HOME英語ニュース・ビジネス英語
 
 


日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2005年7月31日

Two for oneの謎:株式分割の結果、持ち株は2倍になるのか、3倍なのか

企業は自社の株式が高くなりすぎた場合、株式分割というものを行い、株価を下げて、投資家が買いやすいように計らいますが、これをアメリカでは普通、stock splitと言い、イギリスだと同じくstock splitと言う他に、bonus issue, scrip issueあるいはcapitalization issueといった言い方をします。

その場合の分割の比率を言うのに、例えば、今1株持っている人にもう1株付与するなら、two for oneといった言い方をするのが普通で、この比率による分割であれば、1株当たりの株価は半分になりますが、株主の持ち株数が2倍ですから、分割の前後で自分の保有株の価値は変わりません。

例えば、今年の2月に2:1の株式分割を実施したアップルコンピューターの場合、分割当時の株価は80ドル代でしたが、分割により、半分になったものの、株主にしてみれば、分割前に比べ、持ち株数が2倍ですから、何らの痛手もありません。

このような2:1の株式分割の場合、当然、発行株式数は2倍になります。現にアップルの発行株式数は9億だったものがちょうど2倍の18億株になりました。

ところが、一部の国ではtwo for oneの株式分割が行われると発行株式数が3倍になります(いや、今なお、言い切るのに不安があるので、「なるようです」と言うべきでしょう)。一般的には、two for oneの意味は、1株持っている人が2株持つようになるということであり、その結果として会社の発行株式数も2倍という理屈ですが、国によっては、1株持っている人に追加で2株付与する、したがって、発行株式数が3倍になるという意味で使われているかのようです。

例えば、ネット上で、ヘルシンキ証券取引所に上場されているAmer Groupに関する以下の報道を見ると、two for oneの株式分割の結果、株主資本が3倍になると言っています。

Amer Group PLC said its extraordinary general meeting decided to approve a two-for-one bonus issue that will triple its share capital to 285,679,440 eur from 95,226,480 eur.(Amer Group PLCの発表によると、同社の臨時株主総会において2:1の株式分割が承認され、この結果、株主資本が95,226,480ユーロから285,679,440ユーロへと3倍になった)

あと、ネット上、インドの会計基準を説明している資料にこういうくだりがありました。(オーストラリアのサイトやニュージーランドのサイトにも同じ文言の資料がありますから、何か大本が一緒なのでしょう)

For example, on a two-for-one bonus issue, the number of ordinary shares outstanding before the issue is multiplied by three to obtain the new total number of ordinary shares, or by two to obtain the number of additional ordinary shares. (例えば、2:1の株式分割の場合であれば、分割後の普通株式総数を算出するには分割前の発行済普通株式数に3を乗じ、普通株式の増加数を算出するには2を乗ずる)

どう読んでも、2:1の株式分割を実施すると、分割後は発行株式数が3倍になるとしか読めません。今なお自分でも何か勘違いしているのかなと不安をおぼえます。

考えてみれば、昔、勤務していたモルガングレンフェルというイギリスの証券会社で、投資銀行部門のイギリス人が、two for oneと聞いたら、自分は分割後3株持てると思うのに、アメリカだと2株なんだよなとアメリカ人のスタッフに確かめていました。当時は何のことかよくわかりませんでしたが、20年近く経った今、「やはりそうだったのか」との思いを深めています。

banner_03


今回の記事がよかったと思われた方、よろしかったら、これをクリックして知らせてくださいませんか。人気blogランキングへ

Trackbacks

Trackback URL: 

Comments

two for one は1株が2株になるものだと思っていたので、今回の記事、ずっと頭の中に残っていました。先日、金融にいる友人と話をする機会があって、この話をしてみて「国よる違いなの?それとも米国会計基準と国際会計基準の違いなの?」と聞いてみたところ、私の質問だけでは良くわからないものの、「既存株式の分割か、既存株主に割り当てる増資(1株に対し、2株を付与する)ってことの違いなんじゃないのかな?紛らわしいからとちっか気をつけなきゃって思ったことある」という答えが返ってきました。
私自身は、まったくの金融オンチなので、きちんと質問ができていたのかも不明ですが、もしご参考になればと思いコメントさせていただきました(まったくの的外れでしたら、削除してください)


[返信]

おひさりぶりです。この問題、昔、イギリス人のマーチャントバンカーが「だってイギリスで two for oneと言ったら、you end up owning threeだよ」といったことを言いながらアメリカ人とやりあっていたのが頭から離れません。

ちょっと探してみたところ、

http://www.hkicpa.org.hk/professionaltechnical/accounting/rm/withdrawn/ssap05.pdf

では、

For example, on a two-for-one bonus issue, the number of shares outstanding prior to the issue is multiplied by a factor of three to obtain the new total number of shares, or by a factor of two to obtain the number of additional shares.

となっていますので、イギリス流だと一部の人にとっては two-for-one は既存1株に対して2株与えることであり、最終的には3倍になる計算になるようです。

べんきょうになりました

[返信]

コメントありがとごうざいます。

コメントフォーム
Remember personal info?