2006年1月29日
(続)ALで終わる形容詞とICで終わる形容詞の使いわけ:comic vs comical, economic vs economical, electric vs electricalなど
昨日はhistoricとhistoricalの例を取りあげ、ICで終わるか、ALで終わるかで意味の違ってくる形容詞を見ましたが、きょうは、残りの comic vs comical、economic vs economical、electric vs electricalなどの例を見て行きます。
★ comic vs comical
おもしろがってもらおうという意図を表すのが comic で、その意図したものが功を奏しているという結果を表すのに comical を使います。したがって、明らかに無理していることがわかるようなイギリス風のアクセントでしゃべっている人がいたとしたら、そこで描写されるのは結果の方ですから、ここでは、
Her affected British accent was comical.
というふうに形容します。この場合は、...was comic.とは言いません。
これに対して、人を笑わせようと思ってイギリス風のアクセントを真似したのに、それが下手で、まるで受けず、気まずい沈黙が流れたような場合であれば、こう表現します。
Her comic attempt to mimic British accent fell flat and met with an embarrassing silence.
ここでは、comical attemptよりは comic attemptの方がおさまりがいいと言えます。と言うのも、BoyneとLePanのThe Broadview Book of Common Errors in Englishによると、comicは、when something is intentionally comical、つまり「おもしろがってもらおうとして、わざと誰かが何かをしたとき」に使うのに対して、comical は、when the speaker wishes to show that something was unintentionally (or unfortunately) funny、つまり、「期せずして(または不幸にして)おかしな結果になってしまったことを人に伝えたいとき」に使うものだからです。
comicを使う例…
⇒ comic story(喜劇)
⇒ comic actor(喜劇俳優)
⇒ comic book(マンガ本)
comicalを使う例…
⇒ comical appearance(have a comical appearanceという形で、とぼけた、おどけた感じを形容します。例えば、見た目がユーモラスなデザインの商品など。動物で言えば、ペンギンもこれに当たります)
⇒ comical situation(見ている人たちの笑いを誘うような状況、こっけいな感じがする状況)
★ economic vs economical
日本語で言う「経済的な」に対応するのが economical であるためか、この二つを取り違える人が結構いるものです。たしかに、「日向さんたちは、その方が経済的だということで、より小さな家に引っ越した」と人に言う場合、
The Hinatas moved to a smaller house for economic reasons.
とも言えますし、
The Hinatas moved to a smaller house because it's more economical.
とも言えます。前者を和訳するなら「経済を考えて」または「経済的理由で」とすることができ、他面、後者は、「節約になるので」となります。このように並べてみると、差がわかりにくい感じがありますが、ビジネス、産業、景気あるいは経済学に関する話をするときに使うのが economic であり、He is economic.というふうに、ヒトについて言うことはありません。これに対して、economical は、not wasteful(無駄づかいをしない)という意味であり、モノ・コトのみならず、下の用例で見るとおりヒトについても言います。
このように economical は、economic との対比を意識して言えば、ヒトとの関係でも使えるのが特徴ですが、もう一つ、economicalの使い方に特徴的なのは、
...is more economical to do something
...is not economical to do something
というパターンで使われることが多いのに対して、economic の場合は、"何々 is economic"といった言い方はしないことです。この二つだけ憶えておけば大きな失敗はしないで済むかも知れません。
economic を使う例…
⇒ economic analysis(経済分析)
⇒ economic forecast(経済予測)
⇒ economic growth(経済成長)
⇒ economic recovery(景気回復)
⇒ disastrous economic situation(惨憺たる経済情勢)
economical を使う例…
⇒ the most economical method(最も経済的な方式)
⇒ a reliable and economical car(信頼性が高く、経済的な車)
⇒ an economical housewife(やりくり上手な主婦)
⇒ adopt economical measures, including limiting overtime(時間外労働の制限を含め、経費節減になる方法をとる)
★ electric vs electrical
一般に電気で動く個別の製品をを形容する場合に electricを使います。但し、電気で動く各種製品をひとまとめにして言うときは、electrical を使うので、電化製品は electric appliances ではなく、electrical appliances ですし、電気器具も electric equipment ではなく、electrical equipment になります。何であれ、「電気で動く」と言いたいときは、基本的に electric です。ちょっと変わったところでは、電気ウナギのように「電気を発する」ものについても electric を使うことがあります。
それと、英語でも電流がらみの比喩があるわけで、つまり、「電流が走ったような緊張感」という表現に相当するものが英語でもあるわけですが、電流は electric current ですから、こういった場合も、使うのは、electricであり、electricalではありません。考えてみると、緊張感でピリピリした空気を指して charged atmosphere と言いますが、これも「電気が来ている」からだとわかります。
The atmosphere in the boardroom was electric.(役員会議室の中は緊張感でピリピリしていた)
もっぱら electric を使う例は以下のとおりです。
⇒ electric cooker(電気調理器)
⇒ electric motor(電気モーター)
⇒ electric chair(電気イス)
⇒ electric eel(電気うなぎ)
他面、「電気で動く」あるいは(電気イスや電気ウナギのように)「電気が来る」というのでなく、「電気関係の」という場合は、electrical が使われます。
もっぱら electrical を使う方の例はこんな感じです。
⇒ electrical appliances(電化製品)
⇒ electrical goods(電気製品)
⇒ electrical engineer(電気技師)
⇒ electrical work(電気工事)
⇒ electrical fault(電気系統のトラブル)
この二つの区別でおもしろいのが稲光りのすさまじい嵐、要するに雷雨 (thunderstorm) を形容する electrical stormとelectric storm。Oxford Advanced Learner's Dictionary は前者をアメリカ英語だとしますが、Meriam Webster's Collegiate Dictionary は、electrical storm の項で、軽く "also called an electric storm" と流しています。
★ magic vs magical
どちらも、「魔法の」という意味合いで使われますが、私の理解では、純然たる魔法の世界に属すものは、magicしか使えない感じがします。例えば、「魔法のつえ」を意味する
magic wand
は、やはり、どう考えても、magic wandであって、magical wandでは、何かありがたみがありません。同様に、「魔法のじゅうたん」を意味する
magic carpet
も、私としては、magical carpetは許せません。このあたりは、子供の頃、こういう言葉が出てくる本を読んだか否かの違いもあることでしょうし、微妙ですが、個人的な感覚で言えば、やはりmagic wandとmagic carpetです。そう言えば、マジシャンが手品を見せるときに、子供たちに言う、
Okay, just say the magic word.
だって、Just say the magical word. じゃ、格好がつきません。魔法がらみの「専門用語」は magic の方が magical より通りがいいのではないでしょうか。この手の組み合わせというのは。日本語だって、「魔法のつえ」ではなく、「魔術のつえ」と言われたら吹き出してしまいますが、それと同じです。
その一方、いささか安っぽいというか、インフォーマルな響きのする言葉ですが、「すばらしい、ワンダフル」というニュアンスまでもカバーするのは、magical です。ですから、あのビートルズのアルバム「マジカル・ミステリー・ツアー」はmagical しか使えません。いや、使えるのかも知れませんが、magic mystery tourというのは、どうも聞いて落ち着きません。ですから、「どこそこで、(魔法が実現してくれたかのような)夢のような一週間を送った」という趣旨のことを言うのには、
We spent a magical week in Korea.
という言い方をするのが一般で、 magic weekという人は珍しい方でしょう。
★ politic vs political
この二つは似ていますが、「政治的」という意味で使うのは political の方だけです。これに対して、politicは「賢明な」という意味で使われますが、もともとフォーマルで、滅多に使うことのない言葉です。例えば、Oxford Advanced Learner's Dictionary は、こんな例文を挙げています。
It seemed politic to say nothing.(発言を控える方が賢明と思われた)
以上で取りあげた、historic vs historical, comic vs comical、economic vs economical、electric vs electrical などは、取り違えて言うと、せっかく本人はおおまじめに話しているのに、上で取りあげた「魔術のじゅうたん」と同じで、相手には comical に聞こえるので、やはり一度はきちんと整理して使い分けるスキルを身につける必要があります。
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はじめまして。
勉強になりました。今日までこのページは知らなかったのですが・・・・。
MAGIC KINGDOM です。(笑)
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コメントありがとうございます。読者が増えるのはうれしいことですので、今後ともどうぞよろしくお願いします。