2005年7月25日
E mailの構成と書き出し
外資系企業でも、当然、大手と中小クラスの区別はありますが、見ていると、やはり大手と言われる方が、社員向けの研修が充実しています。特に社内外でのコミュニケーションには力が入っており、社内でやるのか、外部の業者に研修を委託するのかの別はあっても、ともかく、社員がメールの構成のしかた、社内メモの書き方、議事録の作成法といったスキルを身につけるよう意を用いるものです。
ところが、中小クラスとなると、なかなかそうも行かず、独力でこの方面のスキルを会得するほかありません。ところが、社内にきちんとした資料があるわけでもなく、まわりの人も自己流でやっているというケースが多く、たよりになりません。
そこで、これから数回にわけて、Eメールを書く際の基本とされていることを紹介していこうと思います。
★ メッセージの構成法
プレゼンもライティングも相手に自分の言いたいことを伝えるという点では基本的に同じであり、したがって、構成も似ています。
つまり、メッセージを伝える基本的流れは、これから何を伝えようしているかを「予告する」 → それを伝える → 何を伝えたかを確かめるの3ステップであり、英語で言えば、こうなります。
STEP ONE: Tell them what you're going to tell.
STEP TWO: Tell them.
STEP THREE: Tell them what you've told.
ちょっと注意しなければならないのメールなどの場合は、STEP THREEの部分がサマリーという形ではなく、念を押したり、アクションを求めるという形になることです。
何であれ、ばかばかしいぐらい単純なモデルですが、ビジネス英語の世界ではこれが繰り返し強調されます。これは、メッセージを受け取る相手もこうした思考パターンになじんでいる以上、こちらもそのパターンに当てはめてメッセージを構成した方が簡単ということでもあります。
★ メッセージの書き出し部分
社会人受講生から聞かされる悩みで一番多いのが、どう書き出していいのかわからないというものですが、上のようにメッセージの構成法が決まっている以上、書き出しのパターンもある程度決まっています。ですから、Eメールを書くときに悩む人は、以下の典型的パターンをひとまずよりどころにして書き出すようにすれば、楽になります。
メッセージの第1パラグラフは、上のSTEP ONE: Tell them what you're going to tell.を担う部分です。相手にそれが何のメッセージなのかを伝える部分です。したがって、読んだ相手がなぜ自分宛に連絡が来たのかをぱっと読み取れるようにする必要があります。
この場合、パターンは二つに一つです。(a) 初めて連絡する相手に向けて、なぜそのメッセージを出したのかを伝えるか、(b) 返信に際して、何の件に対する返信かを明らかにするかの、どちらかです。
a) 相手が初めて連絡する相手の場合(資料の請求)
知らない相手だなと思いつつメッセージを読み始めるであろう相手の気持ちを考え、以下のように、ぱっとわかるように書きます。
I am writing to ask information about a product offered on your website.(御社のサイトで販売されている製品につきお尋ねしたく連絡させていただきました)
こうした資料請求に際してよく使われ、また便利でもあるのが、I am writing to do somethingというパターンです。このI am writingを見るたびに、候文の手紙の頭に置く、「以下のとおり申しあげます」という意味の陳者(のぶれば)を思い出すぐらいで、そういった意味合いのツールです。
なお、このI am writing を改まった感じで言いたいときは、現在形のI writeを使います。本当はI writeと現在形で書くのが正しいのかも知れませんが、実際上は、現在進行形の方が、tentativeな形であるがゆえに控えめな感じとなることから、I am writingが主流となっています。
b) 相手への返信の場合
返信の場合、典型的には以下のように書きます。
Thank you for your message of July 25, inquiring about our products.(7月25日付の弊社製品に関するご照会を拝受いたしました)
ポイントの1:何月何日のメッセージであり、その内容が何であったかの2点を必ず盛り込み、そのメッセージが特定されるようにします。
ポイントの2:後段のinquiring about our productsの部分は、本来は、which inquires about our productsですが、これにつきwhich inquiresをinquiringに置き換えることで、単語一つ分、節約しています。ビジネスライティングでは少しでも短くすることが重要なので、こうしたささやかなテクニックが使われますが、一番注意が必要な点は、inquiringの前にカンマが入っていることです。7月25日付のメッセージという言い方で、どのメッセージかを特定できる限り、inquiring以下の情報は削除可能な補足情報ですから、そのことを示すためにカンマを入れるということです。
返信であることを示す言い方としては、以下のパターンもよく使います。
I am writing about your inquiry of July 25.(7月25日付のご照会につき連絡させていただきます)
I am writing in response to your request of July 25.(7月25日付のご依頼につき連絡させていただきます)
この他、社内のやりとりで、依頼された資料を添付で送るようなときは、以下のようなあっさりしたものになります。
Attached is the information you requested.(ご依頼の資料を添付します)
こういった場合、As per your requestを使う人もいますが、何か古くさい感じがします。
次回は、リクエストのメールをとりあげる予定です。

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