2008年10月14日
(2)英会話用モジュール
今回も、思いつくままに、「そう言えば、会話のときに、こういうセリフよく聞くな」というものを7つばかりご紹介します。
「使える英語」ないし「英語でコミュニケーションができる」レベルを目指している方には、ただ「へー、そうか」と眺めて終わりにせず、「自分だったら、このフレーズ、こんな感じで組み込んで使うな」と、断片的でもいいから会話例を組み立て、いっぺん頭の中でリハーサルをする方法をおすすめします。同じインプットでも頭の中でリハーサルするほうが効果があがることが実証研究からも裏づけられており、効率的です。
▶ I don't know what to say.
I don't know what to say. Uh, let me put it this way. I like Gorgonzola but I consider putting honey on it to be taking matters too far. 何と言っていいものやら。うーん、こういうことなんですよ。ゴルゴンゾーラは好きなんですが、あれにハチミツをつけるとなると、ちょっとやりすぎなんじゃないかと感じるんです。
これは、Let me see. のバリエーションですから、けっこう使いやすいのではないでしょうか。これの変形に当たりますが、いろいろな話があって、どこから手をつけてわからないようなときは、よくこういう言い方をします。いずれも「何からお話ししていいものやら」という意味です。
I don't know where to start.
I don't know where to begin.
▶ Have you heard about...
Have you heard about the financial bailout? 金融支援の話、聞いていますか(ご存じですか)?
時事問題など、次々と新たな話が持ち上がるような話題を振る時の決まり文句です。ですから、
Have you heard about the tainted rice problem? 汚染米の話、聞いていますか(ご存じですか)?
というふうに時事問題を話題にしようというときはもとより、
Have you heard about the management reshuffle? 役員人事の話、聞いていますか?
という風に、社内の動きについても使うことができます。
一方、上のような形で切り出された方は、だいたい次のような形で、「聞いた話だけれどね」とか「何々らしいよ」というニュアンスをにじませたりするものです。
People say/Everybody says there were under-the-table deals involving the sale of non-edible rice. 非食用米の販売に関して何か不正があったというのがもっぱらのうわさだね。
これは、いきなり There were...で始めると収まりが悪いので、I think that をつけるのと同じ理屈です。いきなり本文をどんと出さないという英会話独自の作法と言えるのかも知れません。
これのバリエーションには tell me を加えた以下のようなパターンがあります。
People tell me/ Everybody tells me there were under-the-table deals involving the sale of non-edible rice.
そういえば、「うわさでは」「何々という話だね」という主体の定かでない言い回しとしては、こういった場合、Word has it that... というのもよく聞きます。おわかりのように、ここでの Word has it は People say と実質的には同じです。ですから、上の例文は、こう言い換えることができます。
Word has it that there were under-the-table deals involving the sale of non-edible rice.
▶ What we can do is...
What we can do at this point is simply wait and see. この段階で出来ることと言えば、ただただ様子を見ることでしょう。
どちらかと言うと、消極的に「せいぜいやれるとしても」というニュアンスが伴うフレーズです。もっと「消極性」を強めて、「やれるとしても、これぐらいしかない」というニュアンスを出すなら、All we can do を使って、こう言えます。
All we can do at this point is simply wait and see.
上の What we can do が「一つ何かやれるとすれば」という感じなのに対して、All we can do だと、選択肢が一つしかないという感じになります。
▶ You mean to say...
You mean to say this claim is unsubstantiated but I understand there are a lot of scientific research out there that say... この効能には根拠がないとおっしゃりたいんですね。でも、私の承知しているところでは、科学的な研究がいろいろあって・・・
相手の言ったことを受けて、「つまり、こう言いたいんですよね」という感じで使うモジュールです。やわらげるには、以下のように疑問形にして、
You mean to say this claim is unsubstantiated?
Do you mean to say this claim is unsubstantiated?
その上で、Well, as far as I know... と続けることができます。
▶ Going back to...
So, going back to where I started, "Why didn't the government refuse to purchase contaminated rice in the first place?" それで最初の話に戻りますけどね、一体どうして政府は汚染米の買付けを最初から断らなかったんでしょう。
これは話がちょっと横道にそれてしまったときに、前の話題に戻りたいときによく使うセリフで、たとえば、「それで、さきほどおっしゃっていた、もっと輸入食品に対する規制を強化すべきだという点ですが、私に言わせるなら」と振りたいなら、こうなります。
Now, going back to your point that we should tighten restrictions on imported food, my view is that...
▶ I remember that [journey, restaurant] ...
I remember that restaurant, that restaurant where everything was smeared with olive oil. あのレストラン、おぼえているかな。何にでもオリーブ油がかけてある、あのお店。
不思議なもので、Do you remember that restaurant? と言えばよさそうなものですが、なぜか、会話の世界では、平叙文である I remember that restaurant. という形で相手に問いかけたりします。
もちろん、この言い方は共通した体験があり、「例の」と言えば、相手もすぐに「ああ、あれね」と思い出せるたぐいの話題を持ち出すときに、限られます。
自分からは使うことはないと思いますが、似た言い方に、I'll always remember the time I...というのがあります。私個人の感覚かも知れませんが、年寄りが「あそこはよかった、忘れられないねえ」と長い思い出話をするときによく使う感じがあります。おしゃべりな年寄りの「話術」というのはけっこうパターンがあり、I'll always remember the time I... が始まると、「やれやれ、昔話か」と感じ、次いで、Then there was the time we...(そうそう、それとね、こういうこともあったっけ)が出てくると、「こりゃいかん、延々と続くな。逃げなきゃ」と思ったりするものです。
このようにこちらが黙って聞いているといくらでもしゃべり続けるタイプの人がこういう場合に「まぶす」モジュールを思い出すと、以下のものが多い感じです。
By the way, did I tell you about...? ところで、何々のこと、お話ししましたっけ?
I must tell you about... これは是非聞いてもらいたいんですけどね。
You'll never guess what happened there. いや、そこでの出来事は、普通じゃちょっと想像がつかないでしょうけどね。実は・・・
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Comments
hi Hinata-san,
How's the weather in Tokyo?
Here in Paris the weather is great.
By the way, let me tell you something...
French is too difficult! Moreover Polish is more difficult than French!!!
I would be so happy if I could speak only English.
However when it comes to Polish, I had lived in Poland for 5 years besides I don't speak Polish properly and I'm not planning to do this so it's just fun to speak Polish. But the biggest problem now is French. Unfortunately I must use French in an academic field so I have to be nearly perfect in French. I don't know how much time it takes but in fact I'm lazy so what I can do at this point is simply wait and see what is going on:) I'm tired with speaking French so I enjoy your blog learning English more than ever as an alternative way of study:)
[返信]
Hello, Brenda-san!
From what you tell me, I see you're not someone who learn languages through textbooks. For someone like you, I believe the choice would be Pimsleur's French II, and III. You simply keep on listening. No textbook.
They're pretty expensive but they sure do work. Chinese I worked for me and I've ordered its sequel. Spanish I, II and III worked perfectly for an artist friend of mine, who started from scratch and is now working in Spain.
Best of luck with your French studies.
KH
- Brenda
- 2008年10月16日 05:59
日向さん、おはようございます。
ゴルゴンゾーラ、頻出ですね。 お好きですか?(笑)
私が夫に対して頻繁に使う表現を思い出しました。
"Do you want to...?"です。
"Isn't it hot? Do you want to open the windows?"のように使い、疑問文ではなく命令文です(笑)。 まるで「あなたも暑いよねー、窓開けたいでしょー?」と窓を開けることが本人の意思であるかのような錯覚を起こせます(と少なくても私は思っている)。
あと これの変形として、
"Did you want some milk?"
のように過去形にすることによって「ミルク欲しいんじゃなかったっけ? (買ってきたら?)」のようにもできます。
ネイティブは現在のことでも過去形にすることによって意味をやわらげることが多いですね。 このへんは「xxと思ってたんだけど?(←本当は今も思ってる)」とする日本語と発想は同じだと思います。
[返信]
こんにちは。ゴルゴンゾーラの頻出、気づきませんでした他、はい、好きです。それだけに、今様というのか、当たり前のようにハチミツはと聞かれると、それだけで興ざめします。あるときにイタリーで始まった流行なのか、昔からそうなのかといつも疑問に思っています。
It's hot in here. は、なぜか言語の機能を論じる本が好んで取り上げる例で、ご指摘のとおり、字面だけで言えば「部屋の温度に対する感想を述べる平叙文」なのに、実質はリクエストを読み込む例とされています。電話を切るときのI've got to go. と似ていますね。
過去形を使って和らげるのはそのとおりで、いいお店の店員は、Were you looking for something? と聞くのが定番になっていますよね。
- la dolce vita
- 2008年10月14日 11:01

はじめまして。
いつも記事を参考にさせていただいております。
先生の特にビジネス英語は教育者としては日本で一番質が高いのではないかと思います(特に金融系)。英語だけでなく金融の時事問題の勉強にもなり、大変ありがたく拝見しております。
さて、この記事に関連して、質問があります。
私はよく日本語で「聞いたんだけど」とか「言ってたんだけど」という枕をつけます。聞いたというのは、たいてい「ニュースで聞いた」とか「テレビで言ってた」とか「ネットで読んだ」とか、そういう意味です。
これを英語に直したい場合、つまりこれから話すことがメディアからの伝播情報であるというような意味を簡単に言いたい場合、どう表現したら良いのでしょうか。
I have heard that (Tesuya Komuro was arrested)でしょうか。
非常に初心者な質問で恐縮です。
よろしければ教えてください。
[返信]
そういう場合、よく使うのは、
Have you heard the news?
です。媒体がどれでも使えます。
新聞報道を話題にするなら、
Have you seen the paper?
で、動詞は see、そして新聞を意味する paper は単数形が普通です。
こういうセリフを受けて、相手は No, what? と応じるのが普通ですから、そこで、Komuro Tetsuya has been arrested for fraud. と続けます。
最初から内容を盛り込むときは、hear を使って、
Did you hear that Komuro Tetsuya has been arrested?
か、さきほどの例を応用して、
Have you heard the news about Komuro Tetsuya?
という言い方が一番ポピュラーです。