2005年12月27日
IF節に現れるWILL:三つの例外
きちんと英文法を勉強した人は、when、as soon as, after, ifなどを使って将来の話をする場合、その中の動詞の時制は現在時制であって、未来時制は使わないと教わっているはずですから、「何かご不明の点がある場合は、私宛、XXX-XXX まで、ご連絡いただければと思います」と伝えたい場合は、
If you will have any questions, please feel free to contact me at XXX-XXX.
ではなく、
If you have any questions, please feel free to contact me at XXX-XXX.
とおっしゃることでしょう。つまり、IF節の中ではwill+動詞やwon't +動詞は使わないのが原則とされています。
ところが、仕事で使う英語となると、IF節の中でwillなどが使われているケースがけっこうあり、勉強している人を悩ませます。そこで、今回は、このように例外的にIF節の中でwillを使うケースを取りあげ、整理しておきます。
前回、think of と think about の説明で、consider、make a judgment、そして bring to mind という具合に、違う言葉に言い換えて整理しておくと憶えやすいと書きましたが、ここでも同じで、それぞれ三つのケースを違う言葉で置き換えてみると、わかりやすいと思います。
一度、そのパターンの本質を表す別の言葉に置き換えて考えてみると、憶えやすいということですが、例外的にIF節の中で will または won't プラス動詞が使われるケースを見ると、結局、いずれも、「何々だったら」という仮定ではないことがわかります。これが最大のポイントです。
★ 例外の1 将来の事実を語る場合
相手が決断するのに時間がかかりそうな場合、「それで結論が出るということであれば、もう一週間待ちましょう」と言いたいとしましょう。こういったケースでは、次のように言えます。
You can have another week if that will help you to come to a decision.
ここでは、 if that helps you...と現在形を使ってないので、仮定をしているわけではないことがわかります。ここでは、「将来こういうことなら」と仮定しているわけではなく、「将来の事実としてこうなので」と言っているのです。A Comprehensive Grammar of the English Grammarでの言い方を借りるなら、present predictability of the occurrence or nonoccurrence of a future situationということです。ですから、
You can have another week since that seems to help you to come to a decision.
というふうに、sinceを使って言い換えることできますし、
You can have another week if it is the case that it will help you to come to a decision.
と言い換えることもできます。
ここで注目していただきたいのは、仮定のIFの場合と比べ、話の順番が逆になっていることです。通常の仮定法では、IF節で語られている条件が成就する限りにおいて、主節で語られている状況が実現するという意味で、順番としてはIF節の内容が先に実現しなければなりません。例えば、
You can have another week if you say you need more time.(もしお時間が必要だということであれば、もう一週間さしあげましょう)
では、you sayというIF節の事情が実現し、次いで、have another weekという事情が、というの話の順番です。ところが、この例外の1は、そもそも仮定ではないので、come to a decisionということがあって、初めて have another week が実現するという関係にはなっていません。むしろ、逆で、have another week という状況が先行して、come to a decisionという状況が実現するという関係にあります。
要するに、通常の順番と異なり、IF節で語られていることがあとから実現するというシナリオになっています。そして、if it is the case that...あるいは、since...と言い換えることができるなら、それは仮定ではなく、将来発生する事実の描写であり、こういった場合は、IF節の中で will が使われるということです。
この種のパターンに属するものとして、A Comprehensive Grammar of the English Grammarは以下のような例を挙げていますので、sinceやif it is the case thatで言い換えてみてください。きっと納得してくださることでしょう。
If the water will rise above this level, then we must warn everybody in the neighbourhood.
If you won't arrive before six, I can't meet you.
★ 例外の2 事実ではなく、意思にウェイトがある場合
IF節の中で語られていることが「こうなら」という仮定でなく、そこで取りあげられている人の意思が前面に出ており、insist on あるいは refuse to で置き換えられるようなケースでは、IF節の中で will + 動詞が使われます。
If you will spend so much on TV ads, earnings will take a hit.(テレビコマーシャルにこんなに使うというのでは、利益が圧迫される)
これなどは、If you insist on spending...に置き換えられるわけで、単なる仮定と異なり、意思が前面に出ている様子が伝わってきます。
否定形の場合も同じで、これは上記のA Comprehensive...に載っている例ですが、
If you won't help us, all our plans will be ruined.(助力いただけないとなると、われわれの計画はすべて台無しになる)
という言い方は、If you refuse to help us...と言い換えることができ、ここでも想定した条件ではなく意思にウェイトがかかっていることがわかります。
このように、insist on や refuse to という意味合いで、IF節の中の動詞を will+動詞という格好で使う場合のポイントは、話すときは、以下のように、必ず will の部分をひときわ強く発音するということです。
If you WILL spend so much on TV ads, earnings will take a hit.
If you WON'T help us, all our plans will be ruined.
なお、このように意思が前面に出る場合に、willをIF節の中で使えるということですから、そもそも意思のありようのない事物に関してはこういった言い方を使えません。ですから、If it snows...に代えて、If it will snow...とは言えません。しかし、言わば擬人化して、あたかもそれに意思があるかのように扱うことが可能なものであれば willを使えます。例えば、
If your car won't start, just give me a call.(車が動かないようだったら、すぐ電話してください)
★ 例外の3 ていねいな言い回しとして使う場合
最後に、これも仮定法とは関係のない話ですが、何か人にたのみごとをする場合に、一段と丁寧にするために、IF節の動詞をwill + 動詞という格好にします。
If you will take a seat, Mr. Doe will be here in a minute.(おかけになってお待ちいただけますか。ドーはほどなく参りますので)
こういった丁寧な言い回しにするために使うIFとwillの組み合わせは、if you wouldn't mindに置き換えても通じますので、わりと容易に判別できるかと思います。例えば、上の例文は、こうなります。
If you wouldn't mind taking a seat, Mr. Doe will be here in a minute.
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またまたこんにちは。
このIfにWillが使われるのは知っていましたが、どうしてなのか分からなかったのでこの記事を読んでよかったです。
前、Whenの後にWillが使われている文を見ましたが、それもIfと似たような感じですか?もしできればWhenを使ったWillも説明していただけるとありがたいです。
[返信]
コメントありがとうございます。
本文で説明した例は、いずれも主節を見れば「これからの話」であることがわかるケースであり、そういったケースでは、原則的にIF節の中ではwillを使わないんだけれど、例外的にwillを使うこともあるといった点を説明しました。これに対して、Nobody knows when she will arrive.のように、主節が「これからの話」であることを読み取れないようなときは、whenだとかifで始まる従属節の中は現在形ではなく、willを使った未来形になります。