2010年1月18日
センター試験英語、変です
国民的関心事ということで、昨日の朝刊に大学入試センターの問題と解答が掲載されていました。おのずと英語の問題に目が行くわけですが、ざっと目を通して感じたのはやたら難しい、いわゆる big words を知っているかが試されているんだということ。何もこんな単語を使わなくたって足切りは出来るわけですから、出題者が教養主義と言うのか、こういう非日常的な単語が好きなんだろうなとか、大学に来たきゃこのぐらい知っておけという態度なんだろうかと想像してしまいます。
また、もう一つ感じたのは、例文,特に会話体の中の例文が「普通、こんな言い方するかなあ」という変な英語であることです。顧問格のネイティブがいたとしても、「わが国では、これでいいのだ」と押切られたんでしょう。
何であれ、最初に目にとまったのが
I have to get my commuter pass renewed because it [9 ] tomorrow.
という一文。何が気になったのかと言うと、選択肢として並んでいる単語。挙がっているのは、正解の expires 以外、activates, conceives, interferes の三つ。
[当初、commuter pass とあったのを computer pass と読み誤っていました。正してくださったobasan さんと匿名の方、その他心配してくださった方々にお礼申しあげます]
この問題の選択肢として並んでいるものがどの程度、頻出するのかを、86,800単語を頻出順位で並べている www.wordcount.org で調べたところ、結果はこうでした。
activates 30,881番目に多く使われる単語
conceives 36,687
expires 22,956
interferes 25,923
頻出最上位の2,000単語で話し言葉の9割、書き言葉の8割がまかなわれていることからすれば、基本単語がわかっているかという姿勢で試すべきであり、頻出順位が1万台の単語なんか大学に入ってから勉強するのが順序というものでしょう。
そもそも、こういった頻出度が低い難語のたぐいをこういった形で勉強させるのは、高卒レベルのコミュニケーションに不要な単語を敢えておぼえさせているという意味で、不合理です。あるいは、コミュニケーションというものが何を意味するのかわかっていないのかも知れません。いずれにしろ、文科省は「英語が使える日本人」構想で、高等学校卒業段階での到達目標として、日常の話題に関する通常の会話(同程度の読む・書く・聞く)ができる程度としていますが、そうとすれば、新聞のような書き言葉でさえも8割まかなえる基本2,000単語を重視し、本当にそれが使える程度に身についているかをチェックすべきではないでしょうか。
こういった、小難しい単語の知識を問う姿勢は随所に見られ、例えば、簡単なダイアログを読ませた上、そこでのキーワードを問う問題では、makeshift や penchant などという、頻出順位が16,000台、22,000台の単語が鍵を握っています。書き言葉でしか使わない単語に偏しているわけで、これが、むずかしい単語を振りまわす割に何を言っているかわからないわが国独特の英語話者を生むんだよなとため息が出ます。
あと、やっぱりわが国の英語の専門家というのは、普通に英語を話す人が少ないんだろうなと感じさせたのが、会話体形式の問題。
相手の返答として適当なものを選択肢の中から選ばせる問題で、こうなっています。(問題文では最後の Bethany の部分に入るべきセリフが問われているのですが、ここでは最初から入れておきます)
Yuko: You'll never guess what my husband bought me for my birthday.
Bethany: What?
Yuko: He bought me exactly the same thing as last year.
Bethany: Oh, well. At least he remembered your birthday.
このやり取りを見て、最初に思ったのは、「何買ってくれたと思う」と言っている Yuko の発言に対して、普通、What? と答えるとは思えません。日本語なら、たしかに、「えっ、何?」と言ったりするかも知れません。しかし、英語で話す場合、What? で応じるのは、相手が Guess what? と言ったようなケースに限られると思います。ここでの例のように、相手がフルセンテンスで何かを言っているような場合は、自分だったら、What? などとは言わず、What did he give you? で応ずることでしょう。
もっと変なのが、
He bought me exactly the same thing as last year.
というくだりです。
He bought me exactly the same thing.
なら、アリでしょう。
しかし、
"me the same thing as last year"
という格好でフレーズ検索してみるとわかりますが、the same thing as last year を入れたいなら、me の前に来るのは、gave です。思うにこれはコロケーション(定型的組み合わせ)の問題であり、bought me the same thing as last year というのは一般的ではなく、だから、普通に英語を話す人にとっては違和感があるのだと解されます。
ことのついでに言うと、正答である、最後の Bethany のセリフ
Oh, well. At least he remembered your birthday.
の部分、Oh はひとまず相手のコメントを受け止めたよという合図で、well は、「何て言ったらいいのか」と、単なる迷いを示すツールないしは言うべきことを組み立てている間の一種の時間かせぎですから、
Oh, well. At least...
とピリオドで区切る筋合いではなく、
Oh, well, at least...
とカンマで区切って、そのままセンテンスを続けるべきです。
こんなことは英文表記の常識に属する事項で、例えば、Webster's Compact Writers Guide は、Commas set off mild interjections or exclamations such as "ah" or "oh." とし、
Oh, what a beautiful baby.
を例として挙げています。
Oh. What a beautiful baby.
などと書くような人は、TVドラマのスクリプトなど話し言葉を書き留めたものに日頃接していいない訳で、要するに、会話体の英語に慣れていないことを容易に見て取れます。
こういうレベルの人たちが受験生の人生を左右する試験問題を作っているのかと思うと嫌になります。やっぱり駄目です、わが国の英語教育は。
中国政府のようにケンブリッジ英検に英語のテストを一切合切任せてしまうのもどうかと思いますが、それにしても、大学入試センターの英語、少なくともここで取り上げた部分はお粗末です。税金でこんな低レベルのものを作っているのかと思うとますます腹が立ちます。
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センター試験の英語もやっぱり変なのかというのは、やっぱり残念ですね。
日本の”受験勉強”というのは、おそらく多くの人にとって”人生で一番勉強する時期”で、その勉強量たるやすごいものがあるので、これが(英語においては)有益な勉強ではないというのは、なんだかものすごく損している気がしますね。
色々と過去のページを拝見させて頂いている中で、再度、英語の勉強法について考えさせられる点が多くありました。
ある程度できると、TOEICで高得点を取れるようになると)、あ、もう大体出来てるからいいかな と”化石化”に踏み入りそうになっていた自分に活が入りました。
ケンブリッジ英検やAcademic word listなるものも知りませんでした。有益な情報を頂いて、私もいつかCPEを目指せるよう頑張りたいなと思うようになりました。(プチレベル判定テストではCAEのレベルだったので、まだまだ壁は厚いなと感じています)
あとは、英検1級も、例えば翻訳家の人などが通る道かと思っていたのですが、それよりもCPEの方が良さそうですが、翻訳専門家などにはやはり英検1級はやはりそれなりの価値があるものなのでしょうか。
アルクの12000語のレベル判定もやりましたが、レベル10くらいだったので、あとレベル2を達成しないと という感覚に陥っていましたが、これも余り効果的な勉強法ではないなと思い直させられ、余り生産的とはいえない勉強を始める前に日向さんのブログに気づかされ良かったです。それから、ヨーロッパ参照枠というのは、どうやったら受けられるものなのでしょうか?度々拝見しましたが、いまいちわかっておらずすみません。日本ではなくて、全世界的に通じる英語の資格というものを取得したいなと思うのですが、ケンブリッジ英検かヨーロッパ参照枠とやらかなと思っているのですが、後者についていまいちわかっていません。
[返信]
ヨーロッパ共通参照枠は欧州評議会加盟48ヶ国がある国のフランス語上級が他国では中級といったことのないよう、語学の習得目標を共通化したもので、域内の外国語教育や検定はこれに準拠しています。従って、ケンブリッジ英検もレベルを区分するに当たって、ヨーロッパ共通参照枠に準拠していますので、CPEは参照枠のC2相当になります。
- 匿名
- 2010年2月15日 10:23
揚げ足取りのようでしたらすみません。私も気になっている点なのでコメントさせて頂きます。
Nativeの件ですが、Native speakerとアメリカで言った場合、確かに、なんだかアメリカインディアンのことかと思われてしまう感じがありました。
言葉について色々質問をしたりする中で、いわゆる”英語のネイティブ”という表現をよく使いたくなるのですが、その場合、"Natural speaker (of English)"と言った表現をネイティブの人が使っていたので、それが誤解を招かず適当なのかなと納得した覚えがあり、以後はアメリカ人(ネイティブ)の人に話す際はNatural Speakerと言っています。
これは、アメリカに来るまで余り考えなかったポイントなのですが、世界的に、英語”学習者”からいわゆるネイティブスピーカーのことを指す言葉としては、何が適当なのでしょうか。
ネイティブの人と言葉の話をする時に、どうしても使いたくなる言葉なので、国際的にはどういう言葉が適当なのかと気になりました。
[返信]
欧州評議会の正式の文書である、Common European Framework of Reference for Languages では native speaker という言葉が何度も使われています。
http://www.coe.int/T/DG4/Linguistic/CADRE_EN.asp
natural speaker は何か取って付けたような感じがしますので、自分だったら、native speaker of Englishという言い方を使うと思います。
- 匿名
- 2010年2月15日 10:10
ウェブをブラウジングしてましたところ、必要単語数について日向先生と同じような分析をされている論文を見つけました。既にご存知でしたでしょうか?http://www5d.biglobe.ne.jp/~chujo/data/jaces.pdf
内容を理解するには95%のカバー率が必要としてますので、ハードルは高いのですが、NHKのやさしいビジネス英語(2001年か2002年音声教材)の難易度はCNNニュースを凌駕してます。
別件ですが、「WebをBrowsingする」に対する、何か良い日本語ご存知じゃないでしょうか。インターネットをぶらぶらと眺めるでしょうか。
[返信]
挙げてらっしゃる論文を書かれた中條先生は、
http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2009/02/toeic3714.html
で取り上げた ETS のレポートの執筆者ですので、内容は承知しております。「やさしいビジネス英語」の語彙水準もその中で出て来ます。
また、95%理解していないと推論できないという話も、ボキャブラリー研究者共通の認識として、よく見聞きしています。例えば、
http://www.wordengine.jp/vcheck
- yuskay
- 2010年1月28日 13:21
文中にネイティブという語が使われていますが、ネイティブとは何を指しているのでしょうか?まさか土人の意味ではないでしょう。
英語母語話者の意味でネイティブと言うのは非常に問題です。わざわざ「英語の」とことわる必要がないということでしょうか?そうでしたら英語は数ある言語の中のひとつであるという認識がまるで欠けていると言わざるを得ません。無自覚で使っていたのでしたらなおさら根は深いということです。
英語の奴隷になりたくないのであれば、単語が重要だと御自身が考えているのであれば、このような物言いはあらためるべきでしょう。
このコメントを反映させなければ他の読者の目に触れることはないでしょうが、私にはわかります。試されていると思ってください。
[返信]
「ネイティブ」は英語を自分の言語として普通に使っている人のことを指しています。常識が何かは定義できないけれど、誰しも常識が何かわかっているのと同じ話で、敢えて「常識をどういう意味で使っているのか」を論じる実益はないと考えます。なお「土人」は国語辞典によれば、その土地の住民のことですから、英語が使われている土地の住民を指す限りにおいて、当然、土人もネイティブの一種というのが私の理解です。
>このコメントを反映させなければ他の読者の目に触れる>ことはないでしょうが、私にはわかります。試されてい>ると思ってください。
他人に家に来て恫喝するような野蛮人は他の読者の迷惑になりますので、もう来ないでください。出入りを禁止させていただきます。
- 山下太朗
- 2010年1月24日 03:31
日向さん、こんにちは。
この英語は、アメリカで生活して18年になる当方にとっても、少し違和感のある英語です。
1. (Train) commuter passはrenewする代物でしょうか?
最近のIT passのシステムは良く分かりませんが、passは普通は購入(buy, purchase)するものではないのでしょうか?renewというのは、免許証やクレジットカードのようなものではないでしょうかね。因みにcommuter passだけでは、尻切れトンボ(頭切れ?)的表現で、多言葉言語の英語ネイティブの人もエッ?となるでしょうね。
2. get it done
英語はいろんな用法を、例文に従い身に付けていかねばなりませんが、ここでこの用法は少し違和感が有りますね。ここまで大上段に振りかぶって言うか?と。使役動詞の用法をテストしたいのでしょうが、(百歩譲って、passはrenewする代物としても)passをrenewするのにこの用法を使うかなぁ、という感じがします。
3. What?
これも、唐突ですね。この文脈で”What?”だけですと、「何?今お前何言った?」と受け取られますね。
4. もっとも、1~2年前のセンター試験英語を試しに受けてみたら7割の出来の、「センター試験英語、7割の出来って変です」と言われそうな当方ですから、大きなことは言えませんが...
[返信]
4. をのぞいて、そうだよなと思いました。いつも有益なコメント、ありがとうございます。
- いちろう
- 2010年1月24日 00:26
日向先生、英語の旅人さん
私も受験時代、仮定法とただの条件節の違いがよく分かりませんでした。前回コメントで申し上げたかったのは、まさしくこの点で、大学受験の仮定法の問題文はもっと突飛なもの、事実とかけ離れた仮定法の実感のわくものの方が「教育的」だと思うのです。
昨年、映画「オズの魔法使い」の中で、案山子が「ボクにもし脳味噌があれば(If I only had a brain,)」と歌うのを聴き、これこそ仮定法の実感のわく典型例だと思いました。仮定法の気持ちを実感したい方にオススメです。
蛇足ですが、大ヒット中の「アバター」でも、"You're not in Kansas anymore."と、オズを意識した台詞が出てきます。
[返信]
ありがとうございます。
実は過去完了を使うような仮定法は、書き言葉としての英語の文法問題ならともかく、いわゆる話し言葉ではそもそもあまり使わないわけで、こういうことを取り上げる実益はあまりないよなあと感じています。
- 元ハノイ市民
- 2010年1月22日 21:42
元ハノイ市民様、日向先生
こんにちは。
If I hadn't broken up with Hannah last month, I would have been going out with her for two years.
についてご教示ください。
こちらの方が自然だということで提示された2文、
【元ハノイ市民さん】I had been going out with Hannah for nearly two years, when we broke up (last month).
あるいは
【日向先生】Last month, we were supposed to celebrate our second dating anniversary, but, you know, we broke up and it never happened.
は、彼女と別れた先月の某日まで2年間つきあっていたという解釈になっていると思いますが、
原文は、
If we did not break up last month, I have been going out with her for two years. (2年前からずっと付き合ってた彼女と先月別れてしまったんだ。)という意味ではないでしょうか?
先月の某日の時点で2年間付き合いがすでに経過しているのであれば、別れようが別れまいが2年間付き合ったことは“事実”だと思うのですが?ちなみに、現在完了にwouldを付けることは可能です(やや紛らわしいことにはなりますが)。
[返信]
ご存じのとおり、この種の仮定は、if節の動詞部分が過去完了形であることによって、 unreal past であることを示しています。つまり、実際は別れたのに、「別れていなかったら」という unreal なことを仮定しているわけです。そうとすれば、ここで取り上げられている「事実」は「2年間つきあったこと」ではなく、「別れたこと」ですから、「別れようが別れまいが2年間付き合ったことは“事実”」という論法には無理があると思います。
- 英語の旅人
- 2010年1月22日 11:08
>中国政府のようにケンブリッジ英検に英語のテストを一切合切任せてしまう
本当ですか??
中国の大学を卒業するにあたって、国内統一の英語検定試験に合格しなければならないとは、以前聞いたことがありますが。最近変わったのでしょうか。
[返信]
Cambridge ESOLと中国政府は1996年に正式の合意文書に調印し、2006年の例で言えば、中国全土で12万人の子供がケンブリッジ英検の児童版である YLEを一斉に受けています。また、2000年代に入って、上海市当局は市の公務員全員にケンブリッジ英検のビジネス版であるBULATSを受けさせています。
統一英語検定とケンブリッジとの関係は定かではありませんが、政府と契約しているぐらいですから、なんらかの形で関与していると見るべきではないでしょうか。
- SK
- 2010年1月19日 19:52
お返事ありがとうございました。
今日は、いろんな人のブログを見ました。
それである共通的なことがありました。
批判はあまりしたくないのですが、TOEICを何度も満点だったとかTOEICが何点でどうだとか、TOEIC自慢をしている人は、共通的に、センター試験英語を解き、満点だったとシタリ顔に発表しています。いくつか、いばって問題解説までしている始末。
彼らは、いったい英語で何がしたいんでしょうかね。
TOEICより上を目指さず、停滞し、逆に下を眺めて、したり顔で喜んでいるのですから。
- いしだて
- 2010年1月19日 18:43
いつも連載、楽しみにしております。
現場教員の立場から一言。
センター問題の語彙に関しての意見にはまったく同感です。
ただし、makeshift やpenchant については、もともと文脈から未知語の類推をさせるためのものですから、頻度の低い単語が使われているわけです。
[返信]
ご説明ありがとうございます。個人的には未知語の類推といった問題解決能力を試すタイプの問題より、もっと基本的な語彙のコロケーションを教え、それを試すといった地に足のついた問題づくりをして欲しいと感じます。また、受験生心理からすれば、類推能力が問われていると説明されたところで、makeshift や penchantというレベルの単語を知っておかねばならないのかと先回りしようとするのが目に見えていますので、その意味でも好ましくないと考えます。
- Mig
- 2010年1月19日 13:13
前回のコメントでは、丁寧に回答していただきありがとうございました。
記事中の中国政府の例は大変興味深かったです。センター試験にどの程度のコストがかかっているか分かりませんが、少なくとも共通テストに関しては、ケンブリッジ英検とかTOEFLなどで代用してしまうのも良いような気もしました。センター試験は高校卒業レベルの一種の「到達点」と思いますが、これを日本人があれこれいじり回すのでなく、「あるべき到達点」からスタートし、そこに向けたプロセスを検討する方が、むしろ近道だと感じたからです。
到達点が変更されれば、到達点に向けたプロセスも変えざるを得なくなります(仮に完全な変更は無理としても、これらの試験をセンター試験の代用として利用できるようにするだけでも、効果はあるかもしれません。)
良きにつけ悪しきにつけ、日本の英語教育(中学・高校まで)は受験英語の影響や制約を受けざるを得ないのが現状であり、そうした制約の中で次善の策を考えないといけないのでしょうね。いっそのこと「受験英語」という制約を外して英語を選択科目にすれば、もっと自由な改革ができるかもしれません。そうすると、今度は英語を勉強する人が相当減少してしまうという新たな問題も生じますが・・・。
[返信]
世界共通の英語が英米の英語とは別物として定着しつつあるだけに、なおのこと「日本人があれこれいじり回す」結果、世界共通の基準を壊すような発想を脱して欲しいものです。
受験英語の問題は、大学側の英語教員のほとんどが英語を知識として授かった人々であり、しかも英語の研究・教育を標榜していれば飯が食えることにあると感じています。どこかの大学がやっているように、英語教育をアウトソースしてしまった方がマシなのかも知れません。
一方、自分自身、経済や法律などの分野で実際に使える英語にウェイトをかければかけるほど、職業教育に近づくわけで、危ういなという意識もあります。ただ、福沢諭吉が説いた実学(ご存じのとおり「役立つ学問」という意味ではなく、合目的的に学ぶという意味です)の精神で、会話分析やコミュニカティブな英語学習の分野での成果を取り込みながら授業をしたり、本を書いたりする姿勢に徹するば、大学教育の一環と呼ぶに足る英語の授業ができるのかなとも思っています。
- Devil's advocate
- 2010年1月19日 09:05
お久しぶりです。
サウジのfujiです。
素人wの私からみても会話の問題は少し変だなと思います。
日向さんのお話を聞いてますますおかしく思えてしまいました。
これからもブログ楽しく拝見させていただきます。
[返信]
お元気ですか。"サウジのfujiです"という口上、かっこいいですね。
お話ししましたっけ、実はサウジとは縁があります。結局、開戦でボツになってしまいましたが、当時駐エジプト公使だった祖父が1939年、サウジと外交関係を樹立して石油利権を確保しようと、ジェッダ港からリャドまで、1,000キロの砂漠を越えて当時のアブドゥル・アジ-ズ国王に会いに行っています。一週間近くかかったようですが、襲われないように、一行の3人とも道中はアラビア服で通したそうです。
- fuji
- 2010年1月19日 06:21
全くそのとおりだと思います。
やるべきことが見えていません。そしてやることができない教育者。
私は高校を卒業して長く、実情がわからないのですが、文部科学省は、1年前に学習指導要領を改訂したそうです。ゆとり教育で中高2200語に減った教育の英語を、3000語にして、中国・韓国レベルにするということらしいのです。
これってどういうことなんでしょうか?中高6年間で、3000語をよく理解し、自在に使えるように訓練すればいいと思うのです。この学習指導要領っていうのはどういうことなんでしょうか?
さて頻出ランキングについて、アルクのSLV12000というのを拝見しました。それによるとconceiveはレベル5(5000語レベル)、interfereはレベル7(7000語レベル)、expireはレベル8(8000語レベル)、そしてactivateはレベル9(9000語レベル)でした。やはりという感じです。ちなみに先生はこのアルクのSLV12000についてはどう思われますでしょうか?
[返信]
学習すべき単語数が3,000になったのは歓迎すべきことである一方、現行の高校英語の教科書は、受験を意識してなのか、6割近くが低頻出の難語で占められているという問題を抱えており、それがどう変わるかが見ものです。
アルクの語彙リストはたしか、コーパス言語学で有名な投野先生も関与されており、信頼性の高いものだと思います。ただ、12,000という数字に気を取られて、そこまで行かなければならないという錯覚に陥る学習者がいるのが気になります。アルクさんも、3,000語レベルまでのものがぱっと口を突いて出てくるようになるまで楽しく反復練習できる仕掛けづくりを考えたらいいのにと常々思っています。
- いしだて
- 2010年1月19日 03:28
記事を拝見して、自分の大学受験の頃からあまり変わってないんだなあと思いつつコメントを書いたら長くなってしまったので、私のブログで記事にしました。記事URLをリンクに入れましたので、お時間のあるときにご覧いただければ嬉しいです。
[返信]
makiさんの記事、拝見しました。本当に何も変わっていないのだと実感し、がっくりしました。これだけ国際化だ、コミュニケーションだと騒がれているのに、やっていることは相変わらずなんですね。古代中国や韓国の王朝物ドラマをよく見ているのですが、官吏なども「棒たたき」という、すごい懲戒処分を受けています。責任者を探し出し、あれ、やりたい気持ちです。
- maki
- 2010年1月18日 22:27
expire や conceive、activate はけっこう使うけどな...と思ったら、これは大学入試問題でしたね。高校生にこんな単語を詰め込ませるのは良くないですね。
会話の問題は読んでいていちいちひっかかる、なんとも変なやりとりで、まさしく
>税金でこんな低レベルのものを作っているのか
と思います。信頼できる informant(s) にちょっと確かめれば済みそうなものなのですが、それがよほどイヤだったのかなあと思わざるをえませんね。
[返信]
入試ではなく、教科書関係の話ですが、informant さんから聞いたところでは、日本人サイド,特に長老クラスは思い込みが強く、そうは言わないといったことを言っても無駄で、それだったら、最初から自分のようなネイティブに声をかけてくれるなとぼやいていました。
- Shira
- 2010年1月18日 20:44
日向先生
以前に一度コメント致したことがあります。昨日、問題を眺めながら、先生のブログで取り上げられるのを楽しみにしていました。
私が変だと思ったのは、第2問の問5、仮定法の問題で、以下の文です。
If I hadn't broken up with Hannah last month, I would have been going with her for two years.
この程度の事実を述べる「気持ち」であれば、わざわざ仮定法など使わず、例えば以下のように表現するのが普通ではないでしょうか?
I had been going out with Hannah for nearly two years, when we broke up (last month).
仮定法の典型的な例は、「手術が失敗したら死んでいた」「僕が君なら絶対そんなことしない」と言った、運命への畏怖や、時にやるせないくらいの強い感情を伴うものだと思うのです(もちろん、そこまでいかないものも多々あると思いますが)。
二年間という期間に特別な意味があるなら別ですが(例えば二年間付き合うと自動的に入籍する制度のもとで暮らしている等)、そうでなければ、上記の文を使う状況や気持ちというのは考えにくいと思います。
私がセンター試験を受けたのは20年近く前ですが、大学受験の仮定法は上記のような「仮定法の実感」を伴わない創作文が多く、なかなか本質に辿りつけなかったという思いがあります。試験問題はパズルのようなものなので、必要事項を記憶すれば解けるようになるのですが…。
以上、長々と失礼いたしました。
[返信]
おっしゃるとおりで、特に話し言葉の場合、凝った作りとあって、頭の中で組み立てるのに時間がかかる仮定法を使うよりは、元ハノイ市民さんのような言い方を使うことでしょう。それでも過去完了と過去形のセットとなると学のある人を感じさせるわけで、普通の人は、おそらく、Last month, we were supposed to celebrate our second dating anniversary, but, you know, we broke up and it never happened. といったあたりで落ち着くのではないでしょうか。
- 元ハノイ市民
- 2010年1月18日 19:30
www.wordcount.orgで示される順位は変化形なども全て含めたものなので、日向さんがよく言われる基本2000語などと比較するのは不適切ではないでしょうか。
例えば上のサイトではdog, dogs, expire, expires, expiredはそれぞれ一語とカウントされているので、これらをdog, expireの2語とする数え方に置き換えると順位はもっと上位にくるはずです。(もっとも2000位以内には入らないでしょうが。)
[返信]
うーん、どうなんでしょうね。
- bamboo
- 2010年1月18日 17:42
解答の9番の問題は"computer pass" ではなく"commuter pass"です。
[返信]
ありがとうございます。
- 匿名
- 2010年1月18日 14:41
computer pass ではありません。
commuter pass (定期券)ですよ。よく問題文を見てください。
[返信]
ありがとうございます。訂正します。
- obasan
- 2010年1月18日 12:10

日向さん、こんにちは。
”ネイティブ”について情報を。
地元の新聞を丹念に読むと、"...a native louisville person"等の表現が出てきます(Louisvilleは近くの中核都市です)。これは何も、インディアンや土人を指しているのではなく、Louisville生まれの人をさして表現しています。勿論白人の人でも"native Louisville person"です。
勿論、”Native speaker”は日向さんご紹介の定義で使われています。”Native Louisville speaker”と地名を入れると、訛りのある方言の混じった話者という意味で、揶揄されて使われるケースもありますけどね。これは変化球的使われ方ですが、”Native speaker”というと、ごく普通の使い方ですね。
[返信]
おもしろいですね、ある言語を生まれてこのかた話している人に加えて、地元の人という意味もあるということですね。たしかに辞書 (Macmillan English Dictionary) を見ると、native speaker (=Someone who has learned a particular language from the time they began to speak.)が独立した項目として取り上げられている一方、形容詞のnativeの項には、My wife's a native New Yorker. という例が載っていました。