2009年3月11日
Well の研究
Well は、海外ドラマや映画を見ていてわかるとおり、実によく出てきますが、よくよく見ると、意外と細やかに使い分けられています。今回はその Well に焦点を当ててみました。なお、Oh は話し手も聞き手も使いますが、Well はどちらかと言うと、話し手がイニシアティブを取って使うツールなので、もっぱらそういう視点でまとめてあります。
間合いを取る Well
Well, what do you think?
Well, I think it’s unfair to brand him as incompetent.
Well, I think we should wait for a better offer.
MEMO 質問するときの「で、どうなの」とか、何か言い出すときの、「そうだなあ」に相当する、間合いを取るためのツールです。これを強めて言うときは、しばしば then を組み合わせて、「そういうことならさ」という感じで、Well then, walk into your boss’s office, speak your mind and hand in your resignation.というふうに使われます。
「では、よろしいですか」と言う Well
Well, shall we get started?
MEMO ここでの Well は口火を切るために使われており、「それでは」という感じの合図になっています。
「まっ」「いや、待ってくださいよ」と軌道修正する Well
Money is not a priority. Well, at least not for me.
I have two children, well, three if you count my husband.
MEMO 何か言ったところで思い直して、自分の方から軌道修正を図るときに、この Well を使います。
「ま、正確なところ」「ま、わたしが思うには」と水を差す Well
A: So, you’re a medical doctor. B: Well, I finish my training in two years’ time.
A: Seems train service is suspended in both directions...on the entire line. B: It’ll take a couple of hours to get back to normal. A: Well, I’d say a couple of days.
A: What, she flunked all her courses? B: Well, yeah, I think, um, she didn’t fail in all her courses.
A: The world financial crisis seems to be over. B: Well, I don’t know really.
MEMO 相手の期待とは異なることを言う場合の前置きです。相手の言ったことをそのまま受入れない点で、Ohと異なっており、いわば軌道修正のためのツールとして使われています。
「なんと言うのか」と迷いを示す Well
So, seems they got married. B: Well, not exactly. They’re just living together.
He didn’t say that he was defecting to our competitor. B: Well, no one’s perfect.
MEMO 特に「ええ、まあ」「何と言ったらいいのやら」と自信がなかったり、「どうなんだろうな」と疑問があるときに、よく使うツールです。
場面を切り換える Well
A: This is the Smith residence. B: Hello...this is Robert Roe speaking. I'm a friend of Mr. Smith. Who is this? A: This is the maid. A: Oh...Well, when do you expect him in?
Seems everyone is okay with this. Well, let’s move on to the next question.
MEMO このWellは、話題を切り換えるツールとして使われています。最初の例文では「あなたは一体誰?」「わたしはメードです」という、ひとまとまりのやりとりが終わったところで、帰宅時間という別件に移行するために使われています。また二つ目の例文では、ミーティングの中で一区切りつけるために使われています。
「続編」を繰り出す Well
Well, where were we?
Remember that record-breaking sales figure? Well, turns out it’s just a calculation error.
MEMO 横道にそれたあと、話を本題に戻そうとしたり、何かを切り出してから、その「続編」を持ち出すときの決まり文句です。
「おしまいにする」ためのWell
A: Anyway, let’s keep in touch. B: Well, I’d better be going now.
A: Thanks John, I really appreciate it. B: It’s really nothing. I'm just happy to help. A: Well, I'll let you get back to work. See you.
Well, that’s all for now. See you all tomorrow morning.
MEMO この場合のWellは、「もう、おしまいです」と会話の終わりを告げるツールとして使われています。
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Comments
解説ありがとうございます。概ね理解できまして、大変助かりました。
一つだけ消化不良なのはourやhisといった所有格で限定されている語に更に形容詞句・節をかけることは可能だということで(上のour meeting scheduled for...のように)、
"We thank you for all 'your' help (that) you have given us."はなぜ間違いとなるのか、という点です。
なぜ上でscheduled for...が第五文型のmakeの補語かもしれないという推論に至った経緯にも、とある文法書で
"He got his bag stolen."は(当然)「彼は盗まれたバッグを手に入れた」、つまりhis bagを修飾する形容詞句ではなく、第五文型getの補語である(彼はバッグを盗まれた)、その根拠として名詞の後ろに修飾語が来てるとの説明があったからです。
従って、one's X+Vp.p.(あるいはVing)という構文は、Xと修飾語が「直接的に結びつかない」という理解を私はしまして、次いで日向先生の"We thank you for all 'your' help...は「間違いである」という説明を見ることにより、our meeting scheduled (Vp.p.) ...も名詞meetingを直接的に修飾するものではない、従ってmake X Vp.p.の構文から考えてscheduled以下はmakeの補語ではないかと考えたからです。
つまり端的に言いますと、所有格で限定された名詞は「もうこれ以上修飾語はかけられない」という理解に基づき、素直にmeeting scheduled...とVp.p.を修飾語と解するのは、ひょっとしたら大きな解釈ミスなのかもしれない、気がついた今のうちに質問してみよう、という流れでございました。
懇切丁寧に解説を受けた後になお疑問点を感じてしまい恐縮です。
[返信]
Thank you for all your help. と言うのに、Thank you for all the help you have given us. のように、you have given us という形で限定されている場合は、Thank you for all your help given us. とは言わない、ということを念頭に、じゃあ、どうして、I'm afraid I can't make our meeting scheduled for May 19. というご質問かと思います。
理屈から言えば、言葉は多数派の勝ちという側面もあるわけで、特にビジネス英語は教科書的なルールをあまり気にしないところがあります。また、the meeting scheduled for という言い方より、our meeting scheduled for という言い方の方がパーソナルで、the meeting という無機質で、硬い言い方より感じがいいという要素もありそうです。加えて、理屈として考えても、help + that you have given us は 様々ありうる help の中でも「あのhelp」と限定されていると言えるのに、5月19日の会議というのは一つのカテゴリーでしかないとも言えます。
しかし、何より大事だと思うのは、英語を話す人はさまざまな言い方を chunkまたはlexical bundleとして記憶しており、そのカタマリのまま使うのであり、この感覚で言うと、文法的にどうのはさておき、人それぞれ、thank you for all YOUR help that で済ます人もいれば、thank you for all THE help that で行く人もいるということでしょう。
自分自身では、文法的に変だとされていることは知っていても、結局は多数派に流されています。ですから、It's I. などとは言わず、It's me. と言う方に属します。もちろん、言葉を勉強する上で、文法から考えていくアプローチも大事ですが、それと同じぐらい、実際にどう使われているかを知り、それに従うというアプローチも重視すべきだと考えます。
なお、"thank you for all the help that you" と "thank you for all your help that you" を検索してヒット数を確認し、さらに、site:eduでしぼると傾向がわかっておもしろいと思います。次に、"to reschedule our monthly meeting" と "to reschedule the monthly meeting" をそれぞれ検索すると別の傾向が出てきます。"to reschedule our * meeting" と "to reschedule the * meeting" で検索すると補強証拠が得られます。
- 匿名
- 2009年3月14日 04:22
『即戦力』に出てきたWELLの使い方のさらに詳しい解説で勉強になります。
実際、これまであまり意識したことが少なかっただけに、こういった間投詞の理解で随分と海外ドラマなどもわかりやすくなるなと実感したことがあります。
ところで『即戦力』の英文でご質問が二点あるのですが、お伺いしても宜しいでしょうか?
一つ目は69ページ、アポイントの取り方のレッスンのMoreに出てくる"I'm stuck solid in a traffic jam."の"solid"という単語の使い方についてです。
辞書を見ると「形容詞」ということで、例えば"She's been crying for a solid hour."、あるいは"for an hour solid"といった後置修飾可な形容詞とのことで、おそらく文脈上、"stuck solid"は「車が全然動かないくらいの渋滞」という意味なのだと思いますが、この英文においては形容詞の形容する「名詞」が見当たらず、むしろ副詞なのではないかな?と感覚的には感じます。
それとも形容詞が二つ並ぶ("stuck," "solid")特殊な用法が英語にはあるのでしょうか。
まず、このsolidの品詞的な機能と、それの有る無しで意味全体がどう変わってくるのかについて、疑問がありましたので聞いてみたく思いました。
二点目は同じ69ページのMoreについて、"I'm afraid I can't make our meeting scheduled for May 19."という文がございますが、この"scheduled for~"という句はour meetingを修飾しているものなのか、それとも所謂「第5文型」というやつでour meetingとscheduled~の間に主語と述語の関係のあるものなのか、という質問になります。
以前に確か"We thank you for all 'your' help you have given us."は間違いで、
正しくは"...for all 'the' help...."であるという説明がブログであったと思いますが、おそらくそれと同じ理解で行けば"our meeting"とourで限定されたmeetingに更に後ろから"scheduled for~"という句を重ねて修飾することはできないということではないかと思いますが、その理解で正しいでしょうか?
所有格に関しては細かいですがちょっとした折に使い方で悩むことがあります。
例えば「学生時代」の話をしたいときに、
What do you think was your major achievement in (your?/the?/それとも冠詞なし?) school days?等、けっこう使い方に悩みます。
長くなってしまいましたがコメントを頂けましたら幸いです。
[返信]
お尋ねの stuck は、形容詞で、しかも通常、名詞の頭には付かないタイプに属します。ロングマン英英のアメリカ英語版にはnot before nounと明示されています。be動詞の右側に来て、主格補語となるタイプと言えます。
どの名詞に対応しているのかと言えば、主語の I であり、I = stuck という関係を見いだせます。
次に solid は どのように stuck なのかという How? に答える副詞です。
I'm afraid I can't make our meeting scheduled for May 19. での scheduled for は、our meeting (that is) scheduled for ということで、名詞 meeting を修飾している形容詞句です。
What do you think was your major achievement in (your?/the?/それとも冠詞なし?) school days? の場合、一般には、"one's school days" がよく使われるのであり、こういうったものは、理屈というより、一つの chunk/lexical bundle という形でおぼえてしまった方がいいと考えます。 stuck solid もそうですし、meeting scheduled for もやはりチャンクと解されます。
丁寧に「即戦力がつくビジネス英会話」を読んでくださっているようで、うれしいことです。ありがとうございます。
- 匿名
- 2009年3月13日 00:36

お答え頂きありがとうございます。正に質問の意図をよく汲み取って下さった回答でした。
一般的にはhis bag+stolen(彼はバッグを盗まれた)やhis+stolen bag(彼の盗まれたバッグ)といった形容詞(過去分詞)の位置における意味上の違いが感じられても、その限りではないということですね。
今後ともスキルアップ・イングリッシュや即戦力などの自然な表現を学べるチャンネルを通じて、「チャンク」としてのインプットの質・量を高めていきたいと思います。
[返信]
場面ごとに文法にそくして単語を組み合わせているわけではなく、チャンクの在庫の中から使えるものをポンと出していることがわかってきていますので、チャンクを意識しながらのインプットとアウトプットの練習が役立つと思います。