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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2005年7月29日

E mail: ことわるメール

これまでメールの基本的な流れは、何の件かわかるようにする → 本題に入る → 背景となる事情や理由を書く、と説明してきましたが、ことわるメールの流れも基本的には同じです。ただ、ことの性質上、ことわる部分で、相手への気遣いを示す点、それと、理由を説明する部分でなるべく代案などを入れるという点が違ってきます。

つまり、こうなります。

STEP ONE: 何の話かぱっとわかるように書きます。

STEP TWO: 申し訳ないんですが、という苦しさをにじませながら、依頼に応じられないことをはっきりさせます。このように断るときは、We cannot...という具合にcannotを使うのを避け、We are unable to...というふうにunable toを使うのが一般的です。自分にはどうにもならない外部的事情を感じさせる言い方だからです。

STEP THREE: 依頼に応じられない理由を示し、かつ、代案を出します。代案を出すときの決まり文句は以下のとおりです。

As an alternative, I suggest you...
As another option, I suggest you...

(注記 このようにsuggestを使うときは、続く節の中の動詞は、原形を使います。I suggest you to contactなどとせず、I suggest you contactというふうに辞書の見出し語と同じ基本形を使うのがポイントです。)

その場では思いつかないときは、猶予を得るために、「他の方策を考えるためにしばし時間を頂戴できれば幸いです」ということで、I would appreciate it if you could give me some more time to think of some alternatives.と書きます。

STEP FOUR: 「すみませんね」という気持ちを表すフレーズでしめくくる。あっさりとしめくくるのであれば、Thank you for your understanding.(ご理解たまわることができれば幸いです)程度で十分です。

もう少し、パーソナルタッチを強調したい場合は、これに続けて、以下の二つのうちのいずれかを足しておくこともできます。

I hope this doesn't cause too many problems with you.(今回の一件でひどく迷惑をおかけすることがないように祈っています) 

(注記 ここでは、too many problemsがポイントです。 I hope this doesn't cause any problems with you.だと、紋切り型になってしまうのに対して、too many problemsを使うことで謙虚な感じが出るからです)

I'm sorry I couldn't help you as requested.(ご依頼におこたえすることができず、残念なことです)

★ ことわるメールのサンプル

アメリカにある本社から大量の翻訳を頼まれたとして、これをことわるケースを考えてみます。

オリジナルの英文は次のようなものだったとしましょう。日付は7月25日です。

Could you please translate the attached ASAP? We need it for discussions prior to the upcoming Board meeting.(添付資料を大至急翻訳していただけませんか。今度の取締役会に備えての検討資料として必要なためです)

ところが、こちらは別のプロジェクトでとても手がまわりません。そこで断らざるを得ません。何か別の手はないものだろうかと考えたら、最近、ロンドン支店が翻訳者のチームを編成したことを思い出し、ロンドンなら面倒を見てくれるだろうということで、そちらに話を振ります。

Thank you for your e-mail of July 25, requesting us to translate a document. While we understand the urgency of your request, we are unable to do the translation because, unfortunately, our resources are fully engaged in an ongoing project. As an alternative, I suggest you contact our London office as they have recently organized a team of on-call translators. I'm sorry I can't do more for you.(翻訳をご依頼の7月25日付メール拝受いたしました。大至急でというご依頼の趣旨はわかるものの、当方も、具合の悪いことに、現在進行中のプロジェクトで手いっぱいでして、翻訳をというご依頼にお応えすることができません。代案ですが、ロンドン支店が最近、案件ごとに外注できる翻訳者のチームを編成していますので、そちらに連絡されたらいかがでしょうか。お役に立てず、残念に思います)

こういった場合に代案をいくつか挙げて、先方の指示を待つということであれば、次のような書き方でしめくくることになります。

Please let me know if you wish to proceed with any of these alternatives. Hoping you can understand our situation, I await your response.(こうした代案のいずれがよろしいかを知らせてください。当方の事情をご賢察くださればと願いつつ、ご返事をお待ち申しあげます)

なお、最後のHoping you can understand...という分詞句を使った構文は、本来、I hope you can understand our situation and I await your response.というふうに二つのセンテンスをandで結んでもいいのですが、それだとモタモタしており、幼稚になります。そこで、第1文をing形つまり分詞句で書き直して、間のandも除いて書き直したわけです。さっぱりしますし、2単語も節約できるので、「短く、短く」というビジネスライティングの原則にもかなうことになります。主語が共通する二つのセンテンスをandで並べた場合、一度は使えるかどうかを考える価値のあるテクニックと言えます。

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