2010年02月09日
怪しげな英語と断じられたトヨタの社長
トヨタの謝罪会見を報じたニューヨークタイムズ配信の記事に、こういうくだりがあります。
He added in broken English: “The people who drive Toyota, who cares about Toyota, I'm a little bit worried while they are driving, they feel little bit cautious. But believe me, Toyota's car is safety but we will try to increase our product better.”
そもそもは、通訳がスタンバイしているものの、日本語での記者会見でした。ところが、途中でBBCの記者から質問された上、英語で答えてくれと言われ、豊田社長がしどろもどろの英語で説明する羽目に陥ったしまい、その結果、こんなふうに報じられることになってしまいました。[ちなみに記者に「英語で」と言われた瞬間、社長と右横にいる役員が苦笑いしていましたが、日本人には「いあや、まいったなあ」というニュアンスは伝わっても、外国人にはあれは不誠実な態度と映ること間違いありません]
しかし、いくらなんでも、"broken English" はないでしょ、ひどいんじゃない、と最初は思いました。"broken" というのは、Pocket Oxford Dictionary によれば、"spoken hesitantly and with many mistakes" ですから、broken English は、「つっかえ、つっかえ話す、しかも、間違いだらけの」英語ということになります。『ロングマン英和辞典』などは「たどたどしい(あやしげな)英語」と訳しているぐらいで、レベルが相当低いことを感じさせる言い方です。
予備知識を得ておこうと、ウィキペディアで豊田章男氏の略歴を見ると、慶應高校時代にハワイにちょっと留学し、慶大卒業後、今度は、アメリカのバブソン大学でMBAとあります。加えてトヨタとGMの合弁企業の役員まで務めています。こうした経歴からはかなり英語ができるのではと思うのが普通でしょう。
そこで、自分の目で確かめたいなと思っていたところ、親切な読者の方から、YouTubeに以下のような記者会見のビデオクリップがあることを教わりました。(この方の関心は別のところにあったようですが、私は英語はどう話すのかということに関心がありますので、その角度から取り上げます)
聴き取れた限りでは、実際に発された言葉はこうでした。残念ながら、まさに「つっかえ、つっかえ話す間違いだらけの英語」です。
I...ay...the people...people who drives Toyota...who cares about Toyota, I'm a little bit worried about...mmm...their...while they are driving, they feel a little bit cautious. But, ah...believe me, ah, Toyota's car is safety, ah, and but we're try to increase our products better. So, our, our, this, this kind of, ah, procedure is good for the customers. So please believe me, we always customer first is first priority. And I'm trying to, trying to do this one, as soon as possible and with cooperation of our employee and our supplier and the dealers. But, er, please, ahh...ahh...[この後、緊張のボディランゲージなのでしょうが、なぜか無言で大きく5、6回うなずきます。そして記者が続けて Should you've acted more quickly? と尋ねたのに対して、明らかに理解できなかった様子を見せ、通訳の方を向いて訳を待ちます。そしてしばらくして、返ってきた答えが I will do my best. うーん、まるでかみあっていません]
他の報道では手心を加えているらしく、Toyota's cars are safe. と言ったということになっていますが、実際の発言はご覧のとおり、Toyota's car is safety. (トヨタの車は安全性である?)です。いくら緊張していてもこれはないでしょ。"we're try to increase our products better" もひどすぎます。うーん、同窓生として、また、同じ日本国民として嘆かわしい限りです。
しかし、それにしても個人的に気になるのは,so の連発のようにクセで繰り返される言葉。中でも、一番気になるのは、二度出てくる "a little bit" 。「ちょっと」より「ちょっくら」「ちょっぴし」に近いインフォーマルな言い回しであって、記者会見のような公の席で使う言葉ではありません。死亡者も出ているというのに、「みなさんが弊社の車を運転しながら『ちょっぴし』用心深くなりはしないかと、そこが『ちょっぴし』心配です」と言っているようなものですから、事故の関係者や遺族が心証を害したであろうことは容易に想像できます。
なんであれ、まぎれもない broken English です。ケンブリッジ英検を受けたとしたら、PET(ヨーロッパ共通参照枠でB1)のスピーキングテストすら、危ないかなというレベルです。
また、ヨーロッパ共通参照枠は、記者会見での説明のような sustained monologue につき、実質上の最低レベルである B1につき、Can briefly give reasons and explanations for opinions, plans and actions. (意見表明、計画や行動の発表に際して手短かに理由などの説明ができること)を要求水準としていますから、こうした見地からも難ありです。ちなみに、この指標は B2, C1, C2 と「上」があるわけで、決してパーフェクトであれ、と言っているのではありません。最低レベルの線で評価してもおぼつかないということです。
何であれ、英語の場合、「こうだ」、例えば、「トヨタ車は安全だ」と言うからには、英語文化の問題として、聞き手は条件反射的に「どうしてそう言えるの」と思いますから、それに応えるべく、必ず理由を説明することを要します。ところが、会見では、一方的に安全だ、ユーザーのためだ、と言うに終始しているわけで、こういったアリストテレス以来とされる、state and prove というルールを無視しています。これでは英語の話し手としての素養は別としても、消費者に企業の思いを伝えるメディア戦略という見地から考えても英語文化を解しておらず、失敗していると思います。
ところで、この「ブロークンぶり」がすごいと感じるのは私一人ではないと見えて、わざわざそれを取り上げているブログまであります。正しくはどう言えばいいのかが気になる方は是非ご覧ください。
他面、学習者の姿ということで言えば、見習うべき点もあります。専門家は strategic competence という言い方をしていますが、持てる語学力を総動員して、ともかく言いたいことを伝えるというスキルにおいては、豊田社長は、並外れたものを持ってらっしゃいます。そりゃ英語として聞くとまさに「怪しげな英語」ですが、言っていることはよくわかるからです。そのいい例が、"we will try to increase our products better" という言い方で、"we will try to make our products better" と言えばよかったのに、コロケーション(定型的組み合わせ)を間違えて、increase にしてしまったのだとわかるわけで、言いたいことに近いものを強引に使う approximation という手法です。また、身振り手振りで言わんとしていることを伝えようととしているのも、paralinguistics という言葉の代用手段であり、strategic competence の一要素です。しかし、この会見には英語の試験を受けるために臨んでいるわけではなく、危機的状況にある会社の代表者として臨んでいるのですから、こういったことを斟酌するわけにも行きません。
それにしても、です。日本を代表する、いや、世界一の自動車メーカーの日本人社長の英語がこれでいいのという思いがします。あまりに情けないじゃないですか。
ちなみに、このトヨタという会社、1999年以来、係長以上の社員にTOEIC 660点以上を要求しているそうです。
追記:
こちらに謝罪会見のノーカット版がありますが、これの3分過ぎあたりの部分、米人記者の質問を通訳が間違って訳しています。記者の質問は、こうです。
Has Toyota, executives in Japan specifically, withheld safety information from U.S. regulators over the years? トヨタが,具体的には本社の役員が、ここ数年、アメリカの運輸当局に伝えるべき安全情報を伝えていなかったということはありませんか。
ところが、通訳の日本語訳はこうなっています。
トヨタさんで、特に、役員の方ですね、そのアメリカの当局からの安全に関する情報について、ご存じでいながら長いこと、ま、それを放っておいたという事実はあるのでしょうか。
通訳は withhold something from somebody というパターンがわかっていないと見えて、記者が、本来、「アメリカ側に知らせるべき情報」の伝達を怠ったのではないかと尋ねているのに、その日本語訳は、「アメリカから伝わって来た情報」に然るべき対応をしなかったのではないかというふうになっています。
企業トップからプロの通訳に至るまで、本当にわが国の英語のレベルは低いんだと、嫌になります。
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- »いちろうのアメリカ生活は快適だ : ガラパゴス化する日本企業のマネジメント----Toyotaのリコール対応にみる世界基準マネジメントとの差 - 2010年02月11日 08:42
Toyotaのリコール対応にみる世界基準マネジメントとの差
- »起死回生: トヨタの英語 - 2010年02月11日 23:10
まず、この会見を見て最初に思ったのは、トヨタほどのグローバル企業のトップにとって
- »英語表現と雑学の小箱: トヨタの社長の英語 - 2010年03月16日 00:55
新聞を整理しながら「プリウス」のリコール問題について読み返していて、トヨタの社長が今月初めの記者会見で英語を使ったことに興味を覚えたので、ネットでちょっと...
Comments
>"we're try to increase our products better" もひどすぎます。
we will try to~~ですよね。
読んでいて、あれっ?と思いました。
we're try to って文法的にもおかしいから「あー、その間違いはまずいでしょう」とか思ってしまって、increaseに気づくのが少し遅れました(笑)
[返信]
ここは、We're trying to... と We try to... と We'll try to...がいっしょくたになってしまったんでしょうね。でも、通じるわけで、外国メディアは思い思いに、善意に解釈しているようです。
- jun@cool-style
- 2010年02月09日 12:46
最初のコメントを書かれた方の意見に少し賛成です。日本人が、下手な英語を話すのが恥ずかしいから上達できない、とはよく言われていることで、それはもちろんそうなのだと思います。そして、この雑記帳を読んでいる方も、日本人の英語学習者として、基本的には、まだ自分の英語力に多かれ少なかれ自信の無い、学習段階の人が見に来ているのだと思います。
私は、現在日系企業のアメリカ支店に赴任中で、TOEIC900超ありますが、スコアが実レベルより良く出てるのではと、逆に恥ずかしく思うことがあるくらいで、まだまだ発展途上です。(ちなみに、いわゆるTOEIC対策の勉強をして取ったスコアではないので、それよりは実践力があるはずだと信じているのですが)
ただ、それでも、同じ赴任者の中で私の英語力が一番高いらしいので、自分でもまだまだだと思っているのに、他のひどいJANGLISHを聞いていると、日向さんと全く同じような感想を持つことが本当によくあります。この日記で、おそらく日向さんの伝えたかったポイントというのは、”世界のトップ”である企業の”社長”(アメリカでMBAも取得している)ともあろう人が、日本の自動車業界に激震を走らせている大リコールという国際的な大問題での記者会見に、こんな体たらくでは情けない ということで、今回のお話は、英語学習についてというより、日本の国際的立場における言語面での弱さ、情けなさ ということを伝えたかったということではないでしょうか。
ただ、最初にコメントされた方は、日本の国際的立場における情けなさ についてというよりも、一般的な日本人英語学習者としての一般的な意見をされたということだと思います。
先にも書いたように、このブログを見にこられる方の多くは、英語を学習している人で、そういう意味では、最初のコメントも、書き方は少しきつかったかもしれませんが、多くの人が思う一般的な意見だと思います。
もし、私の解釈が正しいとすれば、今回のテーマは、一般的な日本人の英語力についての話題というよりも、国際社会における日本の弱さの一面についてのお話と捉えた方が的確なのかもしれません。
[返信]
おっしゃるとおりです。きちんと読める読者がいてくれて、ありがたいことだと感じます。
- SS
- 2010年02月09日 13:52
日向先生、はじめまして。私は、4月より某企業の国際部で勤務予定の大学生です。1年間の海外留学経験がありますが、まだまだ私の英語は発展途上中ですので、現在、先生の「ビジネス英会話」に取り組んでいます。
この記事、そして動画を見て「トヨタのCEOを反面教師にしよう」と改めて英語学習への意を強めました。同時に、習得した英語で「何を・どのように話すか」についても意識していかなければならないということを実感しました。
[返信]
話し言葉は通りのいい「固まり」を在庫としてたくさん持ち、適材適所でそれを繰り出して行くのがポイントだと思います。先日も国際部勤務の方が外国でプレゼンしたおり、I'm afraid I don't have the figures at hand. という固まりをさらりと出すことで、おおいに手応えがあったと喜んでいました。
買ってくださった『即戦力がつくビジネス英会話』も、この種の固まりの集大成みたいなもので、インターンで外資に行った学生が「みんなこの本を持っているのかと錯覚しました」と言っていました。ビジネス英会話の語彙水準は1,900弱ですから、単語レベルはたいしたことがなく、要は通りのいい組み合わせを使えるかの世界です。健闘を祈ります。疑問があれば、遠慮なく、メールをください。応援します。
- GST
- 2010年02月09日 19:34
鳩山首相や、豊田章男氏の時代にはTOEFLにスピーキングはありませんでしたよね・・。これがやや災いしているのかと私はみているのですが、いかがでしょうか?
留学していた人たちが面接で話す英語を聞いたことがありますが、別にそんなに感動するような印象をもてませんでした。(留学先・目的にもよると思いますが。)留学希望者が英語力アップのためだけに留学したというものでもないと思いますので、試験の英語判定は卒業後の英語能力に大きく影響しているのではと感じています。
地道に英語を習得するというのであれば、最近読みました「英語ひとすじの道(東後 勝明)」のような努力も必要かと思われます。しかし、こういった地道に努力したいわゆる英語の達人と言われる人たちの英語を聞いたことがないので、この方法論で良いのだろうかと疑問には思います。日向先生は、こういった方達とお会いしたことはありますでしょうか?実は、いつも言っていらっしゃる英語界の大物とは、こういった方達なのでしょうか?
[返信]
一般論ですが、研究者タイプの方は、時には思い込みがあり、発音の細かい所に偉くこだわったりする傾向があります。ま、そのぐらいでないと自分の研究分野で評価されるような結果を出せないのでしょうから、それはそれでわかります。
いずれにしろ、英会話は一段下と見られています。大学の英語の授業で「英会話」が主流でないことがその証拠です。それでいて、そういう英語の先生方々は話し言葉のフレーズを知りませんから、たかだか雑談なのに、moreover, nevertheless といったおおぎょうな言い方を使います。やはり話し言葉の世界には固有のルールと言い回しがあることを認識して稽古した方が外国人とのコミュニケーションに直接役立つのではないでしょうか。
- ともちゃん
- 2010年02月09日 20:10
はじめまして。
(コメントを読んで、3番目の方と、1番目の方にもちょっと共感したので、以下駄文で恐縮です)
トヨタの社長が英語で話したのがどんな感じだったか、というのを調べていたらここにたどり着きました。懇切丁寧な解説、大変勉強になります。ありがとうございます。
昼間動画が見れなかったので、豊田社長はMBAまでもってるのにまともな英語がしゃべれなかったか、金でMBAを買ったか、などという感想を抱いていおりましたが、動画をみた後の感想は「意外にしゃべれてるな」でした(無論間違いは一杯ありますが)。
私もTOEIC900はあるものの、海外赴任経験もなく、たまに英語を使うくらいの生活しかしていないのですが、悲しいかな、私の話す英語に非常に近いものを感じました。
今回の事例は、
・なんとか、英語で対応した
(MBAもってりゃ逃げるわけにはいかないでしょうが)
点を、褒めてやってもいいのでは・・・と少し思いました。
駄文失礼しました。
[返信]
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、なんとか対応したのはたしかで、あっぱれなものです。この点は、本文の中でも触れたとおりです。
ただ、一学習者ならともかく、レピュテーションリスクにさらされている企業のトップとなるとそうも言っていられないわけで、これも他の方へのコメントで詳しく説明したとおりです。
- koji
- 2010年02月09日 21:41
今回の件はトヨタの対策が全て後手後手になっていてリスクマネージメントがなっていないと思ったていたのですが、日向先生の記事で社長会見まで対策が抜けていたのかと思いました。
英語学習としては何とか話せてエライというレベルの話でなく、間違いなく社長会見でトヨタのブランドに追い傷を負わせてしまったのではないでしょうか?
[返信]
英語学習という視点を離れて考えれば、おっしゃるとおりのような気がします。
- ouch
- 2010年02月09日 22:50
世界のTOYOTAもこんなもんか
というのが正直なところでした。
英語のレベルもその回答の内容も含めてです。
非常に聞きにくい英語だなと感じました。
「質問に対して自社の考えを述べる会見」
という目的を考えれば
最低レベルのものだったと思います。
ただ一つ気になったのが
「おっしゃるとおりです。きちんと読める読者がいてくれて、ありがたいことだと感じます。」
とコメントに返信されていることです。
私も文を書く仕事をしていますが
読者がきちんと読めない文は
はっきり申し上げて悪文です。
折角記事を読みコメントを書いてくれた読者を
馬鹿にするのではなく謙虚に受け止めて頂きたいものです。
[返信]
「せっかく記事を読みコメントを書いてくれた読者」という方々のコメントも、あまりに支離滅裂で公開がはばかれるものを含め、千差万別です。特に困るのが書いてもいないことに対してからんでくる手合いです。例えば,今回も本文でヨロッパ共通参照枠の指標を紹介して、英語で仕事をするのに求められている客観的水準を示しているのに、「パーフェクトな英語を要求するのか」ということになるわけで、きちんと読んでいないと言わざるを得ません。
自分の筆力のなさと言えばそれまでなのですが、他面、私信を通じて自分は関わりたくないけれど、ああいうのは困るよなと言ってくださる方がけっこういらっしゃるところを見ると、必ずしも筆力だけの問題ではないようです。良い悪いの話ではなく、やはり二次元の住民と三次元の住民は相互にわかりあえないということなのでしょう。
- meru
- 2010年02月10日 05:12
今回の通訳者の通訳、耳を疑いました。
2度言ってくれているのに〔しかも2度目はゆっくりと〕!
緊急だったので社内通訳者だったのでしょうか?
プロの通訳者がwithheld something from を知らないということはありえないと思います。
withheld/ information from xxx/ と間違って理解したのでしょう。
トヨタからの仕事の依頼〔トップの記者会見だったら〕どのエージェントでもトップクラスの通訳者を派遣するはずですが、、、、
もし彼女がフリーランスだったら明日から少なくともトヨタの仕事
はなくなるでしょう。
[返信]
同感です。これがおかしいとわかるプロがちゃんといるとわかり、正直、ほっとしました。でも、状況から考えて、社内であれ、社外であれトップクラスの人材であるはずなのは、おっしゃるとおりで、それでその程度なのという思いがぬぐえません。一つ感じるのはこの人は日頃は英語を話していないんだろうなということです。つまりは稽古が足らないのではないかということです。
- 中年通訳
- 2010年02月10日 07:07
アメリカ在住者から一言。日本に居るとお気づきにならないと思いますが、海外のどんなビジネスの場面、海外コンベンションなどで英語でしっかりと自分の意見や考えを伝えることができないと相手にされません(これは日本人がたとえ日本語が世界共通語であったとしても苦手とすることです)。今後ますますグローバルになるので、日本人はこの点を無視できないでしょう(もうすでにインターネットの情報社会において英語圏から取り残されつつあります)。ましてや日本の顔である大企業のトップが、その会社および日本の今後の評価を問われる重要な記者会見で、変な苦笑いや意味があやふやなしどろもどろの英語で対応するのは、国際的立場を考慮すれば危機管理能力の欠如を問われても仕方がないでしょう。
[返信]
コメントありがとうございます。これを読んで、トヨタ内でどのぐらいの人が同じ思いを持っているんだろうかと感じました。多数派が同じような感覚を持っていれば、あの社長さんを含めての現経営陣も先は長くないと言える反面、そうでないならお先真っ暗ということでしょう。
- アメリカ在住
- 2010年02月10日 09:03
こんにちは。
興味深い記事が多く、いつも楽しみにしています。
「追記」の「アメリカ側に知らせる情報の伝達を怠ったのではないか」という質問はABC newsがしたようです。ABCは"Toyota President Denies Hiding Safety Problems From U.S. Regulators "というヘッドラインで報じていますが、先ほどの質問に対する社長の答え(日本語)は、あいまいでごまかしとも解釈されたのでは無いでしょうか。
Toyoda answered in Japanese. "As a company, our intention is to sincerely give 100 percent cooperation," said Toyoda. "We want to make our best effort to deal with this matter for our customers' security and safety."
これは、通訳が、はっきりNoと伝えるべき大事な質問であるというニュアンスを含めて、正確に訳せていたなら、このように答えなかったのでは無いかと思いますが、どうでしょうか。
このABCの記事の読者コメントにこんなものがありました。
- Wow what a dance around an answer to a yes and no question !!! This guy should be a politician.
また、日本人は当然のことと、あまり意識していませんが、豊田社長が頭を深く下げて謝罪したことも分析(?)しています。同じABCで日本の恥の文化について報道していました。
[返信]
記者は過去のこういう事実はあったのかと尋ねているのに、社長の答えはそれを素通りして、これからの話をしているのですから、ごまかしていると取る方が自然ですよね。本当は記者の方から、それは答えになっていないと突っ込んで欲しい場面でもあります。
番組の中で出てくる妙な専門家はどこの国でも同じようなもので、けっこう勝手なことを言っている印象です。深いお辞儀が首を切ってくれという昔の感覚から来ているといった説明に至っては、いったいどこの国の話なんだとバカバカしくなります。
- Tats
- 2010年02月10日 12:03
私は母国語でさえ、自分の考えを100%相手に伝えるのは難しいと思っています。ビジネスの世界では相手に伝わっていなければ言ったことにはならない。間違いや修正も簡単にはできない。
世界企業であるトヨタの会見は慎重な英文原稿を用意すべきです。なぜトヨタほどの企業がそれをしなかったのか、耳を疑いました。
空気を読め、とか誠意を表情などで察しろ、という聞き手の思いやりは日本独特の世界観で多くの国では通用しません。世界で成功した者ならわかっていたはずなのに、、、
[返信]
不思議ですよね。あれだけの会社があれだけのレピュテーションリスクを抱えているときに、「ダンドリ」を間違えたわけで、ユーザーじゃなくても、不安になります。株が下がるのもわかります。1、2年は尾を引きそうな感じですね。
- 国際関係ist
- 2010年02月10日 19:38
日向様、はじめまして。
早速ですが、皆さんと異なった意見を述べさせて頂きます。
TOYOTA社長の英語の件、
英語やり直し組の私には、良い刺激になりました。
それは、MBA取得者であっても英語の間違いはある。
だから、初級者は恐れることはない。
しかし、研鑽を積むことを止めてはいけない。
習得したと思うのはMBAを取得してもまだ早い。
最悪な状況下では、正しく表現できないどころか、
誤解を生むことになりかねない。
社会人の立場なら、誠意のある言い回し、
論理的な構成、わかりやすい説得力が当然求められる。
伝わったことが伝えたこと。心して英語学習に取り組もうと。
今後もブログ楽しみにしております。
[返信]
学習者は間違いが許される、ただ研鑽は続ける必要がある、社会人はそれなりの水準が要求される、とすべておっしゃるとおりだと思いました。
- noglico
- 2010年02月10日 20:18
たしかに、この動画をみたら、ある意味、たどたどしいが、しゃべっているではないか!これでいいじゃないか!という人がいるかもしれません。ただ、ノーカット版のほうをみると、もうひどい。
ですよね。とてもとてもMBAはもちろんアメリカに「いたことがある」なんて思えません。
だってそもそもしゃべる以前にアメリカ人女性がなんて話してるか、その英語が全然、聞き取れていませんから。英語で話してくれとの要望に苦笑いは「通訳」の話を聞いてからだし、早くもない質問を、ゆっくり話してくれといい、結局、通訳を使って理解していました。BBCの記者のほうは、おそらくメッセージという語だけ聞き取れてあてずっぽうにコメントしたんじゃないでしょうか?これは言いすぎでしょうか?だってShould you've acted more quickly?をそのあと、なんのことやら聞き取れないのですから。通訳の人のものを半分だけ聞いて、I WILL do my best!ですよ。信じられません。
正直、全く聞き取りもできないMBA社長には唖然でした。しかしです。そういうあとに、「さあ何か言って!」となれば、日本の一般高校生でもあの程度のこと、しどろもどろで言えます。
以前、さんまのからくりテレビでファニエストイングリッシュというのがあったのをご存知でしょうか?街角で全く英語ができない一般人に、「今言った日本語の文を、さあ、英語で言ってみて!」とテレビでつきつけたら、しどろもどろでおかしくですが、沈黙して去ることはせず、苦心して話してました。マイクをつきつけられ、さあ言えという状態になったら、あの社長の程度は日本人の大卒者なら非留学でも誰でもいけます。
豊田社長の英語は全然おせじにも評価できるものではありません。いまだにMBAというのが不思議で不思議でたまりません。そしてトヨタ幹部に英語能力を強制しているなんてかたはらいたいにもほどがあります。
[返信]
何から何までおっしゃるとおりだと感じます。しかし、改めて「いしだて」レポートを読むと、ただ「悲惨」としか言いようがないですね。ちなみに、コロンビア大のビジネススクールを出た友人に、「バブソン」って知っているかと聞いたところ、「何それっ」と言われておしまいでした。
- いしだて
- 2010年02月10日 20:24
興味深い記事をありがとうございます。
この手の会見は、日本語でも言葉を選んで行なうでしょうから、
いきなり英語でといわれた社長の気持ち、察するに余りあります。
その点ではよくやっていると言うべきなのでしょうが、
世界のトヨタのトップであれば、身につけるべきスキルが
身についていないといわれても仕方ないのかもしれませんね。
そういえば、イチローだったか松井だったか、
英語で記者会見に答えられる英語力は充分あるのに、
誤解が生じないように必ず通訳を介するようにしているという
記事を読んだことがあります。
今回も、あえて「英語で」という記者の要求を突っぱねるぐらいの慎重さがあっても良かったのかもしれませんね。
もっとも、脇にいた通訳の実力も微妙なようですから、
それはそれで別のリスクがあったのかもしれませんが・・・。
[返信]
知り合いのプロ(通訳)は、やはり chem_pat さんと同じで、日本語で通すべきだったという立場で、わたしも、社長みずから英語で話すのは賢明でなかったと思います。通訳の件は、ダブルチェック用の通訳をもう一人置いて、いわゆるフェイルセーフを図るべきだったのではないでしょうか。
- chem_pat
- 2010年02月10日 22:54
日向さん、こんにちは。
(申し訳ありません。又、当方のトラックバック文字化けですので、削除しておいてください。当方最新のエントリーで書いていますが、要点は)
トヨタは日本的な経営手法で成功してきた典型的な企業ですので、今回のようなアメリカ/世界が”主戦場”のリコール問題で、危機管理に関するそのマネジメント手法で後手を踏んでいるのではないか?ということです。
いわば日本独自で進化した手法が世界に通じないという、マネジメントのガラパゴス化が起こっているのではないか、という事です。
アメリカからその対応を見ていると、そのように見えます。
[返信]
そういう視点もあるのかと感心しました。ありがとうございます。(文字化け、せっかくですから、わかる範囲で復元しておきました)
改めて「いちろう」さんの視点で見ると、トヨタのコマーシャルに出てくる「こども店長」がレピュテーションリスクに対応する修羅場に出て来たようなもんかと妙に納得してしまいます。「こども社長」を矢面に立たせるという独自の作戦なのですね。
- いちろう
- 2010年02月11日 08:55
Babson College is widely ranked the #1 school for entrepreneurship in the united states. It is in Massachusetts. If your friend studied business, he/she should know babson. If not, there is no reason to assume that he/she knows all the top ranking schools outside his/her specialty. There are thousands of schools with top ranking programs in different fields that your friend from Columbia might not know about. My school is not so famous, but it has a graduate linguistics program that is ranked top 5 in the country. In America, famous does not necessarily mean best, and people who went to famous schools do not necessarily know everything.
[The following is in reply to Benjamin Sullivan's comments]
Hello, Sullivan-san. What a pleasant surprise to have the author of the blog article "Free English Lesson for Toyota President" here. And thank you for straightening things out about this business school. KH
- Benjamin Sullivan
- 2010年02月11日 19:16
一番最初のコメントを読んで、思ったのですが、英語にある「devil's advocate」は、英語社会で一般的に何かを議論する時に結構普通に出てくるのでしょうか?
別に英語について話を日本語でしているので、日本語の会話にも英語の流儀を持ち込こんで云々とまでは言いませんが、気になったもので・・・。
あともう一つ、ある帰国子女を観察していた時、その方が結構日本人の暗黙の了解に気づかず、某国の流儀を持ち込んで話していたりする傾向が強かったのを思い出しました。上手く両方の国を分けていたり、きちんと違いを理解している人は、比較的トラブルも少ないと踏みました。
[返信]
"devil's advocate" を演ずるというのは、実質的にはけっこうあるでしょうが、たいていは、Let me play the devil's advocate here. というまくら言葉で始まります。もちろん、それで通るためには、それなりに理屈が通っていなければならないわけで、次元の違う話を持ち出しては駄目です。
帰国子女の話はごもっともで、日本語で話しているときに、英語の流儀を持ち込むとギスギスしますし、日本人が逆に英語を話しているのに、流儀が相手の察しに依存している日本語だとごまかしているとか、曖昧だといった非難を受けてしまうようです。
- ともちゃん
- 2010年02月11日 22:43
トヨタの社長がbelieve me.
日本の首相がtrust me.
産業界、政界のトップがそれぞれ同じような発言をしていますよね。日本人のトップ同士の会談だと「信じてください」が頻発してるんでしょうか。
[返信]
どうなんでしょうね。ただ、中小企業の親父さんどうしが交渉を終えたあとで、居酒屋でいっぱいやりながら、言いそうですよね。浪花節の世界ということでしょうか。
- yuskay
- 2010年02月12日 00:58
エコノミストにトヨタに関する記事が載っています。日本の企業体質など痛いところをズバズバと指摘されているのではないでしょうか。もう、信じてくださいと言って済んでしまうのは、ガラパゴス化している日本国内だけでしょう。
[返信]
情報、ありがとうございます。この記事が言うとおり、governanceに対するセンスの違いも裏目に出たんでしょうね。If Toyota’s board had included, say, a female German boss, a former American senator and a high-flying Hong Kong lawyer, its response to the crisis might have been different. というくだりが泣かせます。
- 悲しい現実
- 2010年02月12日 07:59
トヨタ社長の英語会見を見ました。余りにもひどすぎて言葉が出ませんでした。鳩山氏の英語と比べたら雲泥の差があります。最初の方の卑屈なコメントに対する返信を読ませていただきましたが、全く同感です。あのように国際的な場に出たら、英語を母国語とする・しないに関係なく、「日本人だからとかシャイで人前で話すことが苦手だからしょうがない」といった理屈は全くの言い訳になりません。単なる学習者じゃなくて、国際社会を相手に商売するプロです。国際的立場における認識のなさといい、卑屈っぽい先入観をいつまで抱き続け、かつ擁護し続ける日本人の一般的な習性といい、ただあきれるばかりです。恥ずべき文化の一つとして取り上げられても不思議ではないでしょう。
[返信]
ときに「この程度の国民にはこの程度の英語か」と思い、投げ出したくもなりますが、海外留学生さんを初めとする、良識のある読者の声に触れるつど、もうちょっと頑張って英語の普及活動に励んでもいいのかなと気を取り直しています。ありがとうございます。
- 海外留学生
- 2010年02月21日 07:39
通訳にまかせとくべきですね。
英語という一言語を学ぶために日本人は時間の使いすぎです。
論文など読み書きできさえすれば十分。
[返信]
通訳に任せるべき場面だというのはそのとおりですが、英語は読み書きできればいいという意見には反対という立場です。
時間を使っている割に効果が上がらないのは、コミュニカティブな英語、つまり話せる英語が大事と言いながら、実際は受験英語が基準になっていて、必要のない高度の英語まで押し付けているからだと思います。
中学程度の文法と1500単語程度使えれば、十分、話をし、コミュニケートでき、その域に達すれば、書く英語も簡単に身につきます。実際、ビジネス英語の世界は、メールなども含めて、ほぼ2,000単語もあれば十分やりとりできます。
英語の勉強が無駄のように感じられるのは、英語教育の責任者たちが必要な英語の範囲を見定めずに指導要領を策定しているのが元凶だと思っています。
なお、「読み、書き」ができれば十分というお立場のようですが、通常、英語をきちんと話せない人は、書いたものも普通に通用しないレベルで終わっているものです。やはり基本は話し言葉と言わざるを得ないようです。
- 英語を学ぶ時間は人生の無駄
- 2010年02月26日 12:19
伝えなければいけないことをキチンと伝えていなかったのですね...
英語を話せても、十分に伝えていなければ意味がないですね
今後は豊田社長には「英語で話す」より「十分に伝える」ことを重視していただきたいですね
[返信]
公聴会終了後の、自社従業員向けの以下の声明は、推敲した感じがあり、言いたいことをよく伝えていたと思いました。
At the hearing, I was not alone. You and your colleagues -- across America, around the world -- were there with me.
Your presence and encouragement is inspiring. Words cannot express my gratitude. But please accept this simple phrase: thank you very much. We are Toyota at a crossroads. We need to rethink everything about our operation. To regain customer confidence, we need to reassert the values that have been our hallmark.
- 2010年02月26日 23:20
おっしゃる事(トヨタのトップの低い英語力やこの件に関する戦略ミス)にはほぼ同意するのですが。a little bitが「ちょっと」ではなく「ちょっくら」、「ちょっぴし」だというのは、少なくとも、私の語感とは合いません。a little bitはフォーマルな学会でのプレゼンの最中でもよく北米のスピーカーは口にしています。やはり「ちょっと」かあるいはゆるくとっても「ちょこっと」が語感的にもっとも適当だと思います。
もちろんあの文脈でlittle bitがよろしく無いというのには同意しますけれど。。
[返信]
ありがとうございます。ただ、おっしゃるとおり学会での発表と会社の命運を左右しかねない緊張した雰囲気の会見とは違います。また、些細ことではありますが、手許の国語辞典では、「ちょっこっと」、「ちょっくら」、「ちょっぴり」はいずれも[俗]というラベルが付いているぐらいで、たいした差ではない上、そもそもa littleであれ、「ちょっと」であれ、話し言葉ですよというのがお伝えしたかったポイントです。
- TEN
- 2010年03月07日 04:25
ありがとうございます。ただ、おっしゃるとおり学会での発表と会社の命運を左右しかねない緊張した雰囲気の会見とは違います。また、些細ことではありますが、手許の国語辞典では、「ちょっこっと」、「ちょっくら」、「ちょっぴり」はいずれも[俗]というラベルが付いているぐらいで、たいした差ではない上、そもそもa littleであれ、「ちょっと」であれ、話し言葉ですよというのがお伝えしたかったポイントです。
[返信]
ご趣旨、よくわかりました。ご説明、ありがとうございます。
- Tiffany
- 2010年03月26日 11:43



あなたみたいにいちいちうるさいことを言う人がいるから日本人は堂々と英語を話せないんです。今回の会見は確かにもっと準備するべきだったのかも知れませんし英語だっておかしいかもしれません。でもこの会見は別に英語の試験ではありません。言葉はコミュニケーションの道具です。大切なのは気持ちを伝えることなのではないですか?英語が完璧でなければ人前で英語をはなしてはいけませんか?
[返信]
まず最初にお断りしなければならないのは、「いちいちうるさいことを言う」のを避けた方がいい学習者と、英語が仕事の道具であり、したがって、少なくとも水準以上の英語運用能力を備えていなければならないビジネスのプロとは同列に論じえないということです。国際企業トヨタを代表する人間が外国メディアに国際ビジネスの公用語である英語で聞かれ、英語で答えるという場面である以上、プロ仕様の、より高い水準に達しているかを問うのは当たり前の話です。
それはともかく、「言葉はコミュニケーションの道具」であること、並びに「大切なのが気持ちを伝えること」はそのとおりです。ただ、言葉の知識に加えて、状況に見合った方法で言葉を運用する能力がないとコミュニケートし、気持ちを伝えることはできません。これはコミュニケーションのための英語を研究をしている人たちが口をそろえて言っていることです。
つまり「言葉だけがコミュニケーションの道具」なのではありません。単に言いたいことを言葉という形式に乗せて言えばいいのではなありません。その状況に見合った言い方をし、自分のねらいどおりの思いを相手が受け止めてくれるための工夫も必要であり、その意味で言葉プラスαが必要です。
そうは言っても、言葉自体コミュニケーションの要素ですから、本来、feel cautious という言い方はなく、言うなら、something has made them cautious という形で使うか、they are growing cautious という形で使う必要があるというルールを守る必要があります。これを怠ると、「あれ、何言ってんだろう」ということになり、コミュニケーションが出発点で妨げられてしまいます。
この点、今回の会見は不安に思っている消費者に事情を説明し、信頼を回復したいというトヨタの気持ちを伝えようというものだったはずですが、broken English と評されたことに表れているとおり、そもそも言葉の形式面が整っていません。その上、state and prove とか、聞かれたことに正面から答えよという英語文化が要請する、言語の運用能力面の要請に反しています。ねらいが不発に終わり、現に英語圏のメディアでは批判の対象となっていますが、それも当然と言えば当然です。
一方、投稿者に誤解もあります。私は英語がパーフェクトでなければならないなどとは主張していないことです。コミュニケーションが言語的側面と、その社会文化を背景とする運用の側面とから成る以上、言語的側面で最低限のラインがあるのに、そのラインに達していないと嘆く一方で、運用面についての話も、ヨーロッパ共通参照枠の(最上級レベルではなく)中級レベルの指標を示すことで、「せめてこの程度」は必要ですよ、と言っているわけで、言語形式についても、言語の運用能力についてもパーフェクトであるべしといった尺度を持ち出していません。
なお、間違いをいちいち指摘するから萎縮するのだという論議は学習者には妥当しても、言葉を対外関係を処理するツールとして使っているプロには当てはまりません。
この点、通常の場ならブロークンでもいいから話した方が勉強のためにいいと言えます。しかし、今回の会見は、次元が違うわけで、学習者レベルの英語とプロとして要求される英語をいっしょにするわけに行きません。
死亡者まで出ている事案で、大きな信用リスク、事業リスクがかかっている問題ですから、企業経営上、少しでもクレディビリティーに悪影響するような材料は抑制すべきであり、したがって、英語力が拙く、state and prove になっていない、さらに、相手の質問に正面から答えていないのは、理にかなっていません。決して英語のフォームだけの問題ではありません。状況に合わせてきちんとmeaningをつたえるべきだったのに、明らかに誤算があり、奏功していません。それが問題なのです。
揚げ足取りじゃないか、そんなことじゃ学習者が萎縮するじゃないかという視点からのコメントをすること自体、大局が見えておらず、したがって本文を皮相的にしか読めなかったことの何よりの証左で、かみあわないのも道理です。
なお、匿名に隠れて会ったこともない相手をあなた呼ばわりするような野蛮人に英語の勉強なぞしてもらいたくありません。不愉快かつ迷惑なので、このブログへの立ち入りを禁じます。