2008年4月 8日
改訂版:小数二位で四捨五入と言うための英語(日常会話レベルの英語43)
「けんてーごっこ」の問題中、Q4の正解が decimal places なのに、decimal digits になっていました。お詫びして訂正します。またQ6の問題文が「5よりも大きいのは」とあり、その答えが 5 or more となっていましたが、5 or more は5も入る「5以上」ということですから、聞き方が間違っていました。これもお詫びして訂正します。あちらのコメント欄でのご質問等に答えるしくみがないので、「小数問題」を正面から取り上げる補足の記事を書いて罪滅ぼしとさせてください。(回答が必要な場合は、是非ブログのコメント欄をご利用ください)
★ 小数第二位で四捨五入という言い方
まず「四捨五入」という言い方は rounding と形容され、5以上を切り上げるのが round up で、4以下を切り捨てるのが round down です。ただし、The average daily closing price shall be calculated to two decimal places and rounded down to one decimal place.(平均終値−−終値は引け値とも言い、株式などの相場商品のある取引日における最終価格のこと−−は小数第二位まで求めて四捨五入するものとする)のように、単なる四捨五入を指して round down という言い方をしているケースもあります。
この四捨五入をあっさり言うなら、Round up if the number is 5 or more; round down if the number is less than 5. ということです。ここでの一つのポイントは less than は「未満」ということであり、基準値を含まないということであり、したがってここでは「4以下」という意味になります。
こうした四捨五入がらみの言い方に関して、日本語と英語の言い方がまぎらわしいのが「小数○で四捨五入」という言い方です。というのも、「小数第二位で四捨五入」と "round to the second decimal place" とは一見似ているのに、言っていることは違うからです。
日本語で 12.345 につき、「小数第二位(以下)で四捨五入」となれば、第二位にある4を基準に四捨五入して、答えは 12.3 です。一方、英語で "rounded at the second decimal place" は「四捨五入して小数第二位までの概数で表示してある」という意味ですから、12.345 について言えば、12.35 です。つまり rounded at the 何とか decimal place とあったら、その何とかの位まで求めるということであり、at the third decimal place とあれば、小数点以下が三桁の数字として表示されることになります。
さらにややこしいことに、英語で rounded at the second decimal place と、rounded to two decimal places は同じことです。12.345 が 12.35 になることを意味します。たとえば、これはネットで拾ってきた一文ですが、
79.950950950950, that number shall be rounded at the sixth decimal place to become 79.950951
という言い方に見られるとおり、"rounded at the 何とか decimal place" は、最終的にその「何とか」に対応するケタ数が小数点の右に来ます。ここでは sixth ですから、小数点の右にならぶ桁数はご覧のとおり、6です。また、
The average daily closing price shall be calculated to two decimal places and rounded to one decimal place.
という言い方に見られるとおり、"round to 何とか decimal place " という言い方をする場合、そこでの何とかに対応する数が小数点の右に並ぶケタ数を示しており、ここでは one と言っていますから、3.1 といった数字になります。
ところで、アメリカの小学生向け教科書で英語を勉強しましょうという趣旨のサイトに、こういう記述があり、あれっと思いました。
この問題では、小数点第2位で四捨五入して下さい。
For this question, round off to two decimal places.
英語の訳のつもりなのでしょうが、和訳に従えば、12.345 は 12.3 になるものが、英語だと 12.35 になってしまいます。到達点を示す前置詞 to を使っていますから、"round" の結果到達するところが two decimal places と言うなら、最終的な数は小数点の右に二桁の数字が並ぶという格好のものになるのです。
★ おおげさな言い方
会計関係の文書だとか、法律文書、例えば、債券などの発行要項などを見ると、けっこう小数点がどうのという表現が出てきますが、おもしろいのは、英語の場合はそうも重々しい言い方にならないのに対して、日本語の場合は、いかにも正式の文書っぽい言い方になっていることです。
例えば、「平均価格について1円未満の価格の端数がある場合は小数点第二位以下を切り捨て、小数点第一位で表示するものとします」とでも言えばいいのに、実際には「円位未満小数点第二位まで計算し、その小数点第二位を切り捨てて平均価格を決定すべきものとする」などとやっています。この「「円位未満」という言葉にはどうもなじめません。それはともかく、この重々しい日本語の方を訳せと言われたら、こんなふうにやることでしょう。
In calculating the average price, any fraction of a yen shall be calculated to the second decimal place and cut off thereat.
この場合、小数第二位で四捨五入するなら、こう書けます。
The average price shall be computed to the second decimal of a yen, which shall be rounded.
単語数でかせぐなら、こうでしょう。
The average price shall be calculated to two decimal places and then rounded off to one decimal place.
もちろん、ややこしい言い方ができるのは日本語だけというはずもなく、英語でも契約書ですと、契約書に出てくる計算に際してはすべて小数第三位まで求めよと言っているだけなのに、以下のようにえらくもったいをつけた言い方をしたりします。
Unless indicated otherwise, all mathematical calculations contemplated hereby shall be made to the third decimal place.(別段の定めのない限り、本契約書上の算術計算においては、すべて小数第三位まで求めるものとする)
一時は朝から晩までこういう不思議な言い回しとつきあう法律翻訳の世界に身を置いていたのですが、今更ながらよくこんなのやっていたよなあと妙な感心をしてしまいます。
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Comments
先ほど書き込みをしたのですが、間違いがあることに気がつきました。
(誤) 10が0~10個、0.1が0~10個
(正) 10が0~9個、0.1が0~9個
すみません。(恥ずかしい…)
- Fida
- 2008年4月10日 02:11
はじめまして。
Q7 「10の位の言い方は?」で、正解が the tenth place となっていますが、技術翻訳の仕事では、これまでtens を使っていました。tenth の方がやはり正しいのでしょうか。
勝手な理解なのですが、10の位は、10(ten)が0~10個あるという意味で tens 、小数第二位は0.1(tenth)が0~10個あるという意味で tenths というように覚えていました。
また、以下のような記述をしている辞書もありました。ランダムハウスは私の意見の裏付けとはならないかもしれませんが、一応書きます。
・オンラインのMerriam-Webster 「tens place」
the place two to the left of the decimal point in a number expressed in the Arabic system of writing numbers
・ランダムハウス第2版 「tens digit」
10の位の数字
・ランダムハウス第2版 「the tenth's place」
小数第一位
長くなってしまってすみません。
[返信]
ありがとうございます。自分自身、tenths place と教えられていたので、tens place というものがあること自体、大発見でした。それで調べてみたら、ここに解答がありました。
http://www.louisianapass.org/NewtClassroom/Dictionary.htm
- Fida
- 2008年4月10日 01:42
>5より大きい
この日本語表現にいつも頭をひねっています。
5は入るのか、入らないのか―― 入らないような
気がしたり、しなかったり。
「5以上」というと、「5は入る」とはっきりわかるのですが。
数学の記号でいうと、
5より大きい数Nは 5<N
5以上の数Nは 5≦N
ではないかと思うのですが・・
[返信]
思うんですが、「Xと同じか、より大きい」という言い方があるぐらいですから、一般的に、「Xより大きい」という場合、基準であるXは入らないのではないでしょうか。と、こう書いて、「けんてー」のQ6の話であることに気がつきました。これはおかしいですよね。「5以上」と言うのはどれかというふうに問題を訂正しました。ありがとうございます。
- Mari
- 2008年4月 9日 19:58
いつも、役に立つ情報をありがとうございます。
ところで、6つ目の問題は、「5よりも大きければ」とありますが、これは、6より大きければ、という意味だと思います。
"1より大きい more" でgoogle検索すると、別の解釈が出てくると思います。
[返信]
ありがとうございます。5よりもおおきいに相当する英語の選択肢を並べているうちに自爆してしまったようです。お詫びして訂正します。
- Sweet Beat
- 2008年4月 9日 11:24
すみません。先ほど投稿したものです。
先生が間違えているものだと、勘違いしていました。問題提起だったのですね。申し訳ありません。
[返信]
大丈夫です。どうぞ気になさらないでください。
- Shinohara
- 2008年4月 8日 10:18
>この問題では、小数点第2位で四捨五入して下さい。
理系の人間からすると、いらいらする日本語です。これでは、少数第2位を四捨五入して、小数第1位までの概数を求める、と捉えるのが普通で下の英文と一致しません。
For this question, round off to two decimal places.
の正確な日本語表現は
この問題では、四捨五入によって小数第2位までの概数を求めなさい。
です。
[返信]
おっしゃるとおりです。おそらくはアメリカの小学校の教科書の英語に和訳をつけたつもりなのでしょうが、なんだかわけのわからないことになっています。なお、この項、今書き換えています。
- Shinohara
- 2008年4月 8日 09:53

上のコメントで間違い?とお尋ねしたモノです。
どんなコメントが返ってくるかと、コワゴワのぞいたのですが、
(NHKラジオへの率直な意見とか見てるし~)
なんだか、かわいいコメントで、一層、ファンになりました。
ず~っと前に、職務分掌の英語を教えてもらって、(ラジオ講師をされていたとき)メールのお返事をいただいたことがあります!
[返信]
Sweet Beat さん、はじめまして。わざわざご「正体」を明らかにしてくださり、恐縮です。どうぞ今後ともこのブログをよろしくお願いします。