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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2005年8月25日

Eメール:お礼を言うメール

いわゆるthank-you lettersは古典的ジャンルですが、Eメール時代も使う単語や言い回しに変わりはありません。ここでは、贈り物などを頂戴した場合の礼状と、外国に滞在中に親切にしてもらったという、いわば無形の贈り物に対する礼状とに分けて、一般的な言い方を見ていきます。

★ 贈り物に対する礼状

礼状は古典的ジャンルですが、それだけに「ああ、またこれか」と思われてしまう紋切り型に陥りやすいと言えます。ところがおもしろいことに、書き手の方でも、何がありきたりかがわかっていますから、何とかそれを避けて、自分の気持ちが伝わるように工夫するものです。そこから、プレゼントなどをもらった場合は、具体的にどれだけうれしかったか、特に「こう使っています」「こう使わせてもらいます」といったことを書くものです。

As I write this note, the desktop calendar adorns my office desk, making me feel proud of our 20-year relationship with you.(今も私の机の上にカレンダーが置いてあり、20年になる御社との取引関係を誇らしいものと感じさせてくれます) ← 後段の ...office desk, making me...のくだりは、...office desk. This makes me...を短くするためのテクニックです。ビジネスライティングでは、短く短くというのが大事なポイントですので、なるべく , ingで処理した方がサマになります。例えば、Thank you for you message of August 25, informing us about your address change.(住所変更を知らせてくださった8月25日付のメッセージ、ありがとうございます)もそうです。これは、くどい普通の書き方をすれば、Thank you for you message of August 25, which informs us about your address change.ですから、ING形を使うことで1単語節約できます。

Thank you so much for the beautiful Baccarat shot glass. I'm already distracted by thoughts of what liquor I should drink this weekend. I can't wait to use it.(きれいなバカラのショットグラス、ありがとうございます。既に今週末は何を飲むべきかと気が散ってしまうぐらいです。使うのを待ち切れない思いでおります)

注記:ショットグラスというのはバーボンなどをストレートで飲むための小型のグラスです。Baccaratはフランスのガラス器メーカーで、高いので企業の贈答品として好んで使われる感じがあります。

★ 相手の親切あるいは特別にやってくれたことなどに対する礼状

これもThank you for everything.式の大ざっぱなものより、プラスアルファのある礼状のほうが感じがいいと言えます。

まずは格好の実例をご覧ください。tisaneさんの「アメリカ'nナース
nursing & daily life in America
」というブログです。

08/16/2005の記事、「あなたの上司はどんな人?」に礼状と言うか、ねぎらいの走り書きが出てきますが、

I just wanted to take a moment and say thank you for all of you[r] hard work and dedication to the project. . . となっています。

ここでのI just wanted to take a moment and say thank you for...またはI just wanted to say thank you for...は簡単な礼状を書き出すときの一般的パターンです。注意を要するのは過去形でI just wanted toになっていることです。今の気持ちを伝える以上、現在形を使いそうなものですが、英語では、過去形を使うと直接的なものの言い方がいわば「薄まり」、その分丁寧になるとされているので、こういった言い方になります。

滞在先で世話になった場合の礼状なら、こう書くことができます。

Thank you for all the time you put into taking me round to see all the places of interest. It was really unexpected, making it all the more pleasant. I feel blessed to count you as a friend and business partner.(名所見物のためお時間を割いて一緒に回ってくださり、ありがとうございます。予想してもいなかったので、なおのことうれしく思いました。自分は友人ないし取引先に恵まれているなと感じております)

この最後のI feel blessedうんぬんは、「あなただったからこそ」という感じを出せる部分ですから、重要です。バリエーションとしては、他にこういう書き方もできます。

John, it is the support of friends like you that gives me the energy to accomplish what I do. Thank you once again.(ジョン、君みたいな友達がいるので、エネルギーが湧いてくるよ。繰り返しになるけれど、ありがとう) ← 冒頭のJohnの意味合いについてはあとで触れます。

訪問先の企業でいろいろと世話をしてくれた人への礼状としては、こういった書き方ができます。

Thank you for all the assistance you offered me when I visited XYZ Inc. Were it not for your help, I would not have been able to accomplish my mission. I hope I can reciprocate when you come to Japan.(御社訪問の折には大変お世話になり、感謝しております。ご助力がなければ、訪問の目的も達せなかったことでしょう。日本にいらっしゃった際にお返しできればと思っております)

学校文法で習う現在の事実に反する仮定を実際に使うケースとしてやたらよく使うのが、こうしたお礼のときの言葉です。したがって、必要なときにすっと出てくるよう、Were it not for your help, I would not have been able to do something.は一つの固まりとして暗記しておく必要があります。

ところで、さんざん一緒に飲んで楽しくすごした相手に妙に取りすました礼状を書くのもどうかと思われるなら、二カ所修正してそのまま使えます。まずto accomplish my missionの部分はto do all the things I was supposed to doと言えます。またreciprocateの所は、do something in returnと言い換えることができます。そこで、こうなります。

Thank you for all the assistance you offered me when I visited XYZ Inc. Were it not for your help, I would not have been able to do all the things I was supposed to do. I hope I can do something in return when you come to Japan.

逆に、もっと改まった感じを出したいなら、Thank youの部分をPlease accept my gratitudeかPlease accept my sincere appreciationにすれば、以下のとおり大企業の社長クラスが出してもおかしくないきちんとした礼状になります

Please accept my gratitude(またはPlease accept my sincere appreciation)for all the assistance you offered me when I visited XYZ Inc. Were it not for your help, I would not have been able to accomplish my mission. I hope I can reciprocate when you come to Japan.

★ 相手の名前を入れるという「テクニック」

テクニックと言ってしまうと実も蓋もないのですが、文中に相手の名前を入れてパーソナルタッチを出すということが行われています。

例えば、「この件ではご協力くださり、ありがとうございます」と言いたい場合、普通なら、

Thank you for your cooperation in this matter.

という程度で終わってしまいます。しかし、頭にJohnなどを入れて、こうすると、一気に感じが変わります。

John, thank you for your cooperation in this matter.

礼状のみならず、お詫びのメールなどでも効果的です。

「こういったことが起きてしまい、残念です。特にお客様には長年ひいきにしていただいているだけになおのことです。再発防止に全力を尽くします」と言いたい場合、普通のパターンでは、こう書くことでしょう。

I am sorry that this has happened especially since you have been a long-standing customer with us. We will make every effort to prevent a recurrence.

これも次のように冒頭に相手の名前を入れると、個別に出向いて頭を下げる感じが出てきます。

Ms. Ohta, I am sorry that this has happened especially since you have been a long-standing customer with us. We will make every effort to prevent a recurrence.

慣れないうちは冒頭に入れるのが無難ですが、実際は、次のように、人と話をしているときの感じを出すように、最初の切れ目で入れます。

I am sorry that this has happened, Ms. Ohta, especially since you have been a long-standing customer with us. We will make every effort to prevent a recurrence.

Itで始めてthatで受けるパターンのセンテンスであれば、入れる場所は、以下のようにthat節の直前です。このあたりの感じをつかんで自然に入れられるようになった、ライティングがかなりのレベルになっている証拠と言えます。

It is our hope, Mr. Doe, that such a drastic step will not be necessary.(ドー様、私どもとしては、こういったドラスティックな措置をとらずに済めばと思っております)

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Comments

おはようございます、日向先生。

名前を入れるというテクニック(?)は、書くときだけでなく話す時も便利ですよね。CNNなどのニュースでも現場の特派員に対してスタジオの人が「Thank you, (名前)」と必ず名前を入れて挨拶しています。名前を入れるだけで、ぐっと親密になりますよね。

私は名前を覚えるのが苦手なのですが、英語を話す時はそうも言っていれないので、必死で覚えて会話の中で何度も繰り返して使うようにします。そうすれば、名前も覚えられるし、フレンドリーな印象も出せるし一石二鳥です。

メールで書くときに抵抗がある人は、まず会話をする時に積極的に名前を入れて、それに慣れれば、書くときにも自然と名前を入れて書けるようになると思います。

[返信]

実践的なことを心がけていらっしゃるんですね。日本語でも名刺を受け取ったら、相手の名を口にしろって言いますよね。始めまして、何々さん、と。何語でもコミュニケーションのカンドコロというのは同じようです。

また、これもおっしゃるとおりで、まず会話で相手の名前をちょこちょこと繰り出す習慣がないと、なかなか書くときに出てこないし、何よりも、入れるポイント、例えば、You will understand, Jonathan, that there is no point in pursuing this further.と、thatの前にぽんと突っ込む頃合いというか間合いをつかめないものです。

せっかくのカンドコロをお伝えしても、ときにはへぇーで終わってしまい、活かされなかったりするのですが、meggyさんのように小気味よく受けて、投げ返してくださると励みになります。ありがとうございます。

日向

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