2009年10月18日
『ビジネス英語力強化プログラム』のサンプル
前回、紹介させていただいた、必修208パターンを理屈で覚える!「ビジネス英語力」強化プログラム【初級編】(DVD-ROM付き) につき、soudenjapanさんからコメント欄で「読者が、冠詞や助動詞の意味合いを感覚的に把握できるような解説になっている」のかというお尋ねがありました。
コメント欄で一応の回答はしたつもりですが、「意味合いを感覚的に把握できるような解説」かと言われて、「はい、感覚的に把握できます」と言っていいものか自分では判断がつきません。
そこで、冠詞の解説例と助動詞のそれをご紹介し、判断を読者の皆様に委ねます。(実物は二色刷りで、ここでの質問部分はオレンジ色です)
[冠詞の説明の例]
都心まで電車で行きますが,駅はこのビルの地階になります。 We'll get to downtown Tokyo by train. The train station is in the basement level of this building.
★ なぜby trainと冠詞がないのか?
交通手段と前置詞 by が組み合わさるときは、交通手段を表す名詞の前には冠詞を入れません。他に by + 冠詞ナシの交通手段としては以下のものがあります。
by air
by bike
by car
by rail
by road
by sea
by taxi
★ なぜthe train stationと the がつくのか?
既に by train のくだりで、電車の話が出てきたあとで train station が話の中に出てくれば、これから利用しようとしている train のための駅であることがわかります。言い換えれば、特定の駅を指しており、しかも話し手はもとより、聞き手も、どの駅の話かがわかっており、「特定のモノ・コトを指しており、相手もそうとわかっている」という定冠詞をつける条件がみたされているので、a train station ではなく、the train station になります。
★ なぜ the basement level には定冠詞がついているのか?
抽象的に basement level(地階)一般の話をしているというのではなく、今自分たちがいるビルの地下にあるという限定の付された具体的な駅のことであり、しかもどこの basement levelの話かを話し手も聞き手もわかっているからです。つまり「どの地階かがわかっており、しかもそのことにつき、話し手と聞き手双方に認識がある」という定冠詞をつけるための条件が満たされているので、a basement level ではなく、the basement level となります。
[助動詞の解説の例]A: ホテルまでお連れします。ここから1時間半ぐらいかかります。 We'll take you to your hotel. It takes about an hour and a half from here.
B: ありがとう。本社からのメッセージがホテルに届いていると思います。 Thank you. There must be some messages from the head office at the hotel.
★ なぜ There must be some messages...と must を使うのか?
There must be some messages from the head office at the hotel.
ここで BE 動詞についている助動詞 MUST は、話し手がBEつまり「存する、そこにある」という動詞につき、どの程度そうなる度合いが高いと見ているかを伝えています。
こうした確率の高低ないし公算の大小を表す助動詞を、確率100%から弱い方へと並べていくと、次のようになります。
WILL
MUST
SHOULD
CAN
MAY
COULD
MIGHT
一番強いのが WILL というのは、例えば、Gas will burn if ignited.(ガスは点火すれば燃える)に示されるとおり、100% そうなる場合に使われるからです。MUSTはそれの次に来ますから、「十中八九そうだ」「まずは間違いなくそうだ」というケースで使います。従って、There must be some messages from the head office.と言っている人は、間違いなく何点かメッセージが入っているに違いないと自信があることがわかります。
この例からわかるとおり、助動詞というのは本動詞が伝える意味あいに独特のニュアンスを付加するツールです。つまり、助動詞がなければ、
There are some messages from the head office.
となり、単に事実を報告する格好で「本社からのメッセージがホテルにある」という言い方になるのに対して、must を加えると、「間違いなくあるはずだ」というニュアンスに変わるのです。
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Comments
こちらは資料として使える本ですね。どちらかというと論理的、網羅的。
ピーターセンの本は資料としては使えません。日本人が必ず間違うからここだけは注意せよ、という用法のみがカバーされています。「感覚的に」とは、例えばピーターセンの場合だと、
名詞に冠詞をつける感覚はなくて、しいて言えば(冠詞が先に頭に浮かんで)冠詞に名詞をくっ付ける。
という意味合いの記述がありますが、そういう解説を念頭においてました。
[返信]
ご説明、ありがとうございます。冠詞と名詞の「感覚論」、わかったようなわからない説明ですが、要するに、抽象的な話をしようとしているのか、具体的な何かを念頭に置いているかによって冠詞の有無、さらには冠詞の種類が決まるということを言いたいのではないでしょうか。
- soudenjapan
- 2009年10月19日 08:35

わかったようでわからない、というのはその通りだと思います。たぶんあの本の著者も、売れた割には日本人の英語は20年前と何も変わってないと思っているでしょう。
アマゾンのランキングからすると、いまだに売れ続けていますから、人気があることは間違いありません。となると、同分野の解説書である『必修208パターン』にも潜在的に大きな需要があってしかるべきですが、あとは売り方でしょうか。購入者も重なるでしょうし。そういう意味で、違いと共通点をはっきりさせたかったわけです。日本人の英語の改善につながるといいですね。
[返信]
毎度のことながら,鋭いコメント、ありがとうございます。思うに、いくら英語でのコミュニケーションの勘どころを説いたとしても知識で終わらせてしまうケースがほとんどなので、知識を確実に使えるスキルへと転換できるよう、これからはこの本を素材にした公開テストと企業研修を手がけていきたいものだと考えています。