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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2006年2月 5日

SO THATの前のカンマ:目的を表すときは入れず、結果を表すときは入れるというルール

オンライン版 The Wall Street Journal の記事を読んでいて、「あれっ」と思いました。so that で始まっている、目的を表す副詞節の前にカンマが入っていたからです。記事の見出しは In Clubby Japan, A Brash Raider Takes a Big Fall(閉鎖的日本社会に風穴を空けた乗っ取り屋が一気に転落)というもので、ホリエモンを取りあげているのですが、その中に、今回の一件を、多くの日本人は、より深く進んでいる腐敗の一端というよりは、たまたま起きたものと見ているという趣旨の記述に続けて、こうあったのです。

The immediate consequence is likely to be efforts to beef up Japan's corporate and stock-market regulators, so that they can more effectively police corporations and investors in the newly liberalized business environment.(目先の影響として出てきそうなのは、新たに規制が緩和された分野での企業や投資家に対する監督の実効性を高めるべく、企業や株式市場の監督機関を強化しようという動きだろう)

読んでおわかりのとおり、後段のso thatで始まる部分は先行する主節との関係では、Why? に答える副詞節で、目的を表すものとなっていますが、この手の副詞節の前には普通、カンマは打ちません。

一方、ややこしいことに、同じように so thatを使っている副詞節でも結果を表すものについては、カンマを打つことになっています。

そこで、きちんとカンマを打てるように、同じように so that で始まっている副詞節につき、どれが目的を表し、どれが結果を表すのかを見分ける方法をご紹介します。ライティングの基本に関わることですが、このあたりを会得しておくと、今度はリーディングのときにも、「ああ、これは目的を表す so that なんだ」と余裕を持って読んで行けるようになります。

そもそも so thatを使った結果を表す副詞節自体、堅苦しい感じのするフォーマルな言い方なので(普通は、thatを落として、soだけを使います)、あまり見るものではなく、正面からこの問題を取りあげている文法書は少ないのですが、例外の一つが Marcella Frank の Modern English: A Practical Reference Guide, 2nd ed. (Regents Prentice Hall) 。

以下のような形で「目的型」と「結果型」を対比しています。なお、 so (that)とカッコでくくられているのは省略できるという意味で、また、might (could) の方は、mightに代えてcouldを使ってもいいというという意味です。

目的を示す副詞節の例…

He was sitting in the front row so (that) he might (could) hear every word of the lecture.(彼は講演を一言も漏らさず聴けるよう、最前列に陣取っていた)

結果を示す副詞節の例…

He was sitting in the front row, so (that) he heard every word of the lecture.(彼の席は最前列で、講演を一言も漏らさず聴くことができた)

そして、目的を示す副詞節はこのように、結果を示す副詞節と似ているけれど、よくよく見ると、形式において、以下3点の違いがあるとしています。

⇒  第一に、目的を示す副詞節においては普通、may, canまたはwillが使われている。

⇒  第二に、目的を示す副詞節の場合、その節を頭の所に出せる。つまり、So that he might hear every word of the lecture, he was sitting in the front row. と書き換えてもよいということです。

⇒  第三に、話し言葉においては、結果を示す副詞節に入るところで、わずかながらも、間を置くものであり、また、書き言葉においては、そこでカンマを打つのが普通であること。

ちょっと自分なりに補足させていただくと、第一点は、この二つの副詞節の本質的な違いを示す重要なポイントです。結果を示す副詞節の中で語られることは、現実に起きたことであり、事実であるのに対して、目的を示す副詞節において語られることは、これから実現されるべきことであり、だからこそ、can, will, mayといった助動詞を使って動詞の力を弱めておく必要があるのです。これはライティングでこの種のso thatを使う場合に頭に入れておくべきポイントでもあります。ちなみに、Michael Swan の Practical English Usage (Oxford) によると、canとwillが普通で、mayはフォーマルな感じとなります。

あと、第三点は、けっこう見落とされている点で、実際の発音を考えると、最初の目的を表す方は、次のように、主節の終わるところで心もち抑揚を上げるのに対して、結果を表す方は、まるで二つの独立したセンテンスを読みあげるかのように、主節の終わるところで、いったん下げます。

目的の場合 

He was sitting in the front row[↑]so that he could hear every word of the lecture[↓].

結果の場合

He was sitting in the front row[↓], so that he heard every word of the lecture[↓].

カンマの話に立ち返ってまとめておきますと、in order that と差し替えても通じるような、目的を表す副詞節を導くために so that を使うときは、カンマは不要です。

これに対して、結果を表す副詞節を導くために so that を使うときは、その前にカンマを入れます。念のため、「権威づけ」をしておきますと、Randolph Quirkらの A Comphrensive Grammar of the English Language は、次のようにカンマを入れるものだと明言しています。

Unlike the purpose clause, the result clause introduced by so (that) is separated by comma punctuation.(目的を表す文節と異なり、so thatで始まる、結果を表す文節は、カンマで区切られる)

この点、冒頭で取りあげたウォールストリートジャーナルの記事は上のルールから外れていることになりますが、そのこと自体は驚くほどでもありません。わが国の新聞にだっておかしな日本語が使われていたりするわけで、それと同じことです。Harry BlamiresのCorrecting Your English (Bloomsbury) のように雑誌・新聞の記事における誤用ばかりを取りあげている本があるぐらいで、ネイティブ・スピーカーの書いたものだからと言って、すべて正しいとは限らないのです。



dancer

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Comments

はじめまして。
質問があるのですが、
目的を表すso that...について、
そもそもなぜ「~のために」と訳されるのでしょうか。
"so"、"that"からは何の想像もできないのですが、
この"so","that"はどんな役割を持っているのですか?
程度のso、接続詞のthatでは説明がつかなそうですが・・・

[返信]

文法的には so には結果を示す時に使う接続詞と、目的を示す時に使う接続詞としての機能があり、それぞれ that でその内容を補充できるというふうに説明されます。本によっては、最初から、so that という2単語から成る接続詞として扱い、それぞれ in order thatとwith the result thatと置換えることのできるものがある、という説明をするものがあります。

理解の仕方としては、後者がわかりやすく、あとは、結果を示すときだけカンマを入れることを覚えておけば十分だと思います。

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