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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2009年10月16日

解説映像付きのビジネス英語入門書

10月20日(火曜)に発売予定の本を紹介させてください。ビジネス英語の入門書で、付属のDVDに音声ファイルはもとより解説映像が入っています。

be208cover.jpg

「会社で使う英語 スキルアップゼミ」(桐原書店)を増補改訂し、日本経済新聞出版社から新たに『「ビジネス英語力」強化プログラム【初級編】』というタイトルで出させていただきます。およそ 13 時間分の講義映像が入っているDVD付きで、2,205円です。

帯の部分が読みにくいかと思いますが、こういったことが書いてあります。

「なぜ、こういう表現をするのか?」
読者の Why にこたえる画期的な基本テキスト!
本文の解説を理解し、練習問題でチェック。DVDの講義映像で復習し、通勤・
通学中に音声データで丸暗記。ビジネス英会話・文書の定型パターンをQ&Aで
基礎の基礎から積み上げ、徹底的に頭に叩き込む究極のビジネス英語学習書!

内容は、

電話対応や交渉、プレゼンなど典型的なビジネスシーンを6分類、実際の現場で頻繁に使われるビジネス英語208例を厳選。これさえ覚えれば、とりあえずコミュニケーションが取れる必須表現を目と耳で徹底学習する本

です。これは版元の日本経済新聞出版さんが考えてくれたコピーですが、まさにそのとおりです。どういう言い回しが取り上げられているかは、こちらの「ビジネス英語表現集」をご覧ください。

今回の日経版が前身である桐原版と違うのは、第一に、テキストを全部読み直して書き足したこと(加筆分は原稿段階で50ページほどで、本自体のページ数は322です)、第二に、練習問題が桐原版では別冊形式だったのを改め、各章末に問題を配したこと、第三に、そしてこれが最大のウリですが、4分弱で各パターンの勘どころを解説しているDVDが付いていることです(PC用のDVDではありますが、マックでも、OSX以降でFlip4Macというプラグインをダウンロードして入れれば、見られるようです。但し保証の限りではないわけで、大々的にマックもOKと言えないのがちょっと残念)

付属DVDに入っている映像のサンプルはこんな感じです。

(音声ファイルはこの映像が入っているDVDから簡単に抜き出せるようになっています)

「初級編」と銘打っているのは、来年、同じく6分野に整理してある形を維持しつつ、ケンブリッジ英検のビジネス英語版である BULATS に焦点を合わせた「中上級編」を出すべく準備を進めているからです(こちらは長年、カナダでケンブリッジ英検の試験委員を務めてこられた方との共著になります)。

各項目の例文につき、冠詞の用法すなわち、どうしてそこの例文上は a なのか、the なのか、あるいは冠詞ナシなのかを繰り返し説明し、また、なぜ will ではなく、would なのかといった助動詞の用法についても同様に細かく説明していますので、この本を一冊、しっかり読めば、冠詞と助動詞の使い方についても自信がつくはずです。こういう事柄は50年経っても変わりませんから、一生ものの知識です。

ところで、なぜこんなにしつこく説明するのだろうと思われるかも知れませんが、実は Craik と Lockhart という心理学者たちが説くよう、言葉を記憶するには、この単語の「表記はこうだ」「発音するとこうなる」といった浅いレベルでの処理より、その意味内容を考えたり、既存の知識と関連づけるといった深いレベルでの処理をする方が効果的だと考えているからです。

Craik と Lockhart が打ち出した、記憶においては Level of Processing (情報の処理水準)がものを言うのだという説は、記憶保持に有効なのは、処理水準が深かったからと言うよりも、努力の量が多かったからだとか、より時間をかけた結果なのではないかという批判もあるわけですが、Craik と Tulving がこの Level of Processing という仮説を裏づけようと行った実験の結果には説得力があります。

この実験というのは被験者 60名に対して、60単語のリストを示した上、各単語について、3種類ある質問のいずれかに答えてもらいます。質問の一つは、「大文字で書かれていますか、小文字ですか」という形で見た目を問い、もう一つは「この単語は何々という単語と韻をふんでいますか」という形で音を問い、さらに三種類目の質問は「この単語は、このセンテンスで使うことができますか」と問うものでした。こうして、リスト上の単語につき、この三種類の質問のいずれかに答えていき、終わったところで、テストの対象であった60単語がまざっている 180単語のリストを被験者に渡し、さっきのリストに入っていた単語を抜き出してくださいと指示します。

結論はこうです。「この単語は、このセンテンスで使うことができますか」という形で質問され、したがって、その単語の意味内容に焦点を当てた単語を思い出した数の方が、見てくれだとか音だとかで取り上げた単語よりずっと多かったのです。

そうとすれば、同じフレーズ集を繰り返し勉強するとしても、単に何度もフレーズを目にすることで視覚に訴えたり、何度も音声を聴いて聴覚に訴えたりするよりも、解説を読み、あるいは DVD の解説を聞くことでフレーズの意味内容に踏み込んで理解していった方が記憶への定着を図れるはずであり、こういう発想に立ってまとめたのが、この『「ビジネス英語力」強化プログラム【初級編】』です。

そしてここで得た冠詞や助動詞の用法などは、どんな種類の英語であれ、初級レベルから上級レベルまで常に問われ続ける事柄ですから、土台部分として不可欠である一方、いっぺんわかってしまえば、部品レベルでは、いちいち考えなくても、きちんとした英語を使えるようになります。あとは、現場で使われる既製品的なフレーズの持ち駒を増やすことです。それが次の【中上級編】の役どころです。

追記

今回の本の前身(と言ってもほぼ同一)である「会社で使う英語 スキルアップゼミ」に対する評価をネットで調べてみました。遅まきながら、この場を借りて好意的評価をしてくださった方々にお礼申しあげます。

「勉強は年収アップのための手段なのか」さん

・・・結論から言うと、ことTOEIC対策としてなら、やっぱりウーゴとかの方が断然効きます(笑)
でもこちらの本は頻出例文が洗練されている上に、ここは何故 a なのか、theなのか、何故would なのか、couldなのか、といった部分の説明が徹底されているのが最大の特色です。冠詞の使い分けなどは本当に難しいし、それをここまで徹底して全編に渡って解説されている本は、私は他には見たことがありません。・・・ともかくビジネス英語の基礎固めとしては最高級の良書なのに、もう入手できないんですねえ。

「ちょっとブログ」さん

・・・実際に仕事で英語が必要な際にものすごく役立ってくれています。たまたま英語の電話をとってしまったときなど、半分パニックでとりついだあとで「あの表現は一体自分のどこから沸いてきたのでろう???」と思うとBe208だったということがしばしば。

驚いたことに、あの神崎先生がご自分の TOEIC Blitz Blogでお勧め本に挙げてくださっています。

Chapter 6 ビジネス英文ライティング」に載っている基本表現を
覚えると英語のビジネスメールが楽に書けるようになる。

また、この本の「Chapter 2 電話」はスピーキングテストの
電話での応答パートに役立つ。
その他、会社でよく使う英語の基本表現満載。
実用的かつTOEIC的な英語が学べる。

「meggy's journal」さん(たしか、この方、プロの翻訳者です)

仕事で使う英語をモノにしたい、と相談された時に、「この本でしょう!」と強く薦める本です・・・仕事で困らない「使える英語」の最短コース
とうたっていますが、嘘じゃないです。

すごいところ
1. 208を覚えれば、困らない
これは嘘ではありません。これさえしっていれば、なんとかなるレベルにもっていけます。

2. ニュアンスや使い方の説明がある
これが詳しくて良いんですよ、とっても。いくら、208個を覚えればいいと言われても、なんでその形になるのかとか、他の言い方でもいいんじゃない?と疑問が湧いてくると思うのです。それにきちんと答えてくれている・・・
例えば、May I ask how long you’ll be staying ? (ご滞在の予定はどれくらいですか?)
May I askをつける意味合いは何か?未来進行形を使うのはなぜか?といった説明が明確にされています。

*******

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Trackbacks

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Comments

有名な本としては、ピーターセンの『日本人の英語』がありますが、あれとの重なりはあるんですか?読者が、冠詞や助動詞の意味合いを感覚的に把握できるような解説になっているとか。

[返信]

冠詞であれば、特別のモノ・コトを指していることに加え、相手にもその認識 (hearer's knowledge) がある場合に初めて、その名詞が指すものは当事者にとり既知の事項になるというオーソドックスな理屈を個別事例にあてはめて、「だから、ここは定冠詞が要る」あるいは「要らない」といった説明をしています。助動詞についても、基本的には文法書にもあるような助動詞の使い分けによる距離感の創出=丁寧さの醸成ということを説明しています。

PC用のDVDですか。この種の教材は、できれば、iPhone用アプリとして出てくれると、とてもありがたいのですが・・・。

[返信]

同感です。関係者に技術的に可能なのか聞いてみましょう。

先生、こんにちは。
早速買ってきました。最初の5項目しか読んでいませんが、桐原版を一段とパワーアップした感じですね。ブログの冠詞検定で繰り返し取り上げられた可算名詞・不可算名詞の違いや、定冠詞・不定冠詞の用法上の注意点が1冊に整理してあるようなので、いままで先生にブログを通じてご教授頂いた内容を復習するのに最適なのかな、と勝手に結論付けています。読み進めるのが楽しみです。

[返信]

おひさしぶりです。早々に買っていただき,恐縮です。またせっせと加筆した部分を「パワーアップ」と評価してくださるのはうれしい限りです。kimura88 さんのような勉強熱心な方が何よりの励みです。本当にありがとうございます。頑張ります。(解説映像がkimura88さんのレベルの方には退屈だろうなとちょっと心配です。ま、おまけですから、ご容赦ください)

日向先生
アマゾンで予約していた先生の新しい御著書が、今日届きました。豊富なボリュームに、読みやすい字体とレイアウトですね。DVDの講義も早速拝見しました。先生の講義を一番前の席で聴いているような気分にさせてくれる、素晴らしいDVDです。

「理屈で覚える」ということは、何かを学ぶ上で大事なことですよね。そして「なぜ、こういう表現をするのか?」という疑問を持つことも大切です。まさに「読者のWhyにこたえる」形で解説を書かれているという構成が、学習者にとって非常に効果的だと思いました。

「はじめに」の「理屈で覚えることの意義」に書かれているように、「どういった状況でその言い方が使われるのか」については、私も常に意識している部分です。状況とセットで覚えているからこそ、その状況に適切なフレーズがパッと出てくるようになるんですよね。
「みんなが使っている言い方を覚えてしまう」と同時に、先生の詳細な解説で定型的表現の理解をより深め、応用力を高めることができるように、これからじっくり取り組みたいと思います。

[返信]

Rachさんのような最上級レベルの方が買ってくださるというのはひどく光栄なことです。ありがとうございます。自分ではアトラクションと位置づけていたDVDの解説映像を「講義を一番前の席で聴いているような気分にさせてくれる」と評価してくださり、ますます西の方には足を向けて寝られません。どうぞ今後ともよろしくお願いします。

日向先生、はじめまして。
いつもこちらのブログで勉強させていただいております者です。私も早速購入いたしました。解説が素晴らしくてウキウキしております。通常の英会話本ですと、単語や熟語や構文の解説ばかりで、なんだか機械的で、苦痛でたまらないのですが、先生の解説は全然違いますね。通常の英会話本なども執筆していただけたらと切望しております。これからも素晴らしい解説で英語のなんたるかをご教授下さい。宜しくお願いいたします。

[返信]

励ましてくださり、ありがとうございます。普通の英会話本も「考え中」です。話をきちんと組み立て、それを相手にもわかるように示して行く、「ディスコース・マネジメント」というスキルが世の中に知られていないようなので、それを取り上げたいと思っています。冬休みにじっくり構想を練るつもりです。

お疲れ様です。
初めてコメントします(たぶん)。
「仕事の英語 このメールはこう書く」のように英文をPCで扱えるようにはなりませんか?
用途としては日本文から英文を作成する練習シートを自作したいのです。
(「瞬間英作文」と名付けた著者がいらっしゃるのですが、同様の事をしたい)

前向きにご検討いただければ幸いです。
よろしくお願いします。

[返信]


http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2009/07/post_587.html

これの解答部分をコピーペーストすれば、とりあえずのものはそろうのではないでしょうか。

これで良ければ、続編を作って行きます。いかがでしょう。

気がつきませんでした!
返信有難うございました!

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