2009年12月31日
「風が強い」とはどういう状態か?
きょうの東京の天気は寒い上に午後から風が強いとのこと。英語で言えば、High winds are expected this afternoon. です。ここで、気になるのが、天気予報で使う「強い」という言い方。
日々、ウォーキングに出ることを心がけているので、風の強さは気になります。そこで、天気予報で言っている「強い風」がどういうものかを調べてみました。
いつも見ている朝日新聞のサイトの凡例では、秒速 9-12m の風を指して「強い風」だとしています。
となると、今度は、9-12mという秒速の風がどの程度なのかを知りたくなります。
そこで気象庁のHPに行き「風力階級」で検索すると、すぐ出て来ました。風力階級表が。(どうでもいいことですが、この表、「ビューフォート風力階級表」と表示されているものの、英語での発音は間違いなく「ボー(または「ボウ」)フォート」です)
この秒速 9 から 12m の風は風力階で言うと、風力5から風力6 (a wind force of 5 to 6) で、「どう強いか」については、こう説明されています。(イラストが入っていて、わかりやすい表です)。
風力5 葉のある灌木がゆれはじめる。池や沼の水面に波頭がたつ。
風力6 大枝が動く。電線が鳴る。傘はさしにくい。
すると今度は、原英文を知りたくなります。そこで、世界気象機関のサイトで英文の風力階級表を探し、確認すると、こうなっていました。
5: Small trees in leaf begin to sway, crested wavelets form on inland waters
6: Large branches in motion; whistling heard in telegraph wires; umbrellas used with difficulty
結論は、仮に雨だとすれば、傘がさしにくい、そんな強い風が吹くということです。マフラー、手袋のたぐいが必要ということでしょう。
ところで、上で出て来た crested wavelets が気になります。そこで、ウィキペディアにある Beaufort scaleを見に行くと、風力階級別の陸上の様子と海上のそれを並記してある便利な表がありました。
それによると、風力5と6の海上の様子は、こうです。(ウィキペディアの方に写真があるので、それをご覧になればイメージがつかめるかと思います)
5: Moderate waves of some length. Many white horses. Small amounts of spray.
6: Long waves begin to form. White foam crests are very frequent. Some airborne spray is present.
英語としては意味はわかるのですが、対応する日本語のボキャブラリーが不足しているので、これを和訳しろと言われたらお手上げです。そこで、海上気象情報関係のサイトを調べたら、ちゃんと熊本海上保安部が説明していました。それによると、上の風力5と6の場合の海上の描写はこうなります。
5:波頭がつらなりはっきりとしたうねりを作り、海面全体に白波が見える。しぶきもできはじめる。
6:やや大きな波の山が現れはじめ、砕けて白く泡立った波頭ができ、しぶきが飛ぶ。
いや、日本語のボキャブラリーがいいですよね。海に詳しくないとこうは行きません。やはり餅は餅屋です。
本年最後の記事、何だかとぼけた自然ものになってしまいましたが、昨日のワラジムシと言い、たまにはこんなのも書けたらと思っています。それでは、みなさん、よい年をお迎えください。
私自身は、景気が少しでもよくなり、本の売上が増えるようにと願っています。ただ、当たり前のことですが、景気がよくなれば、自分の本が自動的に売れるわけでもありません。様々な英語本が出版され続けるなか、店頭で手に取っていただき、買っていただくためには類書を引き離すような「何か」が必要がわけで、そこが腕のふるいどころです。頑張ります!
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5と6の和文、いいですね。私も英文の意味はわかるものの、この日本語は出てきません。そして逆もまたしかり・・・。
「不快昆虫」も面白かったです!こういう記事も楽しみにしています。
おかげさまで今年もステキな方たち&おいしいものとの出会いがたくさんありました。ありがとうございました。
Happy New Year!
[返信]
5と6の訳文、潮風の香りがしてきそうなですよね。いっしょに楽しんでくださって、うれしく思います。やはり現役のプロともなると、目のつけどころが違うわなと感心もします。
ちなみにウィキペディアに載っている訳は、部分訳なのでしょうが、それにしても、5が「水面に波頭が立つ」で、6が「白く泡立った波頭が広がる」で、およそ味わいがありません。
どうぞ来年もよろしくお願いします。