HOME英語ニュース・ビジネス英語
 
 


日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2006年5月16日

All of you ♫ のはなし: 「all of 何とか」と「all 何とか」の使いわけ

ジャズのスタンダードナンバーに All of you というのがあります。1950年代にコール・ポーターが作った曲で、エラ・フィッツジェラルドが歌って広まり、その後すっかり定着したナンバーですが、I love the looks of you, the lure of you...と alliteration (cool, calm, collected のように隣接する単語の中で同種の音を繰り返すパターン)を使ったフレーズで始まり、for I love all of you で終わる、そんな曲です(ここでの for は because という意味の for です)。

(All of you ってどんな曲だっけと思われた方は、はこちらで視聴できます。ディスク1の12番です。)

実は、この all of you の all は結構、英語を勉強している人を悩ませます。と言うのは、all が修飾する相手が代名詞なら上の all of you のように、必ず of とセットで使うと決まっている反面、相手が代名詞ではなく名詞の場合は、その名詞に定冠詞などの限定詞が付いているか否かで扱いが違って来るからです。特に一定の場合、アメリカ英語だと「 all of 何とか」なのに、他では、of 抜きの、 「all 何とか」なので、そのあたりの事情を知らないとますます混乱が深まりもします。きょうは、そういった「all of 何とか」と「all 何とか」の使いわけがどうなっているかのはなしです。

★ 限定詞ナシの名詞とのセットでは ALL OF は不可

限定詞の付かない名詞とセットで使う場合は、all には of を付けないのが普通ですから、「従業員は全員、会社としての目標を知っておくべきだ」と言いたいとして、ここでの employee は、抽象的な全従業員であり、those employee というふうに絞り込まれた特定の従業員ではありませんから、冠詞ナシの複数形での employees で表すことになります。となると、英語で言う場合は、of を入れずに、
 All employees need to know the company's goals.
となります。
 All of the employees need to know the company's goals.
は変な英語です。

★ 限定詞ありの名詞とのセットでは、ALL、ALL OF のいずれも可。

他面、同じように all プラス名詞であっても、上の例のように、限定詞の付かない名詞とのセットではなく、限定詞の付いている名詞とのセットの場合は、"all of+名詞" を使うか、"all +名詞" を使うかは、任意で、しかもアメリカ英語の場合は、all of +名詞の方が一般的です。

例えば「居合わせた従業員のすべてが提案に賛成した」と言いたいような場合、そこでの従業員は「そこに居合わせた」という絞りのかかっている特定の従業員ですから、the employees となり、アメリカ英語では、普通、こうなります。
 All of the employees there were in favor of the proposal.
そして、これ以外にも、of を外して、
 All the employees there were in favor of the proposal.
という言い方をすることもできます。

この点、Michael Swan の Practical English Usage, New Edition (Oxford University Press) は、the 何とか、my 何とか、this 何とかというふうに限定詞付きの名詞との関係では、all 何とかでもいいし、all of 何とかでもいいとした上で、
 She's eaten all the cake. または
 All my friends like riding.
に対して、
 She's eaten all of the cake.または
 All of my friends like riding.
という言い方は一般にアメリカ英語流の言い方だとしています。

ここまでのところをまとめると、こうなります。第一に、all を代名詞とセットで使うときは、必ず、of を加えて、all of という形で使います。したがって、
 NOT I love all you BUT I love all of you
ということになります。第二に、all を限定詞ナシの名詞とセットで使うときは、
 NOT All of employees need to know the company's goals. BUT All employees need to know the company's goals.
となります。第三に、all を限定詞アリの名詞とセットで使うときは、
 All of the employees there were in favor of the proposal.
でもいいし、
 All the employees there were in favor of the proposal.
でもいいけれど、アメリカ式は前者の All of the employees 方式だということになります。

★ 限定詞アリの名詞とのセットなのに、ALL しか使えない場合

ところで、the employees のように、限定詞と名詞とのセットとの関係では、all of the employee でもいいし、all the employees でもいいと説明しましたが、これにはちょっとした例外があります。

例えば、all the milk、all the morning、あるいはall the way などは、いずれも all を限定詞プラス名詞のセットと組み合わせたものですが、Frederick T. Wood 他 Current English Usage (Macmillan) によると、そこで表されているものが金額、量的な概念(一つ、二つと数えられない不可算の量)、時間、それと距離を表している場合は、all of を使わないのが普通だと言っています。

言われてみれば、たしかに、一般に、all を限定詞プラス名詞とのセットと組み合わせる場合は、all でもいいし、all of でもいいとされてはいますが、
 I've spent all my money.(有り金を使い果たした)
に見られるとおり、my money という限定詞プラス名詞のセットが数量を表しているときは、all of my money とは言いません。
 My mother spent all her life teaching French.(母は生涯を通じてフランス語を教えていた)
の場合も、her life という限定詞プラス名詞のセットが時間を表している関係で、all of her life と言うよりは、all her life のほうが普通です。これは、all day, all night, all week, all year なども同じです。ただ、リンカーンの有名な、You can not fool all the people all of the time. などは、all the time ではリズムが崩れてしまうわけで、何が何でも all the time にしなければならないというものでもなさそうです。飽くまでも、all the time とするのが一般だという程度の話ではないでしょうか。また、距離で言えば、
 Follow this road all the way down to the beach.(海岸に出るまでこの道をまっすぐ進んでください)
でも、やはり the way という限定詞プラス名詞のセットは距離を表しているからという理屈で、all of the way ではなく、all the way が普通とされます。

★ まとめ

第一に、I love all of you. のように、all を代名詞とセットで使うときは、必ず、of を加えて、all of という形で使います。第二に、All employees need to know the company's goals. に見られるとおり、all を限定詞ナシの名詞(ここではむき出しの employees)とセットで使うときは、all of は使いません。「 all 何とか」のパターンによるということです。第三に、all を限定詞アリの名詞とセットで使うときは、「all of 何とか」と 「all 何とか」のいずれも使えます。All of the employees there were in favor of the proposal. でもいいし、All the employees there were in favor of the proposal. でもかまいません。これが原則です。しかし、この第三のケースについては例外があって、all the milk、all the morning、あるいは all the way のように、限定詞プラス名詞のセットが、数量、時間、距離を表しているときは、「all of 何とか」は使われず、「all何とか」のパターンになります。


kurofuku_a

この記事、いかがでしたか?このリンクをクリックしてくださると、人気ブログランキングに一票入ります。毎日集計しなおされますので、きょうも新たな一票をお願いします。どうぞよろしくお願いします。人気blogランキングへ


Trackbacks

Trackback URL: 

Comments

前から気になっていて、辞書の説明は読んだのですが、あまり理解できないでいましたので、非常に参考になりました。
 ただ、第3のパターンの例外に all the milk が含まれていますが、これが「数量、時間、距離を表している」と言えるなら、どんな(不加算)名詞でもいいように感じます。もう一言補足いただけないでしょうか。
 因みに、「ジーニアス英和辞典 第3版」(小西友七・南出康世・大修館書店)の説明では:
 「第一」原理は同じ(人称代名詞にはof必要)。
 「第二」「第三」原理に関しては、「非限定」の「複数名詞」は「ofナシ」で、その他は、「米ではofが好まれる」(単数名詞。all (of) the way との例示。)、「ofは選択的」(限定詞付き複数名詞・不加算名詞)と、どちらでも可、というものでした・・・。

[返信]

>第3のパターンの例外に all the milk が含まれていますが、これが「数量、時間、距離を表している」と言えるなら、どんな(不加算)名詞でもいいように感じます。もう一言補足いただけないでしょうか。

Current English Usage は、名詞または形容詞を伴っている名詞との関係では all がどちらかと言えば普通だが、All his children are now grown up. All of his children are now grown up. のように、number が語られているときは、all of も使えるとした上で、"but it should not be used for amount, quantity, distance, length of time, etc: all the milk, all the morning, all the way--not all of. としています。こうして見ると、「数量、時間、距離を表している」のくだりは、「金額、量的な概念(一つ、二つと数えられない不可算の量)、時間、それと距離を表している」と直した方が正確な感じがします。本文、訂正しておきます。ありがとうございます。

なお、money は monies とも言えますし、「すべて不可算は all 何とか」なのだとは言えないと思います。

こういったものは傾向の問題であり、例えば、リンカーンの、You can not fool all the people all of the time. などは all the time にしてしまったら、リズムが崩れてしまうわけで、一般的には all the time と言うかも知れないけれど、場合によっては、all of the time が使われたりもします。

しばらく英語の学習から離れていたので、ふらっと立ち寄らせていただきましたら、思いがけず読み応えある記事にあたりカンゲキしております。
all の使い方一つでも、例文をたくさん見ていくと面白いですね。それから、英語の学習しなおしとはいえ、文法的なことももう一度頭で整理しなければ、と思った次第です。
すみません、単なる感想になってしまいましたが、引き続き楽しみにしておりますので、よろしくお願いします!

[返信]

単なる感想でも大歓迎です。ましてや、読み応えがあるとまでおっしゃってくださり、よかったことだと喜んでおります。これからも喜んでいただける記事を書くよう努めますので、ご期待ください。

コメントフォーム
Remember personal info?