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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2009年3月23日

ダルマの目入れは左目から

もう4年も前の記事になりますが、何でも右が上位となる英語の世界というものを書きました。その中で、日本語における「右」優位を取り上げ、こんなことを書きました。

一方、中国経由で「右が上座で、左が下座」的発想も入ってきています。『現代漢語例解辞典』(小学館)には「右」の意味の解説の中に、「(中国の古代また近代の軍隊で、列位の基準を右方にとったことから)上位にある。すぐれている」という記述があります。他面、同じ辞典で「左」の項をのぞくと、「(古代中国で右の方を尊んだことから)うとんずる。位を下げる」という解説に続いて、「左遷」が例として出ています。

要するに日本語の世界では、一般に右の方が「偉い」ということです。

ところが、今朝の朝日新聞(3月23日)に、実は日本では「左」優位なのだという趣旨の記事があり、「へー」と思うと共に、上の記事を思い出し、「要するに日本語の世界では、一般に右の方が「偉い」ということです」というくだりは、「昔は左が上だったけれど、現代日本語の世界では一般に右が上位」という感じで補足しないといけないんだろうなと感じました。

話はダルマさんの目を入れるとき、どちらから入れるべきなのかで始まります。結論は、向かって右の目、つまりダルマさん本人にとっての左目からということでした。その理由が昔は左の方が上位だからというもので、それに関連して、古代の天皇の臣下たちの席順が出てきます。なんでも、南向きに座る天皇を基点に、太陽が昇る東の方が、つまり、天皇から見て左側の席が右側より上位とされたことと関係があるようで、そこから、右大臣より左大臣が、右京より左京の方が上だという話も引き合いに出されています。

ただ、これはたまたま、中国文化を真似し、取り込んだおり、その時代の中国が左を上位に置いていたという偶然も働いているようです。というのも、本家本元の中国も、「左遷」という言い方に見られるとおり、時代によって「右」を上位と考える時代もあるからです。ややこしいことです。

ちなみに、手許にある Dictionary of Symbolism には、ちゃんと right and left という項目があり、なぜ右が一般に上位とされるのかにつき、氷河期の時代から人は右利きが多いこと、武器を持ち、積極的に動かすのが右手であることなどが関係しているのだろうという見方を示した上、宴会での上席が昔からホストの右側であることを初め、次のようにキリスト教関係では何でも右が大事とされている点を指摘しています。上の記事のコメント欄で favourite さんもおっしゃっているとおり、最後の審判の場では、全能の神の右側に「善人」が集められることになっていますし、この他、キリストは神の右側に座ることになっており、さらに、ゴルゴダの丘でキリストがはりつけにされたときも、右側にいるのは悔い改めて方のどろぼうです。


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