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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2006年1月31日

information onなのかaboutなのか:前置詞 onとaboutの異同

Oxford や Longman などの学習者向け英英辞典で information を引くと、たいてい、一緒に使う前置詞は、on でもいいし、about でもいいことが示されています。このことから、どうかすると、on も about も要するに on the subject of ないしは regarding という意味合いなのだから、「互換性」があると考えてしまいます。そこで、「このテーマを取りあげている、いくつかの研究報告によると…」と言いたい場合に、Some studies on...と言うのが普通なのに、Some studies about this topic indicate that...という言い方をし、気づかぬうちに「マイナーな英語」の使い手という烙印をおされてしまいます。

なるほど、ここでは、on も about も、情報または意見のやりとりを表す動詞や名詞とくっついてテーマが何であるかを示してくれる点、共通性があります。ところが、Leech と Svartvik の A Communicative Grammar of English によると、同じようにスピーキングやライティングがらみのことに関わっていても、on の方がより具体性があり、かつ、テーマとなっているものを直接取りあげる感じが強いと説明しています。より具体的ないし直接的なニュアンスがあるということです(この点、下で取りあげる elaborate などのように on としか組み合わせない例を考えるとなるほどと思います)。

ですから、以下の例にあるとおり、about と on のいずれも使えるケースでは、話し手ないし書き手のスタンス次第となります。してみると、information と来たら on に決まっていると言い張ったり、いや、about の方が一般的だと頑張るのは意味がないと言えそうです。

他面、もっぱら about を組み合わせる例もあれば、on ばかりを使うケースもあるわけで、気の抜けない分野です。

★ about でも on でもいい例
(名詞)
⇒  advice about/on something 何かについての助言
⇒  a book about/on something 何かについての本
⇒  comments about/on something 何かについてのコメント ← MEMO しかし、動詞として使うときは、onとだけ組み合わせるのが普通です。
⇒  decision about/on something 何かについての決定 ← MEMO これも動詞として使うときは専らonを使い、decide on somethingとするのが普通です。
⇒  a discussion about/on something 何かについての議論、討議
⇒  ideas about/on something 何かについての意見、考え ← MEMO このように名詞として使う場合にaboutと組合わさることに引きずられて、ついつい動詞として使うときにまで、I'd like to discuss about something.という言い方をしてしまう人が多いものですが、動詞として使うときは、前置詞なしで、I'd like to discuss something.という形で使わなければなりません。
⇒  a report about/on something ← MEMO 動詞として使うときは、なぜか on としか組み合わせません。
⇒  remarks about/on something 何かについてのコメント ← MEMO 動詞として使うときは専らonです。
(動詞)
⇒  argue about/on something 何かを論じる
⇒  lecture about/on something 何かについての講演ないし講義をする
⇒  ponder about/on something 何かについて熟慮する ← MEMO 下の meditate と対比すると、このあたりが限界事例なのかなと感じます。
⇒  speak about/on something 何かについて話をする
⇒  speculate about/on something 何かについて推測する
⇒  write about/on something 何かについて書く

★ 普通、aboutのみしか使わない例

他面、嫌なことに、以下の場合は、aboutしか使わないというのが普通です。
(名詞)
⇒  ignorance about something 何かについての無知
⇒  a quarrel about something 何かについてのもめ事、喧嘩
⇒  a story about something 何かについての話
(動詞)
⇒  inform somebody about something 誰かに何かを知らせる ← MEMO まぎらわしいことに、inform on somebodyという言い方は、He informed on his boss, who has been embezzling company funds.(彼は会社の金を横領していた自分の上司のことを通報した)という具合に、「不正を通報する」「密告する」という意味になります。
⇒  learn about something 何かを習う
⇒  read about something 何かについての資料を読む

★ 普通、on のみしか使わない例

最後に、on とのみ組み合わせるのが普通の例をいくつか紹介します。
(名詞)

⇒  an agreement on something 何かについての合意
⇒  legislation on something 何かについての立法、
⇒  an outlook on something 何かについての見通し
⇒  a paper on something 何かについての発表、論文
⇒  a perspective on something 何かについての視点、見方
⇒  a research on something 何かについての調査(報告書)
⇒  a ruling on something 何かについての(裁判所などの)決定
⇒  a thesis on something 何かについての論文
⇒  a study on something 何かについての研究
⇒  a viewpoint on something 何かについての視点、見方
(動詞)
⇒  comment on something 何かについてコメントする、論評を加える
⇒  infringe on something 何かを侵害する
⇒  meditate on something 何かについて沈思黙考する
⇒  remark on something 何かについてコメントする
⇒  report on something 何かについて報告する
⇒  test somebody on something 何かについて誰かを試す、テストをする

この種のものは定型的な組み合わせなので、自分で勝手に作るわけに行きません。名詞や動詞を目にするつど、一緒に使う前置詞が何であるかまで常に問題意識を持ちながら目を配る必要があるということです。また、辞典によっては、扱いも違うので妙な「教条主義」に陥らず、あれこれと見てまわる姿勢も大事だと感じています。例えば、名詞adviceにつき、Oxfordの辞典は、on sthというパターンを示しているのに、Longmanの方は、on でもいいし、about でもいいとしています。



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Comments

はじめまして。

 たまたま英語の前置詞についてまとめる必要があり、
「前置詞」というキーワードでgoogleで検索したところ、ここのページにたどり着きました。

 ページを拝見させていただいたところ、自分自身が今まで、前置詞について何となく勉強してきて、aboutとonの違いについてあまり豊かな知識を持ってはいなかったことに気がつかされました。

 もちろん、これまでに、aboutもonもそれ自体の内在的な意味については勉強しました(といっても、たいした勉強したわけではないですが……)。
 が、前置詞同士を比較させたときに見えてくる両前置詞の違いについてはあまり勉強してなかったですね。

 いわば、他の前置詞の立場から見たときのある前置詞の意味を知る作業というのは、有意義な作業であると気がつかされました。ありがとうございました。

[返信]

コメントありがとうございます。これからも機会を見て、前置詞をとりあげて行こうと思っています。どうぞよろしくお願いします。

お久しぶりです。今年もよろしくお願い致します。

onにするかabout以外にも、ofにするかforにするか等、前置詞には悩まされています。読んでいる時には流していても、いざ書くとなると気になる存在です。日向先生がおっしゃる通り複数の辞書やサイトのヒット数で確かめつつ感覚的に慣れていくしかないのでしょうか。「マイナーな英語」の使い手という烙印、怖いです。

[返信]

こちらこそ、後ればせながら、今年もよろしく。それと、お帰りなさい。 乾いた熱風がつたわってくるようなアラブ体験記読みました。なかなかでした。

前置詞って、何しろ日本語にないので、気にしない人は眼中に入らないし、不思議な存在ですよね。でも、問題意識をもっていると、読んでいるときも「ほうっ」という発見があり、楽しめるような気がします。ただ、基本的には感覚で使うツールなので、やはりおっしゃるとおり慣れということに尽きると思います。

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