2005年6月22日
Company is? are? ??けっこうむずかしい動詞の単数、複数の決め方
名詞が複数なら動詞も複数形を使い、名詞が単数なら動詞も単数形を使うのは中学英文法レベルで習うことでしょうが、実際問題としては、タイトルのcompanyのように単数形の名詞として扱うベきか、あるいは複数形として扱うべきかと迷います。また、newsのように見かけは複数形なのに単数形の動詞で受けるものがあるかと思えば、policeのように見かけは単数なのに、複数形の動詞で受けたりする名詞もあります。さらに、日頃、英語を書かれる方は経験しているでしょうが、One of the samplesと、ここまで書いてから、samplesだからwereとすべきかな、でも、主語はoneだからwasではないかと急に不安になったりするものです。加えて、嫌なことに、外国で英文法のテストを受けると、このあたりから必ず出題されます。そこで、今回は、主語と動詞を数の上で一致させなければならないというsubject verb agreementと称される問題を見ておきます。ただ、ここでは主要な点のみしか触れませんので、迷ったら辞典、特に学習者向けの英英辞典をまめに引くことです。
★ アメリカとイギリスとで違うもの
イギリスの本である、Timothy R. V. Fosterの101 Ways to Better Business Writing (Kogan Page)では、アメリカでは企業や国家機関などの組織は単数扱いされるのに、イギリスでは、複数形だとしています。そして例として、イギリス航空がアメリカでは、British Airways takes good care of you.というコピーを使っていたのに、イギリスでは、British Airways take good care of you.というふうに動詞takeを複数形を受ける形にしたケースを挙げています。また、これに応じて、アメリカでは会社の代名詞はItなのに、イギリスではTheyだと言います。
一方、国家機関を含めての組織名については、アメリカではCongress is...と言うのに、イギリスでは、Parliament are...といった言い方をします。ブランド名については、Lilletsというブランドがイギリスでは、Lillets provide protection.であったものが、アメリカではLillets provides protection.と単数扱いされてはいたが、この方面はどちらだと言い切れないとしています。自分ではこういった使い分けはうすうす感じてはいたのですが、この本を読んではっとさせられると同時に、そうだったのかと納得もしました。
★ もっぱら複数形でのみ使われる名詞
以下の単語は、一般に単数形で用いられることが少なく、従って、are/wereといった動詞の複数形で受けるのが普通です。
analyses(分析)
assets(資産)
credentials(経歴、信用)
earnings(利益)
goods(商品)
headquarters(本部)
means(手段)
phenomena(現象)
premises(敷地、構内)
proceeds(売却代金)
savings(貯蓄)
wages(賃金)
★ 見かけ上複数だが、場合により単数扱いされるもの
以下の単語は、形式的には複数ですが、それが意味するものによっては単数扱いされます。例えば、statisticsは統計学という意味では単数形ですが、データという意味で使うときは複数形で受けますので、Statistics was my favorite subject in college.(大学では統計学が好きな科目の一つでした)と言うのに、These statistics are available in printed copies or CD-ROM.(このデータはプリントアウト、CDのいずれかで提供できます)となります。
economics(経済学という意味なら単数、経済合理性という意味なら複数)
mechanics(力学という意味なら単数、仕組みという意味なら複数)
politics(政治学という意味なら単数、政治力学ないし権力闘争という意味なら複数)
★ 見かけと異なり単数扱いされるもの
news(ニュース) → No news is good news.(便りがないのはいい便り)
summons(裁判所などの呼び出し状) → The lawyers failed to serve a summons on her.(弁護士たちは彼女に呼び出し状を送達するのに失敗した)
whereabouts(所在)但し、whereabouts areでもいいという辞書もあります。
★ 見かけは単数形だが常に複数扱いされるもの
the police(警察) → The police are already here.(もう警察が来ています)
the military(軍部) → The military have staged another coup d'etat.(軍部がまたクーデターを起こした)
people(国民という意味でなく、人々という意味でのpeople) → People were panicking and running everywhere.(おおぜいの人がパニックに陥り、あたりを駆け回る状態になっていた)
★ 形式的には単数だが、内容に応じて、単数形で受けたり、複数形で受けたりするもの
委員会committeeのような集合名詞は、それが単一の合議体として行為するときは、単数扱いになりますから、全会一致での決議であったら、The committee was unanimous in its vote.となります。しかし、意見が割れているときのように、ことの性質上、複数のメンバーがばらばらに動いている様子があるとき、例えば、「委員会はその問題をめぐって意見が割れていた」と言いたいなら、The committee were divided over the issue.となります。
同じような扱いを受ける単語としては以下のものがあります。
audience(聴衆)
board(取締役会、理事会などの合議機関)
government(政府)
jury(陪審団)
parliament(議会)
staff(スタッフ)
★ 単数でも複数でも同じ形で使われる名詞
基本単語の一つとしてのsheep(羊)は複数形も同じくsheepで形が変わりませんが、ビジネスで使うような単語でも以下のようなものがあるので注意を要します。
aircraft(航空機)
chassis(シャシー、車台) 注記: 複数形は発音だけが変化し、最後の音がzになります。
series(シリーズ)
★ 分数やパーセンテージの場合
以下のとおり、one-third of X, one percent of Xという形のときは、Xが単数形の可算名詞ないし不可算名詞なら動詞も単数形ですし、Xが複数形の可算名詞なら動詞も複数形になります。
Two-thirds of the inventory was damaged.(在庫品の2/3が損傷を受けた)
Two-thirds of the goods were damaged.(商品の2/3が損傷を受けた)
Twenty percent of the inventory was damaged.(在庫品の20%が損傷を受けた)
Twenty percent of the goods were damaged.(商品の20%が損傷を受けた)
★ その他動詞を単数にするか複数にするかで迷うケース
(a) 挿入句は無視する
「その申請書は付属書類ともども違う部署に送付された」と言いたい場合、The application, together with the accompanying documents, と、ここまで書いたところで、was sentとすべきか、were sentとすべきかで迷ったりします。こういった場合は、挿入句であるtogether with the accompanying documentsを無視し、applicationを基準に、was sentと書きます。従って、The application, together with the accompanying documents, was sent to the wrong department.が完成形となります。
これの応用になりますが、例えば、兵士とその隊長につき何かの責任が問題となっている場合、次のように、notがつかない肯定文の方を基準に単数にするか複数にするかを決めます。挿入句がカンマでくくりだされていないけれど、その部分は無視して読むということです。
The soldiers and not the commanding officer were responsible.(責任があったのは、部隊長でなく、兵士たちであった)
The commanding officer and not the soldiers was responsible.(責任があったのは、兵士たちではなく、部隊長であった)
実際、よく見ていると、こういった挿入句の名詞に惑わされて、動詞の単数形、複数形を間違えているケースがかなりありますから、ありがちな失敗例と言えそうです。
(b) one of the X, point in all his Xs といったofやinで始まる前置詞句も無視する
Each of the proposals (was? were?) examined.(提案がそれぞれ検討された)という例では、of the proposalsという複数形の名詞を目的語とする前置詞句がネックになっているわけでは、こういった場合は、前置詞句を無視して、Each was examined.というふうに考えます。従って、Each of the proposals was examined.が正解です。
同様にneither of X, either of X, another of X, in Xなどが単数形の名詞にあとに続いているときは、それを無視して、名詞を基準に考えます。
例えば、The point in all his messages(彼からのメッセージすべてを通じてのポイントは)と、ここまで書いてから、is thatとすべきか、are thatとすべきかで迷ったとしたら、in all his messagesを削除して考え、The point is thatと考えなさいということです。従って、The point in all his messages is that he is not at fault.(彼からのメッセージすべてを通じてのポイントは、自分には非がないということだ)という格好で完成させることができます。
(c) 同じようにoneがあっても、one of those who、one of the things that、 one of the people whoなどでは、複数形の動詞で受ける
上のone of the X isと紛らわしいのですが、前置詞の目的語である複数形の名詞のうしろに関係代名詞があるときは、注意を要します。One of the Xs that と来たあと、wasとすべきか、 wereとすべきかで迷うものです。同様に、 One of those Xs who と来たあとも、wasだろうか、wereだろうかと悩みます。
そもそも、One of the Xs that とかOne of those Xs who...といった言い方では、関係代名詞thatまたはwhoに対応している先行詞がoneであるかのように錯覚しがちですが、実はoneに続くofで始まる前置詞句の目的語が先行詞であり、それを基準にしなければなりません。
例えば、One of the confidential documents that (was? were?) on my desk has disappeared.(私の机の上にあった機密書類がなくなった)というセンテンスを考えてみてください。本体部分はOne of the confidential documents has disappeared.であり、ここでのthat節はconfidential documentsという複数形の名詞を修飾しています。そうとすれば、that節の中の動詞もこれに合わせて wereを選ぶべきだとなります。ちょっとした裏技的な検証法ですが、これを確かめるためには、構文を変えて、Of the confidential documents that were on my, one has disappeared.にしてみると、よくわかります。
One of those Xs that...というパターンの扱いも同じです。Here is one of the candidates who (is? are?) considered for the opening.(この人が空きポストの補充要員として検討対象となっている候補者の一人です)というセンテンスを考えた場合、関係代名詞whoに対応する先行詞はoneではなく、candidatesであることを上で説明した構文の変形で確かめることができます。つまりOf the candidates who are considered for the opening, here is one.となりますから、candidatesに続くwho節の動詞はisではなく、areだという結論になります。
(c) ケースバイケースで決めるany, all, most, or, someなど
この手のものについては、以下で見るとおり、その言葉が修飾している言葉が複数なら動詞も複数、単数なら動詞も単数となります。
Any of the secretaries are capable of doing transcripts.(どの秘書でもテープ起こしができます)
In our company, any secretary is capable of doing transcripts.(うちの会社では、どの秘書もテープ起こしができます)
Some of the staff are not happy with the new printer.(スタッフの一部には新しいプリンターに満足していないのがいる) 注記 ここでのstaffという集合名詞は、スタッフのメンバーを一人一人分けて考えることのできる場合に当たり、従って、そういったスタッフのうちの数人ということで複数形の動詞となります)
All of the inventory was destroyed.(在庫がすべて破壊された)
(d) 複数形の名詞を単一の数量として扱う場合
同じ200ドルでも単一の数量として扱うなら単数、バラバラの個体として扱うなら複数になります。従って、Two-hundred dollars is a lot of money.と言うのに、Two hundred dollars are in this bag.という言い方になります。
(e)ラテン語出身の名詞
同じラテン語出身の名詞でも、教育のある人がぱっとその単数形を思い出せる単語、例えば、criteria(基準)に対してはcriterionという単数形がありますから、criteria isとやると、「こいつはcriterionという単数形があるのを知らないのか」と思われてしまうわけで、この手の単語はやはりcriteriaならareで受けます。同じような扱いとなる単語としては、カリキュラムという意味の、curriculumとcurriculaというセットや、階層構造における個々の層を意味するstratumとstrataがあります。
その単数形agendumがあまりポピュラーでない、agenda(課題、会議の議題)は単純な可算名詞の扱いとなります。
両者の中間に位置するのがdatumという単数形のあるdataと、mediumという単数形を持つmediaでしょう。このdataについては、手元にある学習者向け英語辞典では、いずれも不可算名詞と扱っています。ただ、苦肉の策というのか、MacmillanとOxfordは共に、テクニカルな分野では複数形の動詞で受けることもあり、その場合は単数形はdatumであるといった記述でお茶を濁しています。一般的には、The data is correct.という具合に常に単数形の名詞と扱っていても問題はありません。
(f) Many a...とMore than one...
感覚的には何かおかしい感じがするものの、Many aを使うときは必ず単数形なので、Many a new employees feels insecure during his/her first few days on the job.(新人の多くは仕事に就いてからの最初の数日間ぐらいは不安を感じるものだ)というふうに、動詞は単数形で受けます。
そうかと思うと、More than one...は逆で、意味としては複数なのに、常に動詞の単数形で受けます。例えば、More than one tourist has gotten caught by the rising tide on a beach below the cliffs. (何人もの観光客がその崖下の海岸で満ち潮にあって、立ち往生したりしている)
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たいへんくだらない質問なのですが、次のような場合はどのように考えればよろしいものでしょうか。
a)統計では、その街の住民は、10人のうち1人は外国生まれである。
a)Statistics tell that 1 out of 10 residents in the city was born abroad.
b)統計では、その街の住民は、10人のうち1.5人は外国生まれである。
b)Statistics tell that 1.5 out of 10 residents in the city were born abroad.
c)統計では、その街の住民は、10人のうち0.5人は外国生まれである。
c)Statistics tell that 0.5 out of 10 residents in the city were born abroad.
単数だとwas、複数だとwereという機械的な当てはめだけを手がかりにすると、「1.5は複数なのか?」「0.5は数的には1ですらないとすると、でもどちらかというと単数にするべきなのか?」というような妙な悩みをかかえてしまいます。
b)もc)も、おそらくはwereで問題ないとは思いますが、なぜそう思うのかを自分なりに考えていくと、実はa)も同様にwereにするべきなのだと思い当たります。
さらに例えば、
two meters are long enough;
1.5 meteres are not enough;
one meter is only short;
0.5 meters are too short.
などと書いてみると、書いてはみたものの、素人としてはそもそも0.5 meterなのかmetersなのかあたりからいつも悩まなくてはいけないので、もしもこのへんのルールについても整理がございましたら、いつかの機会にかご披露いただけましたらたいへんありがたく存じます。
[返信]
コメントありがとうございます。
そもそもtwo out of tenといった言い方は大雑把に何かをとりあげるときに使いますから、1.5だとか0.5が出てくることは特殊な例と思われますが、座興をそえるということで申しあげると、こんな感じでしょうか。
>a)Statistics tell that 1 out of 10
>residents in the city was born
>abroad.
組み替えて、Statistics tellthat out of 10 residents, にすると、続く部分は、1 was born abroad.になります。
>b)Statistics tell that 1.5 out of
>10 residents in the city were born
>abroad.
これも、tell that out of 10 residents, 1.5 were born abroad.と処理できます。
Pluralとは"more than one"であり、1.5がこれに当たる以上、使うのはwereだというのが私の理解です。
>c)Statistics tell that 0.5 out of
>10 residents in the city were born
>abroad.
これもthat out of 10 residents, と書き換えれば、0.5 was born abroad.と続けることになるかと思います。
以下のケースは、ドルを考えるときと同じで、具体的に多数の紙幣、硬貨を指しているのか、一塊のものを指しているかで判別すればよく、したがって、ここでは、a length of...metersの話ですから、私だったら、いずれもisで通します。
>two meters are long enough;
>1.5 meteres are not enough;
>one meter is only short;
>0.5 meters are too short.
日向
- th
- 2005年8月 4日 03:23
丁寧に回答いただきありがとうございました。わたしもgoogleで検索してみたらheadquartersの場合両方の場合があるということがわかりました。series, species, meansについては単複同形なので、もちろん、a seriesなどとなっている時は単数ですし、上記の回答にある例文は複数の場合なので複数扱いだと思います。ただ、同様にmeansは「手段」の意味の時はmeansで単数・複数両方あるので、必ずしも複数とは限らないと思います。
[返信]
コメントありがとうございます。
日向清人
- 拝見してます
- 2005年6月23日 15:46
いつも参考にさせていただいています。上記の件ですが、means, series, speaciesは見かけは複数形ですが、単数扱いだと思います(単複同形)が?headquartersもよくTOEICには出ると思いますが、これも動詞は単数扱いでisになると思うのですが?
また、機関名等は上記のようにイギリス英語で複数が多いというのは気がつかなかったのですが、全体としてはアメリカ英語の方が複数形を使うことが多いと認識しているのですがどうでしょう?
[返信]
「拝見してます」さん、参考にしていただいているとのこと、ありがとうございます。
お尋ねの件、「複数形で受けるのが普通です」という表現にとどめ、断言はしていないつもりだったのですが、補充しますと、以下のとおりです。
meansの場合、Cambridge International Dictionary of Englishで確かめたおりにpl.nとあったので、それによりました。
seriesを複数形の動詞で受けるという点は、OECDのサイトにThese series have been revised since 1992.というセンテンスがあることに示されています。
speciesについては、Longman Dictionary of Contemporary EnglishがSeven species of birds of prey have been observed.という例文を載せています。
headquartersは、Macmillan English Dictionaryのアメリカ英語版は、The UN headquarters are...という形で動詞の複数形で受けるとしています。ただ、これもisでもいいとしている辞典はあるでしょう。
>また、機関名等は上記のようにイギリス英語で複数が多いというのは
>気がつかなかったのですが、全体としてはアメリカ英語の方が複数形
>を使うことが多いと認識しているのですがどうでしょう?
Googleで、"the state department says"と"the state department say"を検索してヒット数を比べればわかりますが、前者が圧倒的多数派です。また、10年近く米系証券の資料を翻訳していましたが、アメリカ英語では、機関名はほとんど単数形でした。
日向清人
- 拝見してます
- 2005年6月22日 22:59

いつも楽しく拝見させて頂いております!
文脈上の意味での名詞の単数・複数につき質問です。
名詞の複数形については、もともと可算単数名詞とわかっている場合に、文脈上、「これって、1つ以上のことを指してるから複数でいいのかな~?」って迷うときがあります。
例えば、George shows a profound insight in this issue.のinsight については、可算名詞ですが、文脈上、Georgeがたくさんいいinsightを示しているなぁ~と思う場合は、insights にしても構わないんでしょうか?
よろしくお願いします!
[返信]
gain/get new insights into how...のように、新たな視点という意味で使うときは複数形もありですが、個々人の洞察力を指して言うときは、原則不可算で、形容詞がつく限りにおいて個性が認められて不定冠詞がつくというのが自分の理解です。とすれば、あれこれと鋭い観察を示しているときでも、それは包括してひとつの洞察力の様々な現れということで複数形は使わないのではないでしょうか。