんだ。実は、小学校から一緒なんだ)

★ AND

ANDは接続詞というイメージが強いものの、やはり話し手が発する合図の一つとしてそれなりに大きな役割を持っています。

1)  「で、どうなの」と話を変えたり、新たに質問をするときに使うAND:
A: How are you? B: I guess I'm just doing fine. A: And how's everything over there in Morocco? (A:お元気ですか? B: まあ、元気にやっているといったところでしょうか。A: で、モロッコの方はどうですか?)
2)  「さっきの続きだけど」という感じで一度区切りついた話題を再度持ち出すときのAND:
A: Well, have a nice trip home. It really was a pleasure working with you. Good-bye. B: Thank you. Let's keep in touch. A: Of course, of course. And do send my regards to the Tadanos.(A: それではよいご旅行を。一緒に仕事ができてよかったと思っています。さようなら。B: ありがとうございます。互いに連絡をとるようにしましょう。A: もちろんですとも。そうそう、只野さんご夫妻にもよろしくお伝えください)

★ ANYWAY

1) 会話の終わりを告げるANYWAY: 相手に対してそろそろ話は終わりにしますと予告するもので、たいてい、そのあとに、一種のまとめが入ります。
Anyway, seems there's nothing we can do for the time being. Be sure to keep me posted, okay?(まあ、何であれ、当面、こちらからは手を打てそうもないね。何かあったら必ず教えてくれよな、頼むよ)
2) 話を元に戻すためのANYWAY: ちょっと話が脇道に逸れたのち、前の話に戻るために使います。例文のように、as I was saying(さっきも言ったとおり)とセットでよく使います。
Anyway, as I was saying, all these problems can be traced back to previous management teams.(それはさておき、さっきから言っているとおり、こうした問題の根をたどっていくと、すべて以前の経営陣に行き着くということです)
3) 当然のことで、驚くほどでもないと言いたいときのANYWAY:自分が言ったことの補足説明として、「これは別段、不思議でも何でもない」という点を強調するために使われるANYWAYです。
No wonder our efforts went down the drains. Anyway, what do you expect from gutless management at the top? (われわれの努力が水の泡になったのも不思議はないよな。どの道、だらしない経営のトップに何か期待する方がおかしいんじゃない?)
4) 話の続きですと合図するANYWAY:何かを言ってから、「という次第だったので、ひとまず」という感じで使われます。たいていSoと一緒になっています。
Several exams showed there was a shadow in my lung. So, anyway, I stopped smoking.(何種類かの検査のあと、自分の肺に影があるとわかりましてね。それで、何であれ、タバコはやめました)

★ LIKE

1) 「そうだな」のLIKE:
Since then, she hasn't call me, like, four weeks.(それからというもの、彼女、そうだな…4週間になるかな、全然電話くれないんだよ)
2) 「って感じかな」のLIKE:
It was kind of eery, like.(薄気味悪いって言うのかな、そんな感じだったよ)

★ NOW

1) 「それでは」と切り出すNOW: 話し手がそれまでのトピックとは異なる新トピックを導入するときに使います。聞き手はこれに応じて、別の局面に入るんだという心構えができます。プレゼンなどでよく使う合図の一つです。
Now, let's look at the European market.(それでは、次にヨーロッパ市場を見ていきましょう)
2) 「それはさておき」と話を元に戻すためのNOW: ANYWAYやWELLを使っても同じことができますが、話を本題に戻すために使う合図で、たいてい、as I was sayingとセットになっています。
Now, as I was saying, the promised funds never came through.(それはともかく、先ほども申し上げたとおり、約束されていた資金は結局、こちらには回ってきませんでした) 

★ OH

1)  「あっ、そうだ」と、急に思いついたことを言い出すときのOH:
A: Bye for now. B: Bye. Oh, did I tell you that I've been transferred to headquarters?(A: それじゃ、これで。B: それじゃ。あっ、そうだ。本社に異動になったって言ったっけ?)
2)  「そうですね」と、おおざっぱな答えをするときのOH:
A: How long does it take to Narita Airport? B: Oh, I'd say about three hours.(A:成田空港までどのぐらいかかりますか? B: そうですね、3時間といったところでしょうか)
I think I've been in this job for, oh, eight years, or perhaps more.(この仕事に就いてから、もう…そうだな、8年、いや、もしかしてそれ以上ですね)
3) 「ええーっ、本当に?」と意外で驚いている様子を伝えるOH:
A: Mr. Dunn just fired her. B: Oh, did he? (A: ダンが、たった今、彼女をクビにしたよ。B: ええっ、そうなの?)

★ OKAY

1) 「わかった」のOKAY:
A: I need it first thing in the morning. B: Okay.(A: 明日の朝イチで要るんだけど。B: わかりました)
2) 引き上げる間際に言う「さて、これにて」という意味のOKAY:
Okay, time's up. Bye now. Take care.(さて、時間だ。それじゃ、これで。元気でね)
                                                                                                                                     その3につづく

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