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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2008年11月29日

Mm, Yeah, Uh-huh

表題のMm, Yeah, Uh-huh は、会話をしているときに、聞き手に回っている方が話し手に対して「ちゃんと聞いています、どうぞ続けてください」と伝えるために最もよく使われるディスコース・マーカー(会話の当事者による合いの手、相づち)で、"I'm listening to you." という合図を送るものです。端的に言えば、略式の Yes (casual Yes) です。相方が適宜、こういう合図を送ってくれることで、話し手もいわば安心して話を続けることができ、その意味で英会話を成り立たせるための必須のツールであり、コミュニケーションを担う "good interactive listener" であろうとする以上、その使い方は必ず身につけておく必要があります。

これが欠けていると、こうなります。

A: Bla, bla, bla
B: ...
A: Bla, bla, bla
B: ...
A: Bla, bla, bla
B: ...

これでは会話になりません。

また、一本調子でいつも同じ合図というのも、「この人、人の話を聞いてないな」という印象を受けるに決まっています。

A: Bla, bla, bla
B: Yeah.
A: Bla, bla, bla
B: Yeah.
A: Bla, bla, bla
B: Yeah.

ですから、Leech らの A Communicative Grammar of English でも、この種のツールはネイティブスピーカーがよく使うものである以上、it is therefore important for the foreign learner to be familiar with them and be able to use them quickly, and appropriately, in different situations. (外国語として英語を学ぶ者は、こうした語句を理解し、様々な状況において素早く、かつ、その状況に見合った形式で使えるようになる必要がある)と言っています。

しかし、「素早く、かつ、その状況に見合った形式で使えるように」なりなさいと言われても、この種のツールの使い方がまとめてある本などいまだになく、また、辞典によっては、こういった discourse marker を見出し語として取り上げていないものもあるぐらいです。

そこで、一つの試みとして、今回、会話の聞き手にまわっている方が一番よく使う、mm, yeah, そして uh-huh を研究してみようと思い立ちました。

まず、正体をつかみにくい、discourse marker を項目として取り上げている数少ない辞書の一つ、「ロングマン英和辞典」でmm, uh-huh, yeah の意味をたしかめてみると、こうなっています。

mm (1)相づちで「うん」「ええ」などを意味する(2)同意を表して「うん」「ああ」などを意味する

uh-huh (賛意を示して、または先を促して)うんうん、ああ、そう(そう)

yeah うん、はい、ああ

どうでしょう、これだけでは、さっぱり使い分けがわからないと思います。そこで、それぞれのニュアンスの違いを調べるため Longman Grammar of Spoken and Written English を引くと、この中では yeah が会話における yes の代用品として一番広く使われ、次に uh-huh がよく使われ、一番存在感の薄いのが mm だと位置づけています。

事実、mm はこれら三つを通じてのデフォルトと言える一方、独自の存在感が薄いためか、たいていは、

Mm, yeah, I see what you mean.

のように、何か他と抱き合わせて使うほうが多い感じです。また、それだけでは、積極的なyes という感じが弱いので、誰かに

Did you read my note? (メモ、読んでくれた)

と聞かれたら、

Yeah か Uh-huh と答えるのが普通で、Mm とは普通言いません。Mm 単体では、単に相手の言っていることを「受け止めたよ」という程度のことしか相手に伝えられないからだと考えます。

同様に、いわゆる集合写真を友だちに見せているおりに、「これが君かい」という意味で、

Is that you in the picture?

と聞かれた場合も、やはり Yeah か Uh-huh です。

となると次に、Yeah と Uh-huh はどう違うんだとなりますが、私の理解では、Uh-huh は I see. (なるほど、わかった)という意味までカバーする点で、Yeah とちょっと趣きが違うかなと思います。例えば、

First you press this button and then insert the disk. Got it? (まずこのボタンを押してからディスクを入れます。わかります?)

と何かの手順を説明された場合、

Yeah と応じる人もいるでしょうが、「なるほど」というニュアンスを込めて、Uh-huh. と言う人の方が多いのではないでしょうか。というのも、Yeah がどこまでも casual Yes なのに、Uh-huh はそれプラス、I see 的要素があるために、そちらに傾くのだと解されます。

まとめると、Yeah, Uh-huh, Mm のいずれも、"I'm listening to you." という意味合いがあることでは共通しており、要するに "casual Yes" だけれど、より積極的に Yes の色合いをにじませたいときは Yeah か Uh-huh を使い、さらに I see. の代わりに使いたいのであれば、Uh-huh を用いるというのが私の理解です。

なお、こういう合いの手ないし相づちは、実は、英語よりも、日本語の場合に一段と多く使われます。この点、Nigel Wardという研究者は、英語の場合、「かなりよく使う」(fairly common) とすれば、日本語の場合は「非常によく使う」(very common) と形容しているぐらいです。このことから、英語ができる人は往々にして、英会話に際して必要以上に合いの手を繰り出す傾向があります。しかし、それは日本語流の英語なわけで、やはり英語独特の間合いを見きわめた上で、必要なものを必要なときに使うようにしないと、英語でのコミュニケーションを妨げることになるのではないでしょうか。

英語には英語の呼吸があり、話し手と聞き手との間での阿吽の呼吸の節目で打っていくのが、Mm, Uh-huh, そして Yeah なのだと言えます。



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Comments

私のまわりの帰国子女だと、 "Oh, really" という言い方を会話の合間(とくに、あいてが新たな情報をだしたとき)に使うことが多いです。ただ、自分で真似するかどうか、迷っています。

というのも、映画やテレビを見ていると、下げ調子で "Oh really" というときって、これからケンカが始まる! みたいな険悪なときによくあるような気がしているからです。日向先生のご意見はいかがでしょうか。

[返信]

Oh, really? は、It was the best "toro" I've ever had. などといった相手の発言に対して、「へー、そんなによかったの?」といったニュアンスを伝える合図ですが、Oh, is that right? のバリエーションですから、まねして問題はありません。

ただ、おっしゃるとおりで、語尾を下げると「ホントカヨ」的な皮肉めいた、いやな感じになります。

英語の場合、一般に語尾を上げると、断定を避ける気持ちを表し、下げると言い切る格好になることをおさえておくといいのではないでしょうか。

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