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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2005年11月 3日

利益を表す三つの言い方

当期(年度なら current fiscal year、四半期なら current quarter )のもうけを示す数字は、最終損益という言い方をしますが、英語でこれを言う場合、何と、三つも言い方があり、しかも、それぞれ使う上でのパターンが決まっています。前回のアップルコンピューターの決算記事では earnings と profit が出てきましたが、この二つに加え、incomeが使われます。つまり、earnings、profit、そして income の三つがあるのです。

売上/収益から原価を引いただけの gross profit 、つまり粗利(会計用語では売上総利益)と純利益を区別するため、net profit という具合にnet を付けて言うのが一般ですから、ここでは、とりあえずすべて net を付けた形で取り扱いますが、いずれも意味は「最終利益」ということです。わが国の企業の損益計算書上「当期利益」と表示されているものに相当しますが、米企業の業績を伝える経済記事ではもっぱら「純利益」という言い方をしています。

まず net earnings は複数形でしか使われず、net earning という言い方はしないことに注意を要します。必ずnet earningsです。

対照的に、net income は、少なくとも企業業績を表す言葉として使うときは数えられない名詞と扱われ、net incomes という言い方はしません。

真ん中を行っているのが net profit で、net profit と net profits のいずれも使われます。ただ、フレーズでの検索ということで、"net profit for the quarter" と "net profits for the quarter"の二つを引用符でくくったまま、www.googelfight.comで比較すると、net profit for the quarter が圧倒的多数派であることがわかります。

以上を要するに、最終利益がどうのと言いたい場合、net earnings、net income、net profit(s)のどれでもかまわないけれど、earnings を使うなら常に複数形、income を使うなら常に単数形、そして profit を使うときは、基本的には profit が多数派ということです。

なお景気動向とのかねあいで企業収益が語られる場合は、corporate earnings か corporate profits を使うのが一般で、なぜか corporate profit や corporate income は実際上使われていません。

次回以降、複数形でしか使わない名詞、net profit と net profits のように不可算用法と不可算用法という二つの顔を持つ名詞を取りあげて行こうと思います。特に冠詞を使いわける上で、可算か不可算かは決定的要素なので、きっと役に立ちます。ご期待ください。




dogezas

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Comments

たびたびコメントすみません。

こちらについても、Molgan Stanleyの損益計算書の話になりますが、
Net Incomeから優先配当額を差し引いたものを
Earnings applicable to common shareholders
(普通株式に帰属する利益)
と呼んでいました。
あと、Earningsを使う代表的な例として
Earnings per share(1株当たり利益)
Earnings presentation(決算発表)
などがあるかと思います。

以上を踏まえると、earningsというのは
「株主帰属利益」というイメージが強いように感じますがいかがでしょうか。
だとすると、訳としては、「利益」のほか、「業績」という語もフィットするような気がします。


[返信]

この記事は最終利益の話なので、earningsは「利益」としていますが、この他、もちろんご指摘の「業績」や「決算」という意味でも使います。例えば、決算発表シーズンは、earnings season です。

はじめまして。いつも大変勉強になります。
うろ覚えで申し訳ないですが、earnings、profitとincomeの違いは米国会計原則(US GAAP)における定義の違いでもあるようです。
米国会計基準ではincomeのみが存在し、earningsやprofitという単語はないと読んだことがあります。しかし米国企業はUS GAAPに基づかない利益概念をでっち上げて、それをeaningsやprofitという言葉で発表することがあるようです。

[返信]

コメントありがとうございます。たしかに証券取引委員会に届け出る10-Kといった書類上は、Net Incomeが使われていますね。「US GAAPに基づかない利益概念」で思ったのは、お読みになった資料は会計上の利益とキャッシュフロー計算書に表れる実入りとの落差を取りあげたものかなということでした。

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