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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2008年11月19日

金利スワップ、通貨スワップの世界

けさの朝日新聞が一面で駒沢大学が「金利スワップ」と「通貨スワップ」で154億円の運用損を出し、グラウンドなどを担保に銀行から融資を受ける羽目に陥っていると報じています。

この「金利スワップ」と「通貨スワップ」、自分でも理解するまでに時間のかかった金融商品で、読者の中にも同じような方がいらっしゃるでしょうから、昔作ったメモ(今は金融英語の教材の一部として使っています)をご紹介します。

外資系銀行が客向けに、スワップはこういうものですよ、御社も一つやってみませんか誘うために作る資料をアレンジしたものなので、デリバティブの解説書よりはやさしいのではないでしょうか。

★ 金利スワップとは

台湾での事業の資金を手当するため、御社が、100万ドルを期間3年、LIBOR(変動金利の指標)プラス2%という条件で借り入れるとします。3ヶ月ごとの借り換えなので、LIBORが予算を組んであるレートを上回るかも知れないというリスクが生ずる。そこで、御社はスワップを使って支払金利の確定を図ることになります。

カウンターパーティーから提示されたスワップレート(固定金利)は5%で、その代わりに変動金利の支払を引き受けるという内容の契約を締結します。この場合、スワップがまかなうのは御社の借入コストの変動金利相当分だけであり、それに上乗せして支払う部分は入りません。いずれにしろ、この契約が締結されると、期間中の金利変動がどのようなものになろうと、借入金のため7%の固定金利(カウンターパーティーへの固定金利5%プラス、銀行に払うLIBORへの上乗せ分2%)を払い続けることになります。

一つ注意すべきなのは、スワップの元本額は一方から他方に移動しないことで、だからこそ「想定」元本と称されことです。

こういった取引の流れを図解するとこんな感じになります。

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スワッップの決済は、ネットベース(差引決済)で行われます。上記の例で、3ヶ月物LIBORが借り換え時点で5%を上回っているなら、カウンターパーティーがその開きに相当する分を払います。逆に3ヶ月物LIBORが借り換え時点でスワップレートを下回っているなら、御社がカウンターパーティーに対して差額を支払います。こうすることで、御社は借入金利を7%(つまり約定のスワップレート5%に2%のマージンを加えたもの)で維持できることになります。

★ 通貨スワップとは

通貨スワップの場合、A通貨建の融資が別種のB通貨建の融資と交換されます。例えば、デラウェア法人であるUSA Inc.が日本にある子会社のための資金を手当するため、総額100億円、期間5年という融資を受けたいとします。一方、(株)ジャパンが、ドル建てで1億ドル借りて米子会社を資金面で支援したいとします。

現行の為替レートは1ドル100円です。この場合、両社とも、自国では他よりも有利な金利での貸付を受けられる立場にあり、USA Inc.は、ドル建融資なら6%、円建融資なら3.5%というレートの提示を受けています。一方、(株)ジャパンは、ドル建融資なら6.5%で、円建融資なら3%ということでした)。

そこで、ブローカーの仲介で、各自、自国通貨で、期間を5年とする融資を受けた上で、1ドル100円というレートで、固定金利建ての通貨スワップを行うことにします。

いわゆるスキーム(取引の流れ/構図)を図解するとこんな感じです。

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具体的な手順はこうなります。

(1)取引の第1年時点で、USA Inc.は、年利6%で1億ドル借り、これを(年利3%でそれを借りた)(株)ジャパンから、100億円と交換します。

(2)取引の第1年から第5年にかけて、USA Inc.は、スワップ契約にしたがって(株)ジャパンから600万ドル受け取るつど、それで自社の借入金の利息600万ドルを支払い、 同時に(株)ジャパンに対しても3億円(100億円の3%)払渡す。同じように、(株)ジャパンの方も、USA Inc.から3億円を受け取るつど、それで自社の3億円の利払いをまかない、同時に600万ドルをUSA Inc.に払い渡す。

(3)取引期間の最終年に、両社は1億ドルの元本と100億円の元本を再び交換して、もともとの融資の返済をする。


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