2006年3月22日
英語が使えるようになるには、どのぐらい勉強すればいいのか--最短は380時間
あちこちで日本人はなぜ英語ができないのかが論じられます。例えば、「日本語耳」と「英語耳」というものがあるので簡単には英語ができるようにならないという説があります。低周波族の日本人にとり、高周波タイプの英語はむずかしいという話です。本当にそうでしょうか。本当にそうなら高周波タイプの英語に近い言葉を使う人々が有利なはずで、2000-4000ヘルツのイタリー語族の方が125-500ヘルツというスペイン語族より英語のリスニング能力が高いということになるはずです。ところが、実際は、TOEFLのリスニングのスコアで比較した場合、スペイン語族の方が成績がいいのです。したがって母国語と英語との周波数の違いからことを論じるというアプローチ自体意味のないことがわかります(白畑知彦編『英語習得の常識・非常識--第二言語習得研究からの検証』大修館書店)。
一方、日本語自体が独特の言葉なので、われわれ日本人は英語が苦手なのだという説も見聞きします。しかし、それを言うなら、むしろ英語の方が世界的に見て「おかしな」言葉であり、日本語が独特だという前提自体、間違っています。この点、角田太作著『世界の言語と日本語』(くろしお出版)は、世界的に見て日本語にしかない特徴というものは格別ないとした上で、英語の場合、以下の特徴があるとしています。
(1)一般疑問文を作る時に主語と動詞を倒置する現象は世界的に見ても珍しい。
(2)こうした疑問文を作る際に、助動詞の助けを借りるというのは英語にしか見られない、非常に珍しい点だ。
(3)万能の助動詞 DO なるものは、他の言語では見当たらない、珍しい存在だ。
(4)文法上の制約が強く、仮主語まで用意するぐらいに主語が強いという点は、世界的にもまれに見る存在なのではないか。
英語が特殊なのはしょうがないとして、一体、どのぐらい勉強すれば、英語はできるようになるのでしょうか。大きく分けて、時間数と年数で見ていきたいと思います。
★ 最短では380時間
何時間勉強すると外国語ができるようになるかという問題に関して、私自身がこれまで知り得たところでは、380時間、2,760時間、4,200時間、そして5,000時間という4つの指標があります。
A. 380時間
ヨーロッパでの外国語教育では、Council of Europe (欧州評議会)の音頭取りで、欧州統合に伴うヒトの移動つまりは労働力の移動を念頭に、また、他国の言葉、そして文化を理解することこそ武力紛争や戦争を防ぐ最も有効な手段だという理念から、域内諸国の学生は高卒時点までに、自国語プラス外国語を二つマスターせよとしています。そしてこの構想を支える Common European Framework of Reference for Languages (ヨーロッパ共通参照枠)というものが外国語教育の指標として打ち出されていますが、それの前身に当たる Threshold Level 1990 (邦訳は大修館から出ている『新しい英語教育への指針—中級学習者レベル「指導要領』)では、外国語でやりとりするのに最低限必要なレベルまで達するのに380時間前後としています。
B. 2,760時間
日本で言えば外務省の研修所に相当する Foreign Service Language Institute は、60年におよぶ実績をもとに、日本語を勉強し、level of proficiency to really do something useful in the language (その言葉を使ってまともに用を足せる程度の運用能力)がつくところまで行くには、2,760時間かかるとしています。要するに3,000時間です。
なお、村上春樹や夏目漱石の英訳で知られるハーバード大の Jay Rubin がその著作、 Making Sense of Japanese (この本、日本語論の傑作です)で明らかにしているところによると、日本語での Limited Working Proficiency に達するまでの標準学習時間は 1,410 時間だそうです。
C. 4,200時間
戦前の米海軍日本語学校での話ですが、日本語を専門とする情報将校を短期促成するのにこれだけかかったというデータです。毎日14時間、週6日、50週での4,200時間という計算です。授業では、ひたすら与えられたパターンを口頭で反復練習し、自習時間はレコードで音声の復習をするというスタイルだったと記録されています。実にハードでストイックな内容ですが、これで4,200時間後には、新聞が読めて、捕虜を尋問できるレベルまで行けたのです。
パターン・プラクティスとして知られるここでの教授法は何かと批判され、今では英語教育での主流ではありませんが、ここでの実績を考えると、まさに論より証拠という思いがします。言葉を習得する上で千本ノック方式に勝るものはありません。
ちなみに、米海軍日本語学校はサイデンステッカー、キーンといった日本文学関係の大物ジャパノロジストや安保条約でもめた当時の駐日米大使ライシャワーらを輩出したことで知られています。
D. 5,000時間
ノーマンという認知心理学者は、「ひとつの言語を学習するのにどのぐらい時間がかかるかを考えてみよう」と切り出し、長年各分野のエキスパートたちを調べ、また、自分自身についてジャグリングやパソコン操作の学習過程を観察した結果、「そのようなことがらを学習するのに必要と思われる標準最低時間は 5,000時間である」としています(D.A. ノーマン著富田達彦訳『認知心理学入門』誠信書房)。上のデータに照らしてそうかも知れないと感じるものの、今ひとつ、根拠に説得力が欠けています。
結局、時間数で捉えた場合、コミュニケーション・スキルとしての外国語を使えるレベルにまで到達するのに、最短では 380時間です。わが国の中学、高校での英語の授業時間数が、850時間から1,300時間程度であることを考えると、いったいなぜ?という素朴な疑問が湧いてきます。
★ 必要な年数はおよそ5年
上の時間数に対して、年数で外国語習得に必要な期間が論じられるケースがあり、これまで目にとまったものとしては、以下の三つがあります。
A. 4年から6年
これはアメリカでの学力低下に対する危機感から設置された政府の委員会 (National Commission on Excellence in Education) が打ち出した数字です。同委員会は、1983年に出した答申の中で、外国語を勉強し始める年齢を前倒しにせよとする勧告の中で、Achieving proficiency in a foreign language ordinarily requires from 4 to 6 years of study and should, therefore, be started in the elementary grades.(しかるべき外国語運用能力を身につけるためには普通、4年から6年は勉強しなければならないものであるから、小学校から始めるべきだ)としています。
根拠は明示されていませんが、教育の専門家が集まって出した結論だけに、4年から6年という数字は学校教育の場での一つの目安とされるべきなのでしょう。具体的に言えば、中学、高校を終えた段階で、普通にその外国語が使えるレベルということです。この点、文部科学省が「英語が使える日本人」構想の中で、「高校卒業までに、日常の話題に関する通常の会話(同程度の読む・書く・聞く)ができる(高校卒業者の平均が英検準2級?2級程度。)」という線を示していますが、あるいはこういったアメリカの例を参考にしているのかも知れません。
B. 5年
National Capital Language Resource Center(注)が出しているニューズレター、The NCLRC Language Resource (VOL. 6, NO. 6 JULY 2002) で紹介されている、David Birdsong(テキサス大学オースチン校)の研究報告によると、21歳を過ぎている英語学習者でも、(1)英語が使われている環境にどっぷりと漬かりながら、(2)モチベーションを維持しつつ、(3)スピーキングやリスニングといったオーディオ面での練習に意を用いる生活を5年以上続ければ、10人に1人は、ネイティブ並みの英語能力を身につけられるとしています。
(注記 National Capital Language Resource Centerは米教育省の助成金を受けて運営されている非営利団体で、 Georgetown University, George Washington University, それと Center for Applied Lingutics が運営の中心になっています。引用元のニューズレターのバックナンバーは、http://nclrc.org/readings/newsletter.htmlにあります。言語研究における最新情報が載っており、この分野が気になる方には宝の山です)
C. 10年
K. Anders Ericssonが編者である The Road to Excellence--The Acquisition of Expert Performance in the Arts and Sciences, Sports and Games では、各分野での達人を観察した結果、エキスパートの域に達するには10年かかるとしています。そして、おもしろいことに、一日当たりの練習時間は4時間までと言います。それ以上だと集中力が欠けるので無駄だからだそうです。ことが名人芸の世界だけに単純な比較はできませんが、10年やっていても外国語が身につかないような人はどこかが根本的に間違っていると言えそうです。
年数については、アメリカ政府が言うように、4年から6年なのかなというのが実感としてあります。子供の頃に聞かされた話では、外国の学校に入った場合、仲間と互角になるまで、だいたい3年かかり、作文などでも負けないようレベルとなると5年ということでした。今の時代、どうなのでしょう。
★ まとめ
以上見て来たとおり、英語ができるようになるまで大体、3,000から4,000時間とされているけれど、ひとまずコミュニケーションが取れるという、いわば読み書き算盤レベルでよければ、最短 380時間で足りるということです。
ただ、単語帳を 300時間やっていればいいという話ではなく、この枠内で必要事項を効率的にこなして行かねばなりません。そのためには、折々、自分の「現在位置」を確認しては、残りで何をやるべきかを考えていく必要があるはずです。端的には自分の英語の実力を定期的にチェックするということになります。
この点、一番いいのは、ケンブリッジ大学の英語検定や IELTS (International English Language Testing Service) のように、読み、書き、話す、聴く、の4技能すべてをチェックするタイプの試験です。一定水準に到達している学習者が備えているべき英語の知識ないしセンスを基準に、受験者の到達度を判定するテストですから、この単語を知らないようだと困るよ、会話の応答でこの程度はこなせないと困るよという視点から問題が作られています。この点、学習者が到達しているべき英語力を基準にしておらず、他の受験者の成績を基準に個々の受験者の位置づけを算出するTOEICなどとは正反対のアプローチを取っていると言えます。
どうしてTOEICやTOEFLは駄目なのかと感じられるでしょうが、そもそもTOEICやTOEFLは英語の実力を判定するためのテストではないからです。両方とも試験の目的は選別にあるのです。これが最大のポイントです。そこでの英語は選別のための手段でしかありません。それゆえ他の受験者との比較における位置づけイコール成績という格好になっています。TOEICで最高点を取った人ばかり1万人集めてテストした場合、英語の実力を判定するテストなら全員が少なくとも「合格点」にならないとおかしいわけですが、このテストの性格上、半分はふるい落とされます。そして、当然、990というスコアを出せるのはごく限られた人数に人為的に絞り込まれます。そうでないと選別できないからです。
こうしたテストとしての本質的な違いを反映して、TOEICで800以上または900以上であるにも拘らず電話の受け答えすら満足にできない人はいくらでもいるのに、ケンブリッジのProficiency に合格していながら英語が普通に話せないという人はまずいません。
考えてみると、文部科学省は、「英語が使える日本人」構想の一環として、英語教員にふさわしいレベルとして、TOEICのスコアで730以上という線を打ち出していますが、上で説明したとおり、TOEICが選別試験であることに照らし、何とも不思議な判断です。テストの専門家でもない、私のような門外漢でさえも TOEIC が選別試験でしかないという限界を知っているのに、教育行政の専門官庁がこんなことでいいのでしょうか。きちんとした英語を話したり書いたりできない人々が集まって、英語教育はかくあるべしなどと議論しているような印象をぬぐえません。
[追記 この項は2007年3月に書き改めました]
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- »いまさら英語マスターをめざして・・: 今後の学習計画を立ててみた - 2006年4月 1日 06:46
先日もお話したとおり、私はTOEIC5月試験に申し込んだ。 けれど、まだDUOはSection2後半。 ん?? おいおい・・このペース大丈夫か? いくらマイペースに・・と思っても、1日の勉強に目標を立てないと身につかないのでは?...
- »英語やる気UP応援事業: 学習時間の大切さ… - 2010年5月24日 10:19
TITLE: 学習時間の大切さ… URL: http://www.eigo-yaruki-up.com/2010/05/24/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%88%87%E3%81%95/ IP: 122.200.212.181 BLOG NAME: 英語やる気UP応援事業 DATE: 05/24/2010 10:19:12 AM
Comments
ご返答ありがとうございます。
上記のデータはあくまでも、日本人学習者が日本国内の専門学校のガイダンスの元で最短距離で英語を勉強する場合のケースで、我流でダラダラやっていれば、当然のことながら、この2・3倍はかかります。これは、教材の質や学習目的・勉強方法などが密接に関わっていると考えられます。
一方、欧州や英語圏にて現地の学校や大学等できちんと集中して勉強する場合は、おっしゃるとおり、日本にいるときよりも数倍早く、一通り英語を使えるレベルになることでしょう。どんな人とでも英語で円滑にコミュニケーションが取れるようになるには、英語圏でも最低3年はかかりますが、1,2年弱でも一通り人前で使えるようにはなります。事実、英語に疎い日本人でも海外の語学学校で1,2年勉強して、荒削りながらも一通り使えるようになっているのを、私は何度も見ています。
海外で1500-2000時間ですか。英語を勉強する環境が、日本と海外で、いかにそのギャップが大きいかを物語っていますね。
[返信]
勉強する環境の差もあるのでしょうが、私には学習者に問題意識があまりなく、英語そのものを取り込む努力をすることと英語の解説を知ることの違いを意識しなかったり、スキルとしての英語に必要な範囲の外にあるものを勉強していることが多いように思えます。
- 海外留学者
- 2007年1月18日 05:25
専門家によって意見は様々ですが、やはり絶対量不足が日本人が英語を苦手する一番の原因であることは間違いないようです。
全国でナンバーワンといわれる有名な英語学校の調査データを以下参考までに掲載いたします。
①英検2級 or TOEIC550レベル= 2,500時間
②英検準1級or TOEIC730レベル=3,500-4,000時間
③英検1級or TOEIC 930レベル=5,000-6,000時間
④英検1級/TOEIC/TOEFL満点レベル=7,500時間
⑤資格5冠(④+国家通訳検定、工業英検1級など)
=7,500-8,500時間
⑥英語達人(資格総なめ+ネイティブ並みの英語コミュニケーション能力)
=15,000-20,000時間
上記の数字はあくまでもスキルレベルでの目安です。
まず必要最低限のレベルで英語がわかると言われる英検2級ですが、上記に示すようにゼロから勉強して最低2,500時間位かかるそうです。これに対して中高6年間の学校での英語学習量は、この半分にも満たないのが現状です。これは、いかに日本人の多くがスタートラインにすら立っていないかを示しています。
仮に英語が好きな人であっても、日本の大学で4年間しっかり勉強して、なんとか英検準1級レベルにこぎつけられる可能性は半分以下でしょうか。コミュニケーションとしてはまだ非常に荒削りの段階。
それでも、大学卒業前までにたどり着けば上出来だと思います。
交換留学や1,2年間語学学校に留学した人なら問題なくこのレベルに到達するでしょう。
多くの人が狙っている英検1級やTOEIC900点レベルは、準一級から始めても最低2-3年かかるそうです。2級からだと根を詰めて勉強して最低4-5年かかるので、社会人になってから英語を勉強し始める人には非常に高いハードルといえます。英語学習にストレスを感じ始め、途中で挫折する学習者が多く出てくるといわれています。また、アメリカやカナダなどの大学学部(3・4年次)や大学院に留学するのに必要なレベルでもあります。大半の日本人留学生は留学前にTOFELで高得点をとっていますが、実際にこのレベルに達している日本人は非常に少なく、大学での授業についていったり、ネイティブとのコミュニケーションを図るのに相当苦労している人が多いのが現状です。
④・⑤は英検1級突破後も、決して奢らず、気を抜かず、自己研磨を続けて到達できるレベルなのですが、これは通訳者や翻訳者など英語のプロと言われる人たちに多いそうです。又、日本人の留学生が欧米の大学学部と大学院修士を取得したレベルに相当するとも言われています。
⑥は全ての英語資格を取得するだけでなく、英語母国語民なみの表現力も備えているレベルのようですが、国内に閉じこもって勉強しているだけではおそらく困難でしょう。海外でいちから英語を勉強しても、大学学部・院(修士・博士)留学などを通して、最低でも8-10年くらいかかるかもしれません。
以上ですが、私の見解では、英語が使えると言えるレベルは③が最低ラインといえます。というのは、①・②は、細切れの学習でも到達可能で、コミュニケーションとしてはたかがしれています。これに対して③は英語学習を日常生活のpriority3位以内に入れるくらい、真剣に勉強しなければ到達は難しいようです。本当に上達したいのであれば、やはり最低でもこのくらいやらないと意味はないでしょう。
よく、2・3ヶ月でTOEIC900点とったとかいう人の逸話を参考書やブログ等で見かけますが、日本人が国内で普通に英語を一から勉強すると最低でも7-10年位かかります。それだけ英語にどっぷりつかっていないかぎりは、まかり間違っても、「2・3ヶ月である日突然英語が...」なんていうことはありません。
長くなりました。目が疲れてきたのでこれで失礼します。
[返信]
実に興味深いデータ、ありがとうございます。勉強の絶対量が足らないという点は同感ですが、何を勉強するかということも、つまり必要なものだけを無駄なく勉強しているかということも大事だと思います。言い換えれば、検定のスコアアップには役立っても普通に英語を使うこととは縁の薄い素材に打ち込んでいると、無駄にはならないとしても、まわり道になるということです。
というのは、欧州評議会が出しているヨーロッパ共通参照枠のタネ本に当たる資料 (Threshold 1990) などを見ていますと、ひとまずコミュニケーションをこなせる Threshold に達するには、週3時間で40週、つまり1200時間程度の勉強でいいはずだとしているからです。単語数で言うと、1500単語見当です(体の各部の名称などは入っていない、実用一本やりのボキャブラリーです)。
この資料がヨーロッパ内の外国語学習者を想定していることを割り引いて考えても、一つの基準となる数字だと思います。
例えば、アメリカの国務省は日本に派遣する外交官につき、Limited Working Proficiency レベルまでの標準学習時間を1,410時間(週30時間×47週)としていますが、言語体系がまるで違う外国語でもこの程度かければ何とかなるとも言えるわけで、参考になる数字だと思います。
また、海外駐在などで英語環境にどっぷり漬かっている場合、ちゃんとやれば、大人でも子どもでも大体2年弱、つまり英語に触れる時間を平日当たり6時間とした場合、2000時間前後で1人で用を足せる程度に英語ができるレベルに達すると言われています。
- 海外留学者
- 2007年1月17日 16:32
英検1級合格後、ケンブリッジ英検に興味を持ち資料を探したことがあります。問題集等は、amazonで手に入れることは可能ですが、いかんせん試験会場・頻度・受験料の壁に断念しました。英検やTOEICと違い気軽に受けることができません。地方に住んでいると、こういうときに損な気がします。
[返信]
たしかにそういう限界があるのかも知れませんね。英検など、あれだけ受けやすい体制をととのえ、実績もあるのですから、TOEICに対抗してケンブリッジとビジネス英語で提携するといった小手先の修正に終わらず、外国でも信用してもらえるような制度に衣替えすればいいのに、もったいないことです。幹部クラスに頭が硬くなっている年寄りが多すぎるのでしょう。
結局、現実問題としては、TOEICは他の人に対して後れをとっていないかを確認するために使うにとどめ、実力自体は、試験そのものを受けるかは別として、参考書を通じてわかる要求水準を念頭におきながら高めて行くのが得策だと思います。
- meggy
- 2006年3月23日 08:45
日向先生
はじめまして。
いつも楽しく拝見しております。
私は90年代にロンドンで6年間英語学校に通いました。
ケンブリッジ英検はFirst Certificate, CAE, CPE, そして今は無きDiploma of English Studiesまで取得しました。
ケンブリッジ英検がTOEIC/TOEFLより優れた英語の試験であるというご意見に全く同感です。
TOEICではなく、ケンブリッジ英検を使った方が英語の力が的確に分かります。
私は現在、TOEICコースを中心に英語を教えており、TOEICのブログも書いていますが、本当はケンブリッジ英検が好きです。
日本でもケンブリッジ英検の認知度が高まることを常に願っています。
ただTOEICのような手軽な試験ではないので、日本ではなかなか受け入れられないようです。
[返信]
コメントありがとうございます。すごいですね、Diploma をクリアしたとは。脱帽です。Proficiencyをクリアした時に、次は Diploma でもと資料を取り寄せたら、苦手なシェークスピアが指定教材に入っており、逃げ出した覚えがあります。
TOEICブログ拝見しました。ご承知のとおりTOEICに偏っている世の中に疑問をおぼえているので、複雑な気もしますが、あの充実度はすごい、と感心が先に立ちます。しかも、ビジネス英語雑記帳を推薦してくださっているじゃないですか。ありがとうございます。
しかし、吉崎さんのようなきちんとした英語使いがTOEICの普及に携わっているというのは、剣の達人が余技のナイフ投げを教えている感じで、何だか不思議と言えば不思議です。たしかに、本屋さんで簡単に申し込めるテストじゃないですもんね。
- 神崎正哉
- 2006年3月22日 18:04

貴重なお話を拝読させていただき、誠にありがとうございます。
小職、英・豪留学希望者向けにIELTS講習を行う一方、大学受験生にいわゆる「受験英語」も指導しております。
さて、ご高説のTOEICについては小職も日向先生と全く同じ考えです。現在教えている社会人、学生、大学受験生ともにTOEIC受験は全く勧めておりません。
小職が以前「英語力を必要とする求人」の全てを某求人サイトで確認したところ、9割ほどが「TOEICのスコア」など要求しておりませんでしたし、私の知る限り英語圏出身の在日ビジネスマンもその存在をよく知りません。
それなのになぜ国を挙げてTOEIC受験に血道をあげるのか...
その理由のひとつに、この試験の運営母体国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の会長が、元通商産業省通商局長であることが考えられるのではないかとさえ思いたくなります。
先生のお話にTOEICの目的は「受験者をstratifyすることだ」との趣旨がありましたが、実はこれは小職が複数の大学の入試問題作成担当講師から聞いた「大学入試センター試験」の目的と合致しております。図らずもTOEICの日本導入は1979年、いわゆる「共通一次試験」開始時と機を一にしています。
このことは何を物語っているのでしょうか?
小職は受験指導の際にセンター試験の英語の過去問或いは練習問題を見ることも多いのですが、その英語の稚拙さ又はレベルの低さに時折愕然とします。一部の国公立大学の2次試験や良心的私立大学の試験問題をみてやっと安心している次第です。
大学受験生向けにも、海外の出版社から出ているFCE~CPE及びIELTSの指導テキストをアレンジして使っています。そのテキスト内容を見た受験生たちの「目からうろこが落ちた」という表情を見るとこちらも安心できます。
翻って、かのBritish Councilもケンブリッジ英検から手を引いています。
何かどうも我々の知らないところで何かが動いているような気がするのと同時に、少なくとも小職のできる範囲においては日向先生のような「先輩同士」の存在を励みにしながら職務を全うしたく考えております。
日向先生のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
[返信]
わかる方に読んでいただけて、ブログを続けていてよかったと思ったことでした。わたしの方も、Aye Communications さんのような、ちゃんとした方が英語を教えてらっしゃると知り、何だか安心しました。ともにわが国全体の英語力底上げのために頑張りましょう。