2005年5月23日
英語の未来形:Will, Be going to, そして-ing形の使い分け
英語に未来形というものはないんだよ、としたり顔で説明するような人がいますが、名前は何であれ、「こういうつもりです」「こういうことになっています」と英語で将来の話ができるのは確かです。問題は、この場合、いくつも似たようなものがあり、使い分けに迷うことです。そこで、私自身の理解をご紹介し、お役に立てればと思います。
英語でこれからのことを話そうという場合、以下で説明するような事情が思い浮かばないようであれば、とりあえず WILLで十分です。デフォルトは、WILLなんだと言ってもさしつかえないでしょう。(ただ、デフォルトと言っても、自分個人の予定を言うときは現在形または現在進行形が原則なので、WILL以外のものを使う積極的理由がない場合という程度の話です)
これに対して、「こういうつもりだ」と自分の意思が反映されるときと、現時点での手がかりをもとにこれからの話をするときは、BE GOING TO を使います。通常、日常会話で自分の予定を言うときは、ほとんどがこの BE GOING TO で済まされているのではないでしょうか。
後で説明しますが、ここでのキーワードは decided です。その発言に先行して話し手の気持ちが固まっているということです。
また、「そういうことになっている」という感じで、既に決まっているスケジュールを念頭にこれからの話をするときは進行形つまり ING 形を使います。キーワードは arranged です。段取りができているということです。
それでは個別にポイントを見て行きましょう。
★ デフォルトとしてのWILL
オフィスで電話が鳴っている場合に、「出ましょう」と他の人に知らせるときは、以下で説明するような特別な事情がありませんから、I'll get it. が普通で、I'm going to get it. は使えませんし、I'm getting it.も使えません。基本的にとっさの判断で「こうします」と告げるときはWILLを使っていれば安全と言っていいぐらいです。
将来の話をする場合、格別の事情のない限りWILLをデフォルトで使うのだという点は、Peter Master 著 Systems in English Grammar (Prentice Hall Regents) に格好の例が出ています。例えば、来年フランスに行くつもりなんだと切り出した上、その後の予定を語る場合、出だしこそ「こういうつもりだ」を表す BE GOING TO ですが、そのあとは、BE GOING TO ではなく、デフォルトのWILLに戻るのです。
We are going to visit France next summer. We'll rent a car and visit Paris. Then we'll visit the Loire. Finally, we will spend a week in Marseilles. (来年の夏はフランスに行くつもりです。まず車を借りてパリに行きます。そのあとはロワール地方です。最後はマルセーユで一週間すごします)
このあたりをR. A. Close 著 A Teacher's Grammar (LTP) は、話し手自身が発言している時点での自分の意思つまり「こういうつもり」だという点を意識しているときはBE GOING TOを使い、そうではなく、単に将来のその時点では「そうなるはずだ」といったことを言うときはおのずとWILLになるものだとし、次の例を挙げています。
I'm going to call at the bank tomorrow and will pay the cheque in then.(明日、銀行に立ち寄りますが、その時に小切手を口座に振り込んでおきましょう)
また、(天気を予報している)話し手自身が現時点である予想のための材料を意識しながら言うときは BE GOING TO を使い、そのあとは基本形の WILL だということで以下の例を挙げています。
Tomorrow is going to be cold everywhere. There will be snow on the hills; and motorists will find icy patches on many roads.(明日は全国的に冷えるでしょう。山沿いでは雪になります。車でお出かけの方は、道路のあちこちで凍結している場所に出会うかと思います)
★ BE GOING TO
このパターンは、第一に自分は「こういうつもりだ」と前々から予定しているときの言い方です。従って、「週末の予定は?」と尋ねられたような場合に「テニスをするつもりです」と答えるなら、
I'm going to play tennis.と言うのが普通です。ここで I'll play tennis. と言ってしまうと、普通、I will は「とっさの判断を伝えるときの基本パターン」ですから、「わかりましたよ、何かやりゃいいんでしょ。じゃ、テニスをやることにしましょう」的な不思議な感じになります。また、聞く人によっては、何か人ごとというか、自分の予定を他人にコントロールされているような感じを受けるかも知れません。
なお、BE GOING TO という言い方は、このように前から決めてあるという前提の言い方なので、人が招待してくれた席で料理を注文するような場合は、たとえばサーモンに決めたなら、I'm going to have the salmon. ではなく、I will have the salmon. という言い方をした方が無難です。友だちどうしで、I'm going to have a hamburger.と一種の「決意表明」をするのは不自然ではありませんが、招かれた席でこういう言い方を使うと、何か前々からねらっていたような浅ましい感じがするからです。
何であれ、このようにBE GOING TOの本質を表す要素はdecidedであり、この点においてこそ、本質が arranged である、次の ING 形と区別されます。
第二に、BE GOING TO のパターンを使うケースは、話し手がその発言の時点において、将来の話をするに当たっての手がかりがある場合です。ものすごい雷雲が見えているようなときは、
Look! It's going to rain.と言うのが普通で、こういったときに、It will rain.と言うと、これまた突き放したような不思議な感じがします。
★ ING形
このパターンは、既に予定に入っており、その予定に従って将来生じるであろう出来事を語るために使います。これは、Richard Firsten とPatricial Killian の Troublesome English(出版社はPrentice Hall Regents)に載っている例ですが、「あわてなくても済むよう、早退することにしています」と言いたい場合は、
I'm taking off from work early so I won't have to rush.となり、自分の予定に従っての行動を表す部分はING形で言い、それ以外のただの将来の話はWILLを使って言うのが一般とされています。
要するに「〜することになっている」と言いたいときは、以下のように、WILLではなく、ING形を使うのが普通です。
A: I'm busy this weekend. 今週末は忙しいんだ。
B: What are you doing? 何しているの?
A: My inlaws are coming. 義理の両親が来るんだ。
このようにING形の本質はarrangedというキーワードに求めることができ、この点においてキーワードを decided とする BE GOING TO と区別されます。
こういったING形の意味合いは単純な現在形と比較するとよくわかります。I fly to New York tomorrow.という言い方だと、明日、飛行機でニューヨークに向かうのは既定の事実だという感じが強まり、あたかも確定した事実を述べているだけというニュアンスになります。ところが、ここで
I'm flying to New York.という言い方は、もともとING形が「進行中であると共に未完の行為」を表すパターンであることを反映して、「既に立てられている予定に従ってことは進み始めているが、まだ決着はついてない」という感じが前面に出ています。(Close著の前掲書)
★ 三つのパターンの比較
このように「こういうつもりだ」「現時点の材料からこうなるはずだ」というケースではBE GOING TO、「予定に照らしこういうことになっている」というケースではING形で、それ以外はデフォルトでWILL、というのは明快で、お勧めできるパターンです。ただ、いちおう、微妙な限界例も確認して、使いわけのための参考にしておきましょう。いずれも上記Troublesome English が取り上げている例です。
まず「現時点での材料に照らしこうなるはずだ」という意味での They're going to meet us at 3 o'clock. および「こういうことになっている」という意味の They're meeting us at 3 o'clock. さらに普通の They'll meet us at 3 o'clock. はすべて問題ありません。どれでもいいということです。
それでは相手が「きょうは何か予定がありますか?」と聞いてきたのに対して、次の三つはどうかを考えてみます。
a) I'm going to the beach.
b) I'm going to go to the beach.
c) I will go to the beach.
ここでは、当然、答えとして本人の意思(decided という要素)ないし予定(arranged という要素)が問われていますので、この場面では、相対的にそういった意味合いが出ない WILL はこの場合使えないとされます。
では、次のセットはどうでしょうか。
a) It's going to rain later tonight.
b) It's raining later tonight.
c) It'll rain later tonight.
ここでは、b) つまり「予定に照らしこういうことになっている」とするときの現在進行形は使えません。予定に基づいての確定的な話ならいいけれど、「雨が降るだろう」といった単なる予想のごとき不確定的なものには使えないというのです。言葉を変えて言うと、現在進行形は本人の予定を語るのに使うという意味で「未来形」ではあるけれど、客観的な事実を語るときには使えないということではないでしょうか。
これに対して、同じようなケースでも、不確定的な予想の話ではなく、自分の予定はこうだという、もっと確定的な話なら現在進行形も使えるとされます。以下の例を見てください。
a) If it rains tonight, I'm going to stay home.
b) If it rains tonight, I'm staying home.
c) If it rains tonight, I'll stay home.
この三つの言い方は、進行形の I'm staying home.を含め、ネイティブスピーカーとしてはいずれについても何ら違和感をおぼえないと言います。
以上を通じて感じるのは、学校文法では、何でも将来の話は WILL で行けと教えているようで、これがのちのち、実社会の英語ではそうではないという事実をつきつけられ、教わった方もガクリと来るのでしょう。
★ バリエーションとしての単純現在とBE動詞+TO不定詞
以上で見てきたとおり、「東京からシニアマネジメントが会議で来るんだ」と言いたい場合は予定がらみですから、Senior management is coming from Tokyo for a meeting. になりますし、「約束しますよ、必ず明日までにはしあげますよ」と言いたい場合は、前々からそのつもりだというのでなく、その場での咄嗟の判断ですから、BE GOING TO ではなく、WILL を使って、I promise I'll get it done by tomorrow.となります。従って、普通は将来の話に現在形はなかなか出てきません。
しかし、二つの場面では将来の話をするのに現在形が出てきます。一つは交通機関の運行スケジュールのように確定的なものを言うときのパターンです。例えば、「新年度は毎年4月1日に始まる」なら
Our fiscal year starts on April 1 of each year.
ですし、「われわれの乗るフライトは3時発だ」と言いたいなら
Our flight is three o'clock.
です。こういった現在形は、John Shepard ほかの Ways to Grammar (Macmillan) によると、ING形がまだ変更の余地を残しているのに対して、現在形を使っている例では、まず変更されることはないというニュアンスがあります。
もう一つは、「お支払いがあり次第、すぐ品物は発送します」と言いたいときで、こういったときは、
When we receive payment, we'll ship the goods right away.
と、従属節の中で現在形を使います。英語を使って仕事をしているような人でも、この将来の話をする従属節つまり、when, until, if などで始まる従属節の中の動詞は現在形にするというルールを守らず、When we will receive payment...とやっている人がむしろ普通かと思えるぐらい多いので気をつけた方がいいと思います。
一方、新聞などで要人の行動日程が報じられるときは、BE動詞+不定詞を使って、
Prime Minister Abe is to visit China next week.(安倍首相は来週、中国を訪問する予定だと)
とするのが普通です。これは、前出の Ways to Grammar によれば、一定の段取りに従っての行動である点において、is visiting という ING 形と共通するが、この段取りが行為者本人以外の第三者によって行われたものであることを感じさせる点で違いがあるとしています。この説明を読んで、自分でも、そうか、そうだったのかと思いました。何であれ、is to do something というパターンは、かなり硬い言い方なので、仕事上使うとすれば、完全な命令口調で指示を出すときぐらいで、例えば素行の悪い社員に向かって、「もう一度でも仕事中居眠りしているのを見つけたら、即刻解雇とする」つまり
If you are ever caught sleeping on the job, you are to be immediately terminated.
という具合に使います。
考えてみると、この is to do something という言い方は、われわれ一般市民レベルでは、何かを禁止するときの is not to 何々の方が、よく使われるのかも知れません。例えば、
You are not to discuss customer matters in public.(お客様のことを公共の場所で口にすべきではありません)
というふうにです。何であれ、改まった感じで「右禁止する」といった感じがありますから、決して日常的な言い方ではないでしょう。
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- »Needless Ceeds(仮): eChat Vancouver (16) \will\と\be going to\ - 2006年5月 3日 09:50
\will\の場合は意思が伴うもの、\be going to\は予め決まっているものという区別が出来るらしい。 I\'ll go home now. と I\'m going home now. (be going toではないが)を比べると、言われたほうの対応が異なるのだ。最初のは帰らなきゃならないと気を使わせてしまったときなどに出てくるそうなのだが、次の文は予め決まっていることなので、何も心配される必要がない。...
- »聴き取れなければ話せない! 茅ヶ崎方式英語 池袋教室: will と be going toの使い分け - 2010年4月 7日 01:39
英語の未来形は、中学校で一度は習ったことがあるはず。 「be going to と will はどちらも未来をあらわす。」 ではその使い分けは・・・? 今週のGRクラスの授業内容から一部ご紹介します。
Comments
上記コメントで分からなくなってしまったのですが、
be going toや、 be ~ingに、willをつけるのは、どういう意味合いになるのでしょうか?
[返信]
「be going to や be ~ing に will を付ける」という考え方自体、問題があります。つまり will be going は上記のパターンの派生形ではなく別物です。
まず、I'm going to have a hamburger. という、goの進行形+不定詞というパターンは、現時点での「つもり」を表しています。一方、will + 進行形 は、「ことの成り行きとしてそうなるはずだ」ということを表すときに使いますから、I will be speaking for about an hour. ならともかく、I will be having a hamburger. は何とも奇妙な表現で、まずは使う機会はないはずです。
同様に、I'm leaving tomorrow. のように、進行形と将来の時点を表す語句との組み合わせは、既に段取りができている予定を語るときに使う言い方です。そして、ここでも、I will be leaving tomorrow. は、I'm leaving tomorrow. の時制が変わるといった話ではなく、「このまま行けば、そうなるはずだ」という流れを表すことになります。
このように、will を入れた言い方は、話し手本人の意向から切り離された感じになり、ニュアンスが違ってくるわけで、「be going to や be ~ing に will を付ける」とどうなる、といった延長線上でとらえるべきものではなく、まるで別世界の話になります。
- did98001
- 2008年7月31日 10:28
一点だけお聞きしたいので宜しくお願いします。
新幹線でのテロップに以下が流れます。
We will soon make a brief stop.
これは、下記とも言えるの思うのですが、違いを教えて頂けませんか。
We will be soon making a brief stop.
後者(ちなみに We will soon be making...です)は、「普通そうなる、スケジュールではそうなっている」というニュアンスが強い言い方です。ですから、バス旅行をしているときに、トイレに行きたいという要望が多く、(予定にはなかった)最寄りのパーキングエリアに寄ろうという話なら、ツアーガイドさんは前者の言い方をするでしょう。しかし、元々、そこに寄ることになっていたなら、後者で行くのが普通です。後者はMichael Swan に言わせると、It does not suggest the idea of personal intention.なのです。
- study
- 2008年4月20日 20:13

ご返信ありがとうございます。
とても難しいですね。別物としてのwill be going toがどういう意味になるのかが分からなかったので質問させてください。
話し手の意向から切り離されたニュアンスのあるwillと、話し手の意向をかもし出すニュアンスのある be going toという組み合わせについても、「このまま行けば、ある意向をもって○○するつもり」、というような変な意味あいになり、ほぼ使う機会はないということになりましょうか?三人称では使ったりするのでしょうか。
しかし、受験勉強で、be going toとwillをまったくの同一の意味としてとらえて、be going toをwillに書き換えたり、現在時制の文をwillやbe going toを使ってき換える練習を沢山したものですが、ナンセンスだったんですね。人生で一番記憶力が優れているこの時期にやったことが…。
ほとんど英語も話せないままいきなり海外赴任になり3ヶ月、最近このブログに出会うことができてとても幸せです。目からウロコのオンパレードで、本当に役に立っており、このような情報発信をいただいていること、感謝の一言に尽きます。本当にありがとうございます。
[返信]
私の理解ではWILLがデフォルトですから、BE GOING TO を使う理由があるなら、それによることになり、なければ、WILLに戻ります。したがって、WILL と BE GOING TO を一緒にして使うことはありません。両者は相互排他的だとおぼえておいたほうがいいかも知れません。
1)人の行為について単純に将来の話として取り上げるなら、Do you think she'll arrive in time. のようにWILLです。しかし、Careful! You're going to spill your wine. のようにこのままで行くと当然こうなると予想できるときや、She's going to set up her own business. のように、その人の「つもり」を語るときは going to です。
2)自分の行為について将来の話をするときは WILLがデフォルトです。ですから、その場のとっさの判断で決めたなら、Okay, I'll see you on Tuesday. となります。これに対して、I'm going to see her on Tuesday. という言い方は、その発言以前の時点で、つまり前々から予定されていたことを意味します。ですから、レストランに招待されて、何にしますかと聞かれたような場合は、I'll have the salmon. と言い、I'm going to have the salmon. とは言わないわけです。
3)将来の予定などは、going to を使う、手がかりがあって予測、その人の「つもり」、本人にとっての手配済みの事柄のいずれにも当たらないのが普通ですから、やはりデフォルトのWILLが出ることになり、The workshop will take place on Monday, August 11. となります。
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