2006年1月12日
動詞に続くTHAT:省略する場合としない場合
「これはできるはずだと思います」と言いたい場合、くだけた言い方である doable を使うとして(改まった言い方をしなければならない場面なら feasible を使います)、
I believe that this is doable.
というふうに動詞に続けて that を入れて言う人もいれば、
I believe this is doable.
という具合に that 抜きで言う人がいます。
そこで、辞書でbelieveの項を引くと believe (that) と、thatを入れるか入れないかは任意であることが示されます。動詞の think の項を引いても、同じように、 think (that) となっています。しかし、これでは、どういう場合に入れて、どういう場合に省略できるのだろうと、不安にかられる人も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、話し言葉の世界では、基本的に that 抜きで通します。ただ、あとで説明するとおり、一定の場合には、例外的に省略せず、that をしっかり入れて言う必要があります。(アカデミック・ライティングの世界では、thatはすべて入れるのが原則です)
I think...のように自分が何を考えているかを伝える動詞、あるいは She said...のように人が何を言ったのかを伝える動詞に続けて that 節で何を考えているのか、あるいは何を言ったのかという、その内容を説明する場合、that 節の冒頭の that は省略されます。いちいち言わなくてもわかるからです。
逆に言うと、I think that...とわざわざ that を入れて話をされると、普通、聞かないものだけに耳障りだということです。(以前、何かについての推理を尋ねるような場面で、10人前後の学生が、そろいもそろって I think that...と切り出したときはクラクラしました)
このように動詞をthat 節(名詞節)で受ける場合、導入部の that は省略しますが、Longman Student Grammar of Spoken and Written Grammarによると、三つの例外があります。
例外の一は、that節がいくつか並ぶ場合です。例えば、プレゼンなどで、以下のようにthat 節をいくつか並べたりしますが、こういった場合は、thatを省略しては何を言っているかわからなくなるので省略できません。
I've attempted to explain here that last year was the strongest year ever in our 50-year history, that our strong balance sheet has enabled us to make massive investment in research and development, and that we have a strong pipeline of new products. 訳:以上でご説明しようとしたのは、昨年度の実績が50年前に貨車が始まって以来最高の業績であったこと、健全な財務体質のおかげで膨大な資金を研究開発に投じてきたこと、それに強力な新製品候補をいくつも抱えているということです。これは be208の146番です
例外の2は、受動態の場合です。例えば、「3ヶ月内に販売目標を達成できなかったらこの製品は打ち切られることもあると聞かされた」と言いたい場合は、次のように言うのが普通です。
I was told that the product may be discontinued if the sales target is not met within three months.
I was told the product...という、that 抜きの言い方はしないということです。
例外の3は、動詞とthat節の間に名詞や代名詞が入るケースです。こういった場合は、以下のように、thatを省略しないのが普通です。
We have already notified them that we would have no choice but to resort to legal channels.(先方には、法的手段に訴える他ない旨を既に知らせてある)
ここでは、We have already notified them we would...とすると、notifiedという動詞のうしろに them という余計なものが入っているので、ここから先がnotifyされた内容ですよと合図するものがないとわからなくなってしまいます。
この他、例外の4とまで言えるかは微妙ですが、say, believe, thinkといったよく耳にする動詞ではなく、同じように、that 節で受ける動詞でも、allege とか assert とか contend のように、日常的に会話に出てくるとは言えないような動詞の場合は、that をいちいち入れて言うほうが一般です。
まあ、このあたりになると趣味の問題とも言えそうですが、いちいちthatを入れなくても、I thinkというのを耳にした方は自動的に頭の中でthatを補充しているからこそthatは入れないのだという理屈を考えると、assert のような、あまり普段使わない動詞を口にするときは、that を確実に入れたほうが相手の頭にすっと入るという意味で親切であり、コミュニケーションを円滑にするという趣旨にもかなうというものでしょう。

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この記事に関連して、基本的な質問があります。
動詞に続くthatがある場合、例えば
I think that / ...
I think / that ...
のどちらで区切って読む(話す)のでしょうか。ずっと疑問
に思っていたので、この機会によろしくお願いします。
[返信]
ネイティブスピーカーはたいてい、一気にしゃべっているのでわかりにくい感じですが、切るとすれば、I think / that...とするのが基本です。
この雑記帳の以下の記事「(続)英語の切れ目:is や that の前に休止符を入れる」(10/29/05)で詳しく説明してありますので、ご覧ください。
http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2005/10/is_that.html