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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2007年2月14日

ConfirmとVerifyとはどう違うのか

先日、Reikoさんという方からのコメントで、verify および confirm ならびに ensure の使いわけにつき、このような質問が寄せられましたので、一緒に考えてみたいと思います。

もし機会がありましたら、いつも私がひっかかり考え込んでしまう事をご教授いただけませんでしょうか?それは、「確認する」の使い分けです。(verify, ensure, confirm など)USの試験手順書にverifyとensureが出てきておりどちらも同じ意味で使っているのか、それとも違いがあるのかが分かりません。また英英辞書を引いて、confirmは裏づけするものがあって確認をとるというイメージに感じるのですが、

「登録番号を正しく入力したか確認しましたか?」などのように単純に目視で自分が入力したものを再確認したかどうかというときにもconfirmは使えるのでしょうか?

これを読んで感覚的に思ったのは、たしかに日本語だと confirm も verify も「確認する」という訳になってしまい、区別をつけにくいなあということです。実際、www.excite.co.jpにある オンライン英日翻訳ソフトに、verify と入れると「確かめる」という訳が出、次いで、confirm と入れると、「確認する」という訳が返ってきます。

しかし、普通、confirm は「既に成立しているものにつき、駄目押しで再確認する、あるいは事実に相違ないと認める」ニュアンスがあるのに対して、verify は「事実として確定されていないものにつき、それが成立しているかを検分して確定する」というニュアンスで使われていると思います。一方、ensure は、make sure that 何々、つまり、「何かであること、または、何かとなるよう、確実を期する」というニュアンスであり、事実の存否の問題ではない点、ちょっと前二者とは趣きが違うなということです。

そこで、まずは、 confirm と verify の相違点を見てから、最後に ensure の使い方を見て行きます。

こういった場合、予め問題意識がある限り、辞書が示す語義がおおいにヒントとなります。例えば、最近、ひどく気に入って使っている『ロングマン英和辞典』(注)で confirm を引くと、語義の1は、「(証拠、調査などが)…を実証する、裏づける」であるとした上、例文として、Research has confirmed that the risk is higher for women. を挙げています。上で述べた「既に一応成立している事実を裏づける」というニュアンスを見て取れます。

[注記 この辞典がいいのは、第一に、いかにも英語の先生という感じの作文的訳文が多い類書と異なり、きちんとした通りのいい日本語が使われていること、そして第二に、書き言葉で使われることが多いのか、話し言葉で使われることが多いのか、また、いずれかだとして、その出現頻度(例えば頻出最上位2000単語内)はどうかまで示されていることです。第二点のおかげで、英和辞典なのに、書く時に頼りになるというメリットがあります。例えば、Sales fell significantly? substantially? と迷った際、この辞典を引けば、いずれについてもW3と表示されており、書き言葉の最頻出単語3000語内ということでは互角だから、どちらを使っても通りがいいと安心できます]

次に verify を引くと、ここでの語義の1は、「(事実など)を正しいかどうか確認する」としており、Could you verify that our names are on the list? が例として挙がっています。ここでも、よくよく見ると、「ある事実が成立しているか否か自体、まだわかっていないがゆえに、それを確認する」ことなのだとわかります。

このように、辞書の語義をじっくり読むと、confirm が「既に成立しているものにつき、駄目押しで再確認する」ニュアンスを持っているのに対して、verify が「事実として確定されていないものにつき、それを検分して成立していることを確認する」というニュアンスのものであることがわかります。英語で言えば、前者が provide support for correctness であるのに対して、後者は establish correctness ということです。

つまり、Reiko さんご自身、「confirmは裏づけするものがあって確認をとるというイメージに感じる」とおっしゃっている点はまさにそのとおりだと言えます。

そして、「登録番号を正しく入力したか確認しましたか?」などのように単純に、入力したもの自分の目で確かめましたかと促すときにも confirm は使えるのかという点も、provide support for correctness という本来のニュアンスに照らし、答えはイエスとなります。

実際、オンラインショッピングの場合、注文を確定する最終段階では、以下のような表示をよく見ます。

Please confirm the information you provided before submitting payment.(送金指図をする前に入力した情報をご確認ください)

When ready, click on the button labeled “Proceed to Checkout” and follow the instructions provided. You will be asked to provide shipping and billing information. Finally you will be asked to confirm the information you provided. (これで良ければ「チェックアウトへ」というボタンをクリックし、指示に従ってください。発送先と請求先についての情報を入力するよう求められます。最後に、入力した情報が正しいかの確認が求められます)

こういったものにつき、例えば、Please verify the information you provided. ではナンセンスです。そのニュアンスから考えると、verify は相手が出してきたものにつき行うことであって、自分が提供した情報について言うことではないからです。

このあたりを Webster's New Dictionary of Synonyms を引いて、もう一歩踏み込んで調べておくと、こうです。まず Confirm は、usually implies the resolving of all doubts typically by an authoritative statement or by indisputable facts ですから、上で見たように、自分の入力した事項につき本人みずから間違いないと確認するといったことは、まさに、ここで言う confirm という行為に該当します。

次に、この辞典は、Verify につき、「提示されている説明ないし記述につき、これを事実等と突き合わせる」ことが本来の意味であり、これにより他の同義語と区別されるとした上で、In more general use, "verify" implies a deliberate effort to establish the accuracy or truth of something usually by comparison と説いています。と言うことは、verify とconfirm を隔てるキーワードは資料を使っての比較対照を通じた検証行為です。とすれば、金融機関の窓口で行われている運転免許証を使っての本人確認などは、ここで言う verify という行為であり、confirm とは言いにくいという言える反面、入力した情報をみずから間違いないと確認するような行為は verify とは言いにくい、いや、そう言ってはおかしいという結論になります。

一方、ensure は、『ロングマン英和辞典』では、「(安全・成功など)を確保[保証]する、確実にする」とあり、また同意語に make sure のあることが示されています。ですから、上の confirm や verify などの世界とはまるで違うことがわかります。

ちなみにこの ensure は、契約書を初めとする法律文書でよく使われる他、通常のビジネス文書などでも好んで使われる感じがありますが、自分では、これまで、「 何々につき確実を期する」という格好で訳すと割と座りがいい訳になるという経験をしています。

以上をまとめると、confirm と verify の違いは、前者がすでにひとまず事実と認められているものにつき間違いないと(主として本人が)確認することであるのに対して、verify は、果たして事実かを相手または第三者が確認することだと言えます。考えてみれば、冷戦末期の核査察など verification と形容されていますし、マネーロンダリング防止のための本人確認についても、verify the ID という言い方はしても、confirm the ID とはまず言いません。一方、ensure という動詞は、「念のため」という意味あいがある限度では confirm や verify と重なる部分があるかも知れませんが、基本的には「確認する」という行為とは関係がなく、「確実を期する」というニュアンスで使われるということです。



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Comments

日向先生、ありがとうございます。

いろいろな辞書や文章にあたって自分で考えなさいと一刀両断されてもしかるべきこの疑問に対し、こんなにも丁寧に解説してくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。
最高のバレンタインプレゼントです!(まったくそういったおつもりでないとは分かっておりますが、勝手にそう思わせておいてやってください。)

早速、会社で、試験手順書やWEBなどで使えそうだからとひろってコピーだめしていたフレーズ集をひろげてみました。
なるほど!今度はその使い分けがクリアに理解できました。私がとりためておいたWEBのフレーズはパスワード変更等自分の情報を書き換えるものに関するものが多かったのでconfirmばかりですし、試験手順書ではverifyばかりが使われています。なぜそうなのか、Verify~ときたかと思えばEnsure~と始まるその理由も今なら分かります。

今回の件に限らず、日向先生のすばらしいところは、結果だけでなくその回答を導き出す過程も教えてくださるところだと思います。随所にオススメの書籍や使えるホームページの情報(なぜそれがいいのかという根拠まで)、どうやって検証しているのかということまでちりばめてくださるので、とても勉強になります。
先般のロシア語のyou tubeを活用されているという話にしても、そういう使い方もあるのか!いろいろな事に応用できそうだと思って読んでおりました。

恥ずかしながら自分で調べた事といえばoxford advance lerners dictionaryでこの3つの意味を見比べたくらいで、しかも、「いまいちその違いわからない・・・」と立ち往生していたのです。ensureとverifyは同じ言葉の重複をさけるためじゃないか?confirmは裏づけが必要なら目視だけのときはつかっちゃいけないのかな?など勝手な解釈まで飛び出してくる始末。

先生は、ブログの中で観察力や洞察力が大切と言う事をよくおっしゃっているかと存じますが、問題意識を持つと言う事がいかに大切か、このverify, confirm, ensureの件で改めて実感しました。

一読者の小さな疑問に貴重なお時間を費やしていただき本当にありがとうございました。これからも、日向先生のブログでいろいろ勉強させてください。よろしくお願いします。

[返信]

お役に立てたようで、何よりです。ご自分でもいろいろ資料を貯められている様子、きっとクリティカルマスに達するのも時間の問題でしょう。ご健闘を祈ります。

ちょっと古いのですが、2005年12月5日の記事について質問します。
 以下で、trial (事実審理)が「原告側代理人による冒頭陳述で始まる」とあり、また最後に「被告代理人が冒頭陳述を行ってから事実審理が始まる」とあり、これではどの時点でtrial(事実審理)が始まるのかわからないのですが。
****
13 事実審理は、原告側代理人による冒頭陳述で始まる。この冒頭陳述は、原告側から見た事実関係がどういうものであり、どのようにこれを証明しようとしているのか、また事件に対する法律の適用を原告がどうあるべきだとしているかにつき、そのあらましを陪審員のために説明するものである。この後、被告代理人が冒頭陳述を行ってから、事実審理が始まる。A trial opens with an opening statement by the plaintiff's counsel. The opening statement outlines for the jury what the plaintiff's version of facts are, how these facts will be proved and how the plaintiff think the law applies to the case. Then the defendant's counsel gives an open statement, after which the trial begins.

[返信]

ご指摘ありがとうございます。一読了解となるよう、以下のように変えました。

事実審理の幕開きは、原告代理人による冒頭陳述だ。この冒頭陳述は、原告側から見た事実関係がどういうものであり、どのようにこれを証明しようとしているのか、また事件に対して法律がどう適用されるべきかにつき、そのあらましを陪審員のために説明するものである。この後、被告代理人が冒頭陳述を行い、事実審理が進められて行く。A trial opens with an opening statement by the plaintiff's counsel. The opening statement outlines for the jury what the plaintiff's version of facts are, how these facts will be proved and how the plaintiff think the law applies to the case. Then the defendant's counsel gives an open statement, after which the trial proceeds.

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