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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2006年9月17日

SUCH AS のあとは名詞?動名詞(ING形)?

ある勉強熱心な方から、はっとさせられる、なかなかおもしろい質問を受けたのでご紹介します。(YKさん、ブログネタのご提供、ありがとうございます)

まずはその質問から。

A such as B と言う場合、Bには名詞が来るケースが、殆どの辞書で記載されているのですが、WEBで検索すると動名詞を使っている用例があります。私は、such as doing という表現に、何かしら違和感を持ってしまうのです。それは、今まで参考書や辞書で、こういった形に出会わなかったせいかもしれません。

弟が言うには、「名詞の方がベターだと思うけれど。」という意見でしたが、「実際に、動名詞を使ったりするのだろうか。ならばなぜ、今までの数冊の辞書に動名詞での用例が載っていなかったのだろう・・。」と思ったりもします。

日向様のブログでのsuch asの記述の箇所も、やはり動名詞の形ではありませんでした。ある大学の入試問題の英作文で模範解答として動名詞が使ってあり、納得いきませんでした。

要するに「 such as 何とか」という形で、例えば、「遅刻などの場合は」と例示したい場合は、...such as late arrivals とすべきであり、 such as arriving late という動名詞で受ける格好がどうもしっくり来ないということです。

私も、一瞬、そりゃそうだと思いました。しかし、次の瞬間、drunk driving (酒酔い運転)や reckless driving(無謀運転、危険運転)などは、ING形でない名詞形がない以上、名詞として使う場合は、この形で行くほかないよなと思い至りました。どうも、これは何か使い分けのルールがありそうです。

そこで手元の文法書に当たったところ、ありました、ありました。

Oxford University Press から出ている、大御所、Michael Swan の Practical English Usage です。今、本屋さんに出ている版の一つ前の New Edition 版になりますが、項目番号の 292 -ing forms used like nouns (1) subject, object or complement のところで、こう説明しています。

When there is a noun which has a similar meaning to an -ing form, the noun is usually preferred. (動名詞として使われるものと同種の名詞がある場合は、名詞を使う方が好まれる)

そして、例として、こういうものを挙げています。

We're all excited about his arrival. (NOT...about his arriving)
われわれは彼が来るというのでワクワクしている。

そこで、ちょっとこの枠組みを使って、実際の用例をチェックするため、Googleで、"such as arriving late" というフレーズを使って検索してみました。すると、こんなテキストにぶつかります。内容は授業に出席する学生に対する注意事項です。(出所はワシントン大学のサイトですから、英語の質としては問題がないかと思います)

As a courtesy to the instructor and other students, please turn off your cellphone during class and avoid other disruptions, such as arriving late, eating noisily, snoring, etc. (先生や他の学生に対して失礼とならないよう、授業時間中は携帯の電源を切り、かつ、遅刻、音がたつような飲食、いびきなどはご遠慮ねがいます)

後段の such as 以下の部分を見ると、ここでは、arriving, eating, snoring とすべて 動名詞で受けており、上の Swan の説明に反するかのようでもあります。しかし、結論として、これはおかしくないというのが私の理解です。

なるほど、arriving late に関しては、late arrival という名詞形があります。しかし、eating noisily については、「noisy 何とか」に当たる名詞形が最初からありません。同じく、snoring も語尾が ING で終わる動名詞形以外に名詞として使えるものがありません。

そこで、三つの要素のうち二つも動名詞形で処理するしかない以上、late arrival という本来優先して使うべき名詞形があっても arriving late という形によることになるのだと解されます。これは、前置詞句を使うなら全部をそれで通せ、あるいは、動名詞で行くなら、全部を動名詞にしろという、Parallelism として知られている構文上の大原則が働くからです(詳しくは 「おそろい」が好きな英文ライティングの世界をご覧ください)。

以上をまとめると、such as と来た場合、名詞形と動名詞形(=ING形)という選択肢があるなら、名詞形を使うことが原則だけれど、例外が二つあります:(1) 動名詞形以外に名詞形が用意されてない場合は当然それによるほかないし、(2) arrival のように動名詞形以外の名詞形が用意されているものがあっても、一緒に使うものが 動名詞形しかないとなったら、今度は、parallelism という別の要請が働いて、動名詞形を並べるということになるのです。





Palm_and_coconut.gif


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Comments

英英辞典の定義文のなかにsuch as doingを使った例を発見しました。出典はLongman Dictionary of Contemporary Englishの最新版です。

'bluelaw'が次のように定義さています。

a law used in the past in the US to control activities that were considered immoral, such as drinking alcohol and working on Sundays


[返信]

問題意識を持ってらっしゃると、こういう「ほう」みたいな経験ができて楽しいですよね。この例は、本文の枠組みから考えると、alcohol drinkage といった、取って変わるべき 「非動名詞」形がないので、こうなっているのではないでしょうか。

パラレリズムと言うよりも、動きのニュアンスを入れたいから全てing型になっているのではないでしょうか?。この当たりは文法よりもの感覚でing型を使うかどうかなのでは。

[返信]

そういうことであれば、名詞的性格の強いING形よりは動詞に近く、したがって動きがより強く感じられるTO不定詞形を使って動きのニュアンスを強調するのではないでしょうか。

日向先生、ありがとうございました。手元にある辞書や参考書を全て調べても、動名詞を使う場合についての説明は見当たらず、ずっと悩んでいたのですが、ご丁寧に解説して頂き、やっと理解できました。こんなふうに教えて下さる先生がおられることに感謝しています。

[返信]

どういたしまして。

YKさんのような方、本文で紹介した Swan 本、ぴったりです。一度のぞいてみてください。最近、新版も出ていますが、一つ前の版を訳したものもあるはずです。ただ、こういうものは、生のままがいいに決まっていますから、英語版をお勧めします。

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