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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2006年3月17日

Do you hungry? はなぜ駄目なのか(英語の落とし穴の5)

落とし穴の5 ⇒  Yes/No で答えてもらう疑問文の語順がわかっていない。

英語の疑問文は、相手から何か具体的な情報を聞き出したいのか、それとも、Yes か No かで答えてもらえば済む話かで作りが違ってきます。前者は、これまで「落とし穴の3と4」で取りあげましたので、今回は、Yes/No という答えを期待しての疑問文の作り方を見て行きます。

こうした Yes/No で答えてもらう疑問文の語順がわかっていないと

「お腹、空いている?」と尋ねたい場合に、

*Do you hungry? [以下*は誤用例であることを示します]

といった言い方をしてしまい、あるいは、

「テニス、好きですか?」と聞いているつもりで、

*Are you like tennis?

と言ってしまうのです。作り話みたいな悲惨な誤用例ですが、実は、聞けば誰でも知っているような名門中学校で英語を教えている方から「こういうの本当にあるんだよ」と教わったケースです。

考えてみると、なぜ *Do you hungry? は駄目なのかを説明するというのは結構面倒です。何しろ基本中の基本に立ち返らなければならないからです。しかし、出発点がきちんとしていないようでは、いつまでも不安がついてまわりますから、以下で、解説を試みます。

ここでもポイントは、平叙文から考えて行くということと、その場合に使われている動詞がBE動詞か一般動詞かで組み立て方が違ってくるということです。

★ どこがどう変なのか

*Do you hungry?

というセンテンスを見たり、聞いたりした場合、普通の英語の使い手は、あとで説明するとおり、DOで始まる疑問文は、一般動詞が使われているセンテンスを疑問文にしたものであり、通常

Do + 主語 + 動詞 

というパターンであると知っていますから、

*Do you hungry?

を見たり、聞いたりした瞬間、形容詞 hungry が主語の you に続いていることに気づき、「あれっ」と思ってしまうものです。

一方、

*Are you like tennis?

を見たり、聞いたりした場合も、元のセンテンスがBE動詞を使っているケースでしか、

BE動詞 + 主語

という作りの疑問文は作れないはずなので、やはり「あれっ」と感じるものです。ましてや明らかにBE動詞と異なる like がそのまま残っていますから、ますます違和感が強くなります。

別の角度からも「なぜ変なのか」を説明できます。

ここでの、*Are you like tennis? を元の形つまり平叙文に直してみると、*You are like tennis. になります。しかし、BE動詞がイコール記号と同じであることからすれば、これはYou = like tennisということになり、意味がとおりません。

★ 正しい姿を確認する

「お腹、空いていますか?」だったら

Are you hungry?

であり、

「テニス、好きですか?」だったら

Do you like tennis?

となります。

ここで、それぞれを平叙文に直してみますと、こうなります。

You are hungry.

You like tennis.

こう並べてみると、よくわかりますが、hungry の方は BE 動詞を使っているのに対して、tennis の方は、一般動詞 like を使っている点で、両者には大きな違いがあります。

結局、冒頭の、*Do you hungry? も、*Are you like tennis? も、こうした違いに起因する疑問文の作り方の違いを無視したがために、おかしなことになってしまったと言えます。

そこで、もう一度、Yes/No で答えてもらえれば用が足りる疑問文の作り方を振り返りますが、まずは、平叙文に直して考え、BE動詞が使われているケースとそうでないケースとに場合分けする必要があります。

A. BE動詞を使っているセンテンス

英語のセンテンスは基本的に「何かが、どうである/どうであった」を語るものと、「何かが、どうする/どうした」を語るものに大別され、前者の場合にBE動詞その他の連結動詞 (linking verb)を使います。

ここで、「お腹が空いた」というセンテンスを考えた場合、これは、「何かが、どうである/どうであった」を語るケースですから、BE動詞を使うことになります。

そして、このBE動詞が使われているセンテンスを疑問文にするときのルールは実に単純で、通常、"主語 → 動詞" と流れる語順を、"動詞 → 主語" と入れ替え、最後に疑問符を打てば完成です。

つまり、こういうことです。

You are hungry. → Are you hungry?

AM, IS, ARE を使っている普通の言い方を Yes か No かで答えてもらう疑問文に変えるときは、そのBE動詞を前に出すだけの話で、次の項で説明する DO の登場する余地が最初からありません。

もう少し正確に言えば、DOの助けを借りずに、動詞を先頭に出し、動詞→主語の語順にすることで疑問文を作れるケースは、

(1)BE動詞が使われているとき、
(2)助動詞としてのHAVEが使われているとき、それに
(3)CANやWILLなどが使われているとき

の三つのケースに限定されます。

言い換えれば、語順を入れ替えるだけで疑問文をつくれるのは以下の16タイプの助動詞が使われているときに限定されます。

AM, IS, ARE, WAS, WERE, HAVE, HAS, SHALL, SHOULD, WILL, WOULD, CAN, COULD, MAY, MUST, NEED 

この16種の助動詞のどれも登場しない言い方を疑問文にするときは、次の項で説明する通り、必ずDO の助けを借りる必要があります。

補足:

ARE が使われている場合は、語順を入れ替えるだけと言っても、その ARE が動詞句の一要素であるときは、ARE を含めた動詞句全体ではなく、ARE だけが先頭に出ます。

You are drinking vodka. → NOT Are drinking you vodka? BUT Are you drinking vodka?

同様に、WOULD が他の要素と一緒になって動詞句を構成しているときは、WOULDだけが前に出ます。

You would like to drink beer. → NOT Would like to you drink? BUT Would you like to drink beer?

このように上で挙げた 16 種の助動詞が動詞句の一部となっているときは、原則としてその助動詞だけが先頭に出ます。

B. 一般動詞を使っているセンテンス

設例の「テニス、好きですか?」を平叙文に直すと、「テニスが好きです」となりますが、これは、英語式に考えた場合、要するに、「私は、好きだ、テニスが」であり、「何かが、どうする/どうであった」を語るケースですから、一般動詞を使うことになります。

そして、このような一般動詞(ここでは like )が使われているセンテンスを疑問文にするときは、次のパターンを使います。

DO + 主語 + 動詞(しかも原型)?

ですから、設例は以下のように疑問文に変換することになります。

You like tennis. → Do you like tennis?

これをご覧になっておわかりのとおり、注目すべきは、DO の助けを借りるときは、前項の BE 動詞の場合と異なり、語順が変わっていないという点です。

DO + You like tennis.

が基本になっているのです。あとはこれに疑問符を付ければ完成ですから、簡単と言えば簡単です。

いずれにしろ、このように、一般動詞が使われているセンテンスを疑問文に買えようという場合は、前項で説明した16種の助動詞のどれにも該当しないということで、助動詞 DO の助けを借りる必要があります。

★ まとめ

まず質問したい内容に即して使うべき動詞がBE動詞か一般動詞かを考え、前者だったら、語順を入れ替え、後者だったら、語順は変えずに先頭にDOを入れます。

こうして、普通のセンテンスの場合、必ず主語から始まるのに対して、いきなりBE動詞か DO で始まることになり、そのおかげで、相手も「ああ、質問が来るな、しかも Yes/Noで答えてくれという質問なんだ」とわかるしくみになっているのです。

日本語の場合、最後の「か」が登場するまで質問かどうかわかりにくいわけですから、最初から疑問文であることを合図してくれる英語というのは、これはこれで便利なことです。




dancer

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